世界的に加速する「インフレ」局面に強い日米を代表する株を紹介! 日本代表は「三菱UFJフィナンシャル・グループ」、米国代表は「マスターカード」!
発売中のダイヤモンド・ザイ4月号の大特集は「波乱相場の今こそ”買い”の【日米最強株】」! この特集では「EV」「DX」「ESG」「インフレ」「メタバース」という旬の5大テーマにスポットを当て、5年で株価数倍も狙える関連株を紹介している。特徴的なのは、日本株と米国株の両方を取り上げていることだ。また、5大テーマに関する最新のトピックスなども解説しているので、銘柄研究の参考になるだろう。
今回はこの大特集から「インフレ」関連でアナリストが注目する日本株と米国株を1銘柄ずつ紹介!
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世界規模で物価が上昇し、欧米の主要国はインフレ警戒モードに!
投資するなら金融や資源関連など、インフレに強い株を選ぼう!
欧米の主要国では、2021年の年末から物価上昇が加速。当初は一時的なものと思われていたが、今やすっかり本格的なインフレ警戒モードに突入している。例えば英国は、2021年の年末時点で、主要国の中では先陣をきって利上げに踏み切った。
EUの中央銀行であるECBのラガルド総裁も、2021年10月の段階では「現在のインフレが持続する可能性は低い」と発言していたが、2022年1月になって「インフレ見通しに上振れリスクがある」と見方を切り替えている。ただ、対策が消極的だと批判が殺到しており、口先だけではない対応を迫られている状況だ。
米国も似たような経過をたどっている。米国のバイデン大統領は2021年7月時点で、インフレを一過性のものと見なしていたが、今年に入って「インフレ改善が私の最優先課題」と発言するに至っている。米国では、2021年12月の消費者物価指数の上昇率(前年同月比)が7%に達するなど、インフレが国民生活を直撃するレベルになったためだ。FRB(米国の中央銀行)も、2022年中に複数回の利上げを予告せざるを得なくなった。
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デフレの泥沼にどっぷり浸かった日本人には、あまりインフレというものがピンと来ないかもしれない。しかし、インフレとそれに伴う金利上昇に備えた資産配分については、しっかり意識したほうがいいだろう。今後、実際に米国で金利上昇が始まると「インフレや金利上昇に強い銘柄を探せ」といった投資テーマが熱を帯びる可能性も高い。
インフレや金利上昇に強い業種や銘柄とは、たとえば「金融」「資源関連」「値上げできる会社」「好財務の会社」などだ。
金融業界は、金利の上昇がストレートに影響し、利ザヤ拡大や運用益が増大して収益が増える構造。メガバンクはもちろん、超低金利で運用に悩んでいた保険会社や金利収入が低迷していたクレジット会社も、収益改善のチャンス。低迷している地銀株も、割安放置から見直される可能性がある。
資源関連は、資源価格の上昇がそのままプラスになるので、油田や鉱山の権益など上流でビジネスをしている企業ほど恩恵が大きい。海外の資源の権益を保有する総合商社も有望だが、取引価格に連動する手数料が増える金属商社や鉱山機械のメーカーも、過去の資源価格の上昇時には収益が増大している。
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値上げできる会社とは、値上げしても顧客が離れないブランド力の強い製品を持つ会社のこと。原料価格や人件費等が上昇しても、そのまま価格転嫁できる。寡占市場の製品や、独占的な商品を持つ企業も同様だ。合併や再編で競争がない市場の企業も狙い目。便乗値上げで利益率をアップすることもできる。
最後に好財務の会社も狙い目だ。インフレに伴う金利上昇の局面では、借金の金利負担が重たくなるため、借金過多=財務内容の悪い会社は、利息負担が収益を圧迫する。一方、現預金など金融資産が多い会社は、金利収入が増加。財務格差が開発力やマーケティング力の差にも影響し、企業格差の拡大を加速させることになるだろう。
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米国の利上げの恩恵が大きい三菱UFJフィナンシャル・グループや
アフターコロナ銘柄でもあるマスターカードに注目!
インフレになると、上で挙げたような業種や企業にとって追い風となるのは、日本でも米国でも同じだ。そこで、ここからは「インフレに強い株」の日本代表「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)」と、米国代表「マスターカード(MA)」について、詳しく解説していこう!(※株価と業績は2月3日時点。PER、ROE、配当利回りは予想ベース。PBRは実績ベース。米国株の業績データは「QUICK・ファクトセット」。最低購入額は1ドル=115円で計算)。
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「インフレに強い株」の日本代表は、メガバンクの一角として知られる三菱UFJフィナンシャル・グループだ。
前述のように、金利上昇局面になると、金融業界はシンプルに利ザヤ拡大などのメリットを得られる。とはいえ、日本国内の金利上昇の時期は不透明だ。三菱UFJフィナンシャル・グループの場合、海外展開が進んでおり、持分法会社であるモルガンスタンレーを筆頭に、日本よりも利上げが濃厚な海外事業の収益が先に伸びそうで、業績はメガバンクの中でも突出することが期待される。ちなみに、金利は預金金利よりも貸出金利のほうが先に上がるので、金利上昇局面では収益機会が増えやすいだろう。
PBRが0.5倍、配当利回りも3%台後半という水準だが、旧態依然とした組織のイメージなどが反映されて、株価は割安に放置されている。配当利回り3%台後半なら、高配当株として長期保有もアリだろう。ちなみに、同行の1年定期預金の金利は年利0.002%となっている。
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続いて「インフレに強い株」の米国代表は、世界最大級のクレジットカード会社のマスターカードだ。
マスターカードはVISAと並び、クレジットカード業界の2大巨頭の一つ。金利上昇は金融業界全体を潤すが、モノの値段が上がることによるカード利用額の増加や、米国の利上げが招くドル高を背景とした海外旅行の増加期待など、クレジットカード会社にもたらされる恩恵は大きい。
海外のクレジットカード利用シーンでは、利息の発生する分割払いやキャッシングが多く、金利上昇は利息収入の増加に直結する。マスターカードの海外比率は64%と、VISAの54%より高く、コロナ収束後に海外旅行が復活すれば、株価の強い反発が期待される。
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