「夢の配当金生活」実現メソッド

「株主優待」の有効活用は「配当金生活」への近道!
配当だけでなく株主優待にも注目すれば、投資元本は
15年以内で回収できて、リスク管理がパワーアップ!

【第5回】 2017年8月26日公開(2019年7月12日更新)
個人投資家・立川 一(たちかわ・はじめ)
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 こんにちは、個人投資家の立川です。

 さて、前回のコラムは「ある程度の期間、配当をもらい続けて投資元本を回収できれば、リスクフリーで高配当を受け取ることができる」「増配株なら、リスクフリーになるまでの期間を短縮できる」という内容でした。
【※連載4回目の記事はこちら!】
増配株への分散投資は、預貯金よりもリスクが低い? 配当金だけで投資元本を回収できる期間が短くなり、元本回収後はリスクフリーで高い配当金がもらえる!

 株式投資における「リスク管理」に関しては、分散投資や損切りが一般的に言われていますが、配当で元を取ってしまえばそもそもリスク自体がなくなるという発想はあまりないと思います。現在、各上場企業が配当を通じて株主還元を積極的にしているので、こういったことが実現可能になったといえるでしょう。

 そして今回は、配当と株主優待の合わせ技を利用して、「リスク管理」をさらにパワーアップする方法を紹介します。

配当だけでなく、株主優待も利回り換算することで
投資元本を回収する期間は飛躍的に短くなる!

 株主優待とは「株式会社が一定数以上の自社の株式を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度」のことで、個人株主に大変人気のある制度なのでご存知の方も多いと思います。ダイヤモンド・ザイの特集記事でも配当と並んで(いやそれ以上かも!?)人気があるそうで、諸外国にはほとんど例のない日本ならではのうれしい制度でもあります。

 さて、そんな株主優待株の中には利回りが年率換算で10%を超えるなど、非常に高利回りなものがあります。その株主優待の高い利回りを加味することで、「配当で元を取る戦略」から「配当+優待で元を取る戦略」になり、「リスク管理」がとてもパワーアップするのです。

 例えば、家電量販店の最大手・ヤマダ電機(9831)の場合、配当は1株あたり年間18円(2018年3月期予想)なので、100株を保有すると1800円(税引後1434円)の配当が受け取れます。同時に、100株を保有すると自社店舗で利用できる割引券が年間3000円分もらえます。

 もし、配当だけ投資元本を回収しようと考えた場合、ヤマダ電機を8月17日の終値590円で100株買ったとすると、投資金額は5万9000円なので「5万9000円÷1434円=41.1」となり、元を取るまでに約42年もかかってしまいます。

■ヤマダ電機を590円で100株買った場合、「配当」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:5万9000円
年間配当:1800円(税引後1434円)
元本回収時期:5万9000円÷1434円=約42年

 しかし、株主優待を考慮すると、1年間で配当1434円+株主優待の割引券3000円分の合計4434円を受け取れます。つまり、「5万9000円÷4434円=13.3」となり、約14年で投資元本を回収できることになるのです。

■ヤマダ電機を590円で100株買った場合、「配当+株主優待」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:5万9000円
年間配当:1800円(税引後1434円)
年間優待: 3000円
元本回収時期:5万9000円÷(1434円+3000円)=約14年

 しかも実際には、ヤマダ電機の株主優待には「長期保有優遇制度」があり、2年以上継続して保有すると割引券の金額は年間3000円⇒5500円にアップするので、それを加味すると10年以内に元が取れることになります。

 さらに、ヤマダ電機は8月5日に自己株式の取得を発表しています。いわゆる「自社株買い」ですが、これによって1株当たりの価値が高まり、将来的に増配されたり、株価が上昇したりする可能性が高くなっていると思います。実際、ヤマダ電機は2015年3月期には年6円だった配当が、2016年3月期には年12円に倍増、2017年3月期も1円アップの13円、さらに今期は18円と、わずか3年で配当は3倍になっています。今後、増配が続くかどうかはわかりませんが、もし増配が続くようなら、投資元本を回収する期間はもっと短くなります。

配当だけでなく「株主優待」も考慮することで
15年以内に投資元本が回収できる銘柄はたくさんある!

