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政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、
日常生活における「行動制限の緩和」を提言
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は9月3日、希望者へのワクチン接種が終わる11月ごろを念頭に日常生活における行動制限の緩和を進める提言をまとめました。
行動制限の緩和の前提となるのが、新型コロナウイルス対策の重要な柱であるワクチン接種率の向上です。公表されたデータによると、9月7日時点でワクチンを1回以上接種した人は全体の60.9%、2回以上接種した人は49.0%。さらに、65歳以上の高齢者については1回以上が89.4%、2回以上が87.5%にも達しています。最近では若い人へのワクチン接種も進み、また国としてのワクチンの確保も進んでいることから、政府は希望するすべての対象者へのワクチン接種を10月から11月にかけて終えることを目指しています。
ワクチン接種の進展や、21都道府県に拡大した緊急事態宣言による人流抑制の効果もあり、全国の1日の新規感染者数を見ると、ピーク時の8月20日には2万5868人まで増加しましたが、9月7日には1万605人まで減少しています。
新規感染者数が減少していることから「新型コロナウイルスの感染拡大はピークアウトしている」との見方も出てきています。変異株(デルタ株)が猛威を振るっているため依然として楽観視はできないものの、感染のピークアウトの可能性が見えてきたことで、今後、経済活動の正常化に向けた取り組みがますます増えてくることが期待できます。
ワクチン接種とPCR検査などを組み合わせた
「ワクチン・検査パッケージ」を活用する流れに
こうした状況から、9月3日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会では、行動制限を緩和して可能な限り制約のない日常生活に戻していくため、ワクチン接種と検査を組み合わせた「ワクチン・検査パッケージ」の活用が発案されました。
「ワクチン・検査パッケージ」とは、“ワクチン接種歴”とPCR検査などの“検査結果”をもとに「他人に二次感染させるリスクが低い」ことを第三者に示す仕組みのことです。海外の一部で導入が進んでいる「ワクチンパスポート」と同じような取り組みと考えておけばわかりやすいでしょう。
新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言では、ほとんどの接種希望者にワクチンが行き渡る11月ごろをめどに、「ワクチン・検査パッケージ」を適用することで、入院患者や高齢者施設の利用者との面会、県境を超える出張・旅行、全国から人が集まる大規模イベントの開催などを容認することが考えられるとしています。
経済活動の再開や行動制限の緩和を進める動きに伴い、
「Go To トラベル」再開への期待が高まる!
そうした行動制限の緩和を目指す動きが出てきたこともあり、最近になって「Go To トラベル」再開への期待が高まっています。
観光庁では、「Go To トラベル」が2020年末に停止されたことでその分の予算が2021年度に繰り越されたこともあり、一部では、緊急事態宣言が解除されれば早期に「Go To トラベル」が再開可能だといった報道も見られます。実際、長く続いた自粛ムードの反動で国内の旅行熱は高まっており、すでに旅行会社では11月以降の旅行の予約が埋まってきているとのことです。
こうした動きから、株式市場でも「Go To トラベル」の再開を見込み、関連銘柄を探る動きが徐々に盛り上がっていくことが期待できます。そこで今回は「Go To トラベル」関連銘柄に注目しました。
銘柄選定では、個人投資家が中心となって売買が盛り上がることを想定し、旅行業のなかでも新興市場などの中小型株からピックアップしました。
【アドベンチャー(6030)】
航空券などの販売サイト「skyticket」を運営
アドベンチャー(6030)は、航空券などの販売サイト「skyticket」の運営を主力事業としています。業績は、国内の移動自粛や海外への渡航制限の影響を受けていますが、新型コロナウイルス対策を行ったうえで営業再開する宿泊施設が増加していることもあり、足元で利用者数回復の兆しが見られます。
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【ベルトラ(7048)】
海外旅行が減少する一方、国内ツアーは回復傾向に
ベルトラ(7048)は、世界中からバリエーション豊かな観光サービスやアクティビティを発掘・提供しています。海外への旅行者や訪日旅行者が低迷するなか、着々と商品拡充を進めており、国内ツアーに関しては回復傾向にあります。また、グループ会社・HawaiiActivitesが実施する米国本土の在住者向けのハワイツアー事業も順調に回復しています。
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【旅工房(6548)】
日本旅行と共同出資により合弁会社を設立
旅工房(6548)は実店舗数を最小限にとどめ、インターネットでの販売をメインとする旅行会社。24時間オンライン予約システムやトラベル・コンシェルジュ対応などを売りにサービスを提供しています。また、2021年9月には日本旅行との共同出資により、若者の旅行需要の喚起と販売シェアの拡大を目的とした合弁会社・ミタイトラベルを設立します。
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【ユーラシア旅行社(9376)】
ワクチン接種率の高い中高齢者層の需要を取り込む
ユーラシア旅行社(9376)は、「安・近・短」という手軽な旅行やショッピング目的の旅ではなく、世界を丁寧に見つめ直し、旅のテーマを深く掘り下げる旅行を提供する旅行会社。客層として時間と資金に余裕のある熟年層や富裕層の比率が高く、ワクチン接種率の高い中高齢者層の需要を取り込むことが期待できます。
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【ベストワンドットコム(6577)】
クルーズ旅行専門のオンライン旅行会社
ベストワンドットコム(6577)は、クルーズ旅行専門のオンライン旅行会社です。シニア層や富裕層だけをターゲットにしたビジネスではなく、若年層を含む誰もが体験できる旅行スタイルとしてクルーズを提案しています。国内旅行事業のほか、えびす旅館(京都)などの旅館事業も手掛けています。
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【エアトリ(6191)】
航空券インターネット取扱高No.1の「エアトリ」を運営
エアトリ(6191)は、航空券に関してインターネット取扱高ナンバーワンの総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。航空会社との強固なアライアンスやJR東日本との契約締結などにより、国内線全路線の航空券の比較販売や、新幹線乗車券の予約販売を実現しています。
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以上、今回は「Go To トラベル」関連銘柄を紹介しました。
実際に「Go To トラベル」が再開する場合、9月29日に決まる新政権の元で進められることになります。今後、自民党総裁選や参議院選挙の実施を睨んだ政策論争が活発になっていくなか、徐々に注目度が高まってくることが期待できるので、今のうちから「Go To トラベル」関連銘柄の動向には注目しておきましょう。
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