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9月7日の日経平均株価は続伸し、前日比256.25円(0.86%)高の2万9916.14円でした。一時は3万48.23円まで上昇し、ザラ場中としては4月9日以来およそ5カ月ぶりに3万円の大台を回復する場面もありました。
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9月3日の菅義偉首相の退陣表明を受け、国内の投資家のみならず海外投資家からも自民党総裁選後に発足する次期政権の経済対策に期待が集まり、買いが買いを呼ぶ展開になっています。
自民党総裁選は、複数の候補者が絡み合う混戦模様だが、
世論調査では河野行政・規制改革担当相が一番人気に!
共同通信が9月4〜5日に行った世論調査によると、次の首相にふさわしい人物として回答者の31.9%が河野太郎行政・規制改革担当相を、26.6%が石破茂元幹事長を、18.8%が岸田文雄前政調会長を挙げたということです。
また、読売新聞社も9月4~5日に緊急全国世論調査を実施したところ、次の首相にふさわしい政治家は、トップが河野太郎行政・規制改革担当相の23%で、その下に石破茂・元幹事長21%、岸田文雄・前政調会長12%と続いたそうです。なお4位以下は、小泉進次郎環境相11%、安倍晋三・前首相5%、安倍・前首相の支援を受ける高市早苗・前総務相3%、野田聖子・幹事長代行2%とのことです。
このように直近の世論調査では、河野太郎行政・規制改革担当相がダントツで人気のようです。しかし、今回の自民党総裁選は複数の候補者が絡むうえ、派閥の多くが「自由投票」となる可能性が高いため、各陣営とも票読みが難しい混戦模様となっています。
一部報道では「自民総裁選では石破氏は不出馬で河野氏を支持。事実上、河野氏と岸田氏の一騎打ちになる可能性が出てきた」と報じられました。また、知名度の高い河野氏、石破氏に野田氏らが加わり、保守系リベラル勢力が結成される可能性も一部で報じられています。一方、河野氏と同じ麻生派の甘利明税調会長は9月6日、BS日テレの番組で、党総裁選では岸田氏を支持する意向を示しました。このように状況は混沌としています。
今回の菅首相の任期満了に伴う自民党総裁選は「9月17日告示、29日投開票」の日程で実施されます。正確には、28日に党員投票を締め切り、29日に党員票の開票と国会議員の投開票が行われます。
今回の自民党総裁選は3年ぶりに、党則に基づく党員投票が実施される「フルスペック」で行われます。投票は、1人1票を持つ国会議員票(衆参両院議長を除く)と、党員・党友による地方票の合計数で争われます。党所属の国会議員は8月26日現在で383人です。党員票は国会議員票と同数になるよう換算し、全国で集計した得票数を「ドント方式」という方法で各候補に配分。つまり、合計766票で争うことになります。
なお、3人以上の候補が争い、1回目の投票で過半数を得た候補がいなかった場合、上位2人による決選投票になります。決選投票では、国会議員票は1回目と同じ1人1票の383票ですが、党員票は都道府県に1票ずつの47票です。つまり、決選投票は合計430票で争われることになります。
河野氏関連の「再生可能エネルギー・電力自由化」関連銘柄など、
すでに市場では新総裁誕生を見越した「先回り買い」が活発化
現時点で「誰が自民党の新総裁になるのか」を正確に予想するのは難しいです。しかし、足元の株式市場では、さまざまな思惑で“先回り買い”が活発化しています。
まず、世論調査ダントツ人気の「河野氏関連」としては、「再生可能エネルギー・電力自由化」関連銘柄や「脱ハンコ」関連銘柄が物色されています。具体的に挙げると、「再生可能エネルギー・電力自由化」関連銘柄では、レノバ(9519)、アストマックス(7162)、ENECHANGE(4169)、ウエストホールディングス(1407)、イーレックス(9517)、テスホールディングス(5074)、グリムス(3150)、エフオン(9514)、Abalance(3856)、エヌ・ピー・シー(6255)などです。また、「脱ハンコ」関連銘柄では、GMOグローバルサイン・ホールディングス(3788)、弁護士ドットコム(6027)などが挙げられます。
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「高市氏関連」としては、「核融合」関連銘柄や「量子コンピュータ」関連銘柄が物色されています。「核融合」関連銘柄は、神島化学工業(4026)、助川電気工業(7711)、東洋炭素(5310)、浜松ホトニクス(6965)など、「量子コンピュータ」関連銘柄は、ブレインパッド(3655)、フィックスターズ(3687)、HPCシステムズ(6597)、エヌエフホールディングス(6864)などが注目されています。
なお、高市氏が当選した場合、物価安定目標のインフレ率2%を達成するまで、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を巡る規律の凍結を主張している点で、市場にとってポジティブです。しかし一方で、「マイナンバーを活用して金融所得(配当所得と譲渡益)を名寄せして、50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げる」と株式売却益や配当に対する税率アップを明言している点では、非常にネガティブです。このため、高市氏が新総裁になったら、日本株は「高市ショック」で急落に見舞われる可能性があるので要注意です。
そして「岸田氏関連」ですが、岸田氏は候補者のなかで新型コロナウイルス対策を最も重視しているとされているため、「PCR検査」や「野戦病院のような臨時の医療施設の開設」「電子ワクチン接種証明(ワクチンパスポート)」などに関連する銘柄群が注目されているようです。
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これらの銘柄群は、菅氏が自民党総裁選への出馬を取りやめて「菅氏と岸田氏との一騎打ちシナリオ」が消滅した段階から利益確定の売りに押され、足元で調整している銘柄が多いように感じます。今後の総裁選挙動向に関するニュースで「岸田氏が優位」という状況になれば、これらの銘柄群は息を吹き返すことでしょう。
日経平均株価は、25日・75日移動平均線を割り込むまで
「強気一択」なので、積極的に投資収益の獲得を目指そう!
日経平均株価に関しては、2月16日の年初来高値3万714.52円を目指すというのがメインシナリオです。さらに、自民党の新総裁の政策次第では、3万714.52円を上に抜ける可能性も決して低くはないとも見ています。
当面の日経平均株価に関しては、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドのプラス2σ(9月7日前場時点で2万9279.42円)と同プラス3σ(同2万9933.87円)と間を推移する「バンドウォーク」が続くと思われます。
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なお、75日移動平均線(同2万8357.17円)と200日移動平均線(同2万8365.01円)を割り込むまで、日本株については「強気一択」と考えています。両線を割り込むまでは、積極的に市場参加して投資収益の獲得を目指しましょう。
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