 ヤマダ電機以外にも「株主優待」を考慮することで元を取る期間を大幅に短縮できる銘柄があります。

 東証1部上場のブロードリーフ(3673)という会社は、自動車整備工場や部品商などの自動車アフターマーケットの事業者を中心に、業務アプリケーションを開発・提供している会社です。ブロードリーフは年間配当が1株あたり22円(2017年12月期予想)なので、100株を保有すると2200円(税引後1753円)の配当が受け取れます。同時に、100株以上の保有で年1回、QUOカード3000円分が株主優待でもらえます。

 仮に8月17日の終値821円で100株買ったとすると、投資金額は8万2100円なので、配当だけで元を取ろうとすると「8万2100円÷1753円=46.8」となり、約47年もかかります。

■ブロードリーフを821円で100株買った場合、「配当」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:8万2100円
年間配当:2200円(税引後1753円)
元本回収時期:8万2100円÷1753円=約47年

 しかし、株主優待を考慮すると、1年間で配当1753円+QUOカード3000円分の合計4753円を受け取れるので、「8万2100円÷4753円=17.2」となり、約18年で元が取れてしまいます

■ブロードリーフを821円で100株買った場合、「配当+株主優待」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:8万2100円
年間配当:2200円(税引後1753円)
年間優待: 3000円
元本回収時期:8万2100円÷(1753円+3000円)=約18年

 ちなみに、ブロードリーフも増配銘柄で、2013年12月期は10円(分割考慮、以下同じ)だった配当が2015年12月期には12.5円、2016年12月には21.25円になっており、2017年12月期の予想も22円と、わずか3年で2倍以上となっています。このまま増配が続けば18年という年数はもっと短くなります

 また、塾のフランチャイズ事業をしている明光ネットワークジャパン(4668)は、株価が1578円(8月17日の終値)で、配当は1株あたり年間40円(2017年8月期予想)と、配当利回りが2.5%超と高いうえに、19期連続で増配を続けている増配銘柄です。しかも、株主優待では100株以上の保有でQUOカードが年1000円分、3年以上の保有でQUOカードが年3000円分もらえます。
【※明光ネットワークジャパンのように長期間、連続増配している銘柄の情報はこちら!】
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 明光ネットワークジャパンを株価1578円で100株を購入した場合、配当は年間4000円(税引後3187円)受け取れます。つまり、今後、仮に増配がなかったとすると、投資金額は15万7800円なので「15万7800円÷3187円=49.5」となり、配当だけで元を取るには約50年かかります。

■明光ネットワークジャパンを1578円で100株買った場合、「配当」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:15万7800円
年間配当:4000円(税引後3187円)
元本回収時期:15万7800円÷3187円=約50年

 しかし、株主優待を考慮すると、1年間で配当3187円+QUOカード1000円分の合計4187円を受け取れるので、約37年で元が取れます

■明光ネットワークジャパンを1578円で100株買った場合、「配当+株主優待」で投資元本を回収できるのは?
投資資金:15万7800円
年間配当:4000円(税引後3187円)
年間優待: 1000円
元本回収時期:15万7800円÷(3187円+1000円)=約37年

 しかも、実際には3年目以降は株主優待が長期保有優遇制度によって年間3000円に増額されることを考慮すると約26年で元が取れます。その上、明光ネットワークジャパンは19期連続で増配を続けている増配銘柄なので、現在のペースで増配すれば10年程度、増配ペースが多少落ちても15年程度で元が取れそうです

 このように、「配当(および増配)」だけで考えるのではなく、「株主優待」を有効に活用することを前提にすれば、投資元本を回収するペースは10~15年程度に短縮でき、リスクをさらに減らすことが可能になるのです。

株主優待で1000円分のQUOカードをもらうのは
1000万円の定期預金の利息をもらうのと同じ価値がある!

 ただし注意点としては、株主優待制度が改悪される(株主優待制度は継続されるが優待内容がダウンする)、あるいは株主優待制度が中止される(株主優待そのものがなくなる)可能性があることです。

 無配あるいは赤字だけど株主優待利回りが高いからといって投資した銘柄が、株主優待が改悪あるいは中止となれば株価は大きく下げることでしょう。株主優待の利回りが高い銘柄の中には、個人株主を確保するために若干過剰な株主優待を出す会社もあります。あくまで継続可能な、ほどほどの株主優待を実施していて、かつ配当も高利回りで安定しているか、増配傾向にある銘柄を選ぶことで、「配当+株主優待」で元を取ってリスクフリーな状態で株を保有することができるのです。

 私の経験的に会社として継続可能で、かつ投資妙味があるのは「配当(税引後)+株主優待」で利回りが5~10%程度だと考えています。つまり、元を取るのに10~20年で済む銘柄、ということになります。このような銘柄を複数組み合わせて投資するのがいい手法だと思います。

 ちなみに、私は2008年のリーマンショック時に株主優待株をまとめ買いし、その後も少しずつ追加していきました。株主優待をきっかけに買った銘柄が、実は好業績で増配もしてくれて、気がついたら株価が10倍以上になったものもあります。

