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【米国株】中国のEV(電気自動車)メーカー「エックスペング」がIPO! 世界最大のEV市場である中国で、「自動運転」をEVづくりのコアに据えた戦略に期待!

2020年8月24日公開(2022年9月20日更新)
広瀬 隆雄
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中国のEVメーカー「エックスペング」がIPO!
実績ある経営者が創業した注目のベンチャー企業

 今回紹介するのは、8月27日にIPO(新規上場)を予定している中国のEV(電気自動車)メーカー、エックスペング(Xpeng、ティッカーシンボル:XPEV)です。

 エックスペングは、2015年に何小鵬(ヒー・シャオペン)氏によって創業されました。彼は2004年にUCWebを創業し、後にアリババに売却した実績があります。その後、元広州汽車(GAC)の自動運転車開発を担当していたエンジニアたちとエックスペングを立ち上げました。

「エックスペング」は自動運転に力を入れており、
これまでに「G3」と「P7」という2タイプのEVを発売!

 エックスペングは、主に中級車と高級車のセグメントで、自動運転ソフトウェアに力を入れたEVをつくっています。自動運転車の開発には270人のエンジニアを張り付けており、自動運転車の開発に関してはテスラと並んでトップを走っています

 また、ボディのデザインや性能、安全性、信頼性も重視しており、パワートレインやエレクトロニクス、オペレーティング・システムなどは、すべて自社でデザインしています。

 エックスペングは、これまでに2種類のEVを商品化しています。商業化第1号の「G3」SUVは、2018年12月から14.68万〜19.98万人民元で販売されており、納車実績は1.87万台です。

 もう1台は、2020年7月に新発売された「P7」スポーツ・セダンで、価格は22.99万〜34.99万人民元、納車実績は1966台です。

エックスペングが発売した「G7」画像エックスペングが発売した「P7」(画像出典:エックスペング)
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 エックスペングは、現在「G3」の生産を外部に委託していますが、将来的に「P7」や今後発売するニューモデルに関しては、年間10万台の生産能力を持つ自社工場で生産する考えです。また、1年に最低1台のニューモデルを発表する考えです。

 エックスペングのEVが1回の充電で走行できる距離は、いま出回っているEVの中では長いほうです。

 また、エックスペングは中国国内に114カ所の自社スーパー・チャージャー(充電所)を設置しており、今後もそれを増やしてゆく考えです

中国のEV販売台数は年率29.4%で成長しており、
2025年までに420万台に達する見込み!

 現在、中国は世界最大の乗用車市場で、2019年の販売台数は2110万台、そのうちEVは90万台でした。世界で売られているEVの45.1%が中国で売れた計算です。市場調査会社・IHSマークイットのレポートによれば、中国のEV販売台数は年率29.4%で成長しており、2025年までに420万台に達すると見込まれています。

 エックスペングが狙う中級車ならびに高級車のセグメントは、中国のEV市場の中で最も急成長が見込まれている市場です

「エックスペング」が上場するのはニューヨーク証券取引所、
上場予定日は8月27日で、合計10億ドルを調達予定!

 2019年12月31日で締めた会計年度におけるエックスペングの業績は、売上高が23.2億人民元(3.29億ドル)、純利益が46.5億人民元(6.58億ドル)の赤字でした。また、営業キャッシュフローは35.6億人民元(5.04億ドル)の赤字でした。

 エックスペングは、8月26日(水)の引け後に値決めされ、27日(木)にニューヨーク証券取引所に上場される予定です。幹事証券の構成はクレディスイス、JPモルガン、BofAセキュリティーズです。

 今回売り出されるのは8500万ADS(米国預託株式)で、これを普通株に直すと1.7億株に相当します。初値設定は11〜13ドルで、10億ドルを調達する考えです。

【今週のまとめ】
自動運転ソフトウェアをEVづくりのコアに据えた
“中国のテスラ”「エックスペング」の成長に期待しよう!

 エックスペングは、実績ある経営者が前に創業した会社をアリババに売却した資金をもとに始めたスタートアップで、しっかりとした技術チームを持っています。自動運転ソフトウェアをEVづくりのコアに据えた商品開発は、価値提案が明快です。

 すでに上場している中国のEV企業、ニオ(ティッカーシンボル:NIO)の良きライバルになると思います。
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