 また、株主優待でもらえるQUOカード1000~3000円を侮ることはできません。預貯金の利息で3000円を稼ごうと思ったら元手は一体いくらかかるか考えてみてください。第2回で紹介したように、メガバンクの定期預金の金利が0.01%ですから、なんと1000万~3000万円が必要になるのです。つまり、株主優待で1000~3000円のQUOカードをもらうということは、1000万~3000万円を定期預金しているのと同じだけの価値があるのです。

 もちろん、株式投資には定期預金と違って株価の変動リスクがありますが、株主優待がもらえる増配銘柄に分散投資することによってリスクを軽減し、かつ長期保有して時間を見方にすることで配当と株主優待で投資元本を回収してしまえば、その後はリスクフリーで定期預金の100倍以上の配当と株主優待を受け取れるのです。

 ただし、当然ながら、自分がもらってもあまり意味のない株主優待では意味がなく、QUOカードのように自分が経済効果を得られる、つまり自分が使うことが可能である株主優待がもらえる銘柄に投資すべきです。

 「配当+優待で元を取る」という発想で投資に取り組むと、政治問題や金融危機あるいは震災など、保有銘柄のファンダメンタルとは異なる要因で株価が下落したとしても、安心して保有し続けることができます。万が一、そのような状態になったときには、「配当+株主優待利回り」が高利回りの銘柄が続出し、むしろ絶好の買い場となりますし、安く買えれば元を取るまでの期間も短くて済みます。そして、「配当+株主優待」で元を取ってしまった銘柄は、その後はつぶれない限り保有して配当と株主優待を受け取り続けるだけです。

株主優待の改悪や廃止には注意が必要だが、
株主優待を廃止して、配当に注力する銘柄も!

 先ほども書きました通り、株主優待は永続性がないことを心に留めて欲しいと思います。まれに株主優待の内容がよくなることもありますが、そもそも個人株主数の確保が目的である会社も多く、目的を達成した後は廃止や改悪というケースも少なからず発生します。

 また、業績の悪い会社が株主の確保のためだけに、やたらと利回りの高い株主優待を設定しているケースもありますから、あまりに良すぎる株主優待には注意しましょう。あくまで毎年きちんと利益を上げ、配当も出している銘柄である事が前提です。

 ただし、株主優待の中止や改悪は必ずしも悪いことばかりではありません。例えば、私が2007年に購入した創通(3711)は2008年に株主優待を廃止しました。その後は配当と自社株買いによる株主還元のみとしたのですが、10年が経過した今期の配当予想は当時の3倍以上(2007年8月期は1株あたり12.5円、2017年8月期の予想は1株あたり38円)になっています。

 実際には株主優待を継続する企業が大半ですので、「配当+株主優待で元を取る戦略」は非常に有効です。

 配当に株主優待を加えることによって、配当だけのときに比べると合計利回りが格段にアップするため、元本の回収にかかる時間、すなわちリスクフリーになるまでの期間がずっと短くて済むのです。

 それでは、今回のおさらいです。

【ポイント①】
株主優待制度には、利回りの高い銘柄があり、配当と組み合わせると元を取るのに短期間で済む。
【ポイント②】
配当+株主優待で元を取ってしまうと、株価変動は気にしなくてよくなる。
【ポイント③】
年間1000円の優待は、1000万円の定期預金の金利に値する。
【ポイント④】
個人株主の確保のためだけに株主優待を設定しているケースには十分注意しよう。
【ポイント⑤】
株主優待は、廃止や改悪もありうる。しかし、それは株主に不利益なことばかりではない。

 株式投資は株価の変動リスクがありますが、数ある金融商品の中で、少額から投資できる上に、インカムゲイン(利息・配当・家賃などの収入を指す。値上がり益などはキャピタルゲインと言う)だけで元本が回収できる、他にほとんど例のない金融商品だと思います。不動産なども高利回り物件を購入すれば、短い年数での元本回収は可能ですが、最低限の投資金額は株式投資に比べるとかなり大きくなります。しかも、株式投資の場合は配当だけでなく「株主優待」を加味すれば、元を取るのにかかる期間をさらに短くできるのですから、株式投資をしないのはもったいないと思いませんか?

 次回は、さらに安全な資産運用を株式投資でするためにはどうしたらよいか考えてみたいと思います。題して「増配株投資のリスクを、さらに限定する」ご期待ください!
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個人投資家・立川 一(たちかわ はじめ)さん
(『Value Investment since 2004 長期に配当収入増加と資産形成を目指す立川一の投資日記』:https://vis2004.blog.fc2.com/)
40代のサラリーマン投資家。中学生のころから株に興味を持ち、2004年から本格的に株式投資を開始。バフェットの本に影響を受け、最初はバリュー投資からスタートしたが、次第に増配株のメリットに気がつき、現在の投資手法を確立する。趣味である楽器演奏の腕前はかなりのもので、週末にはライブ活動も行っているとか。

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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。

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