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スクエアは、商店主や大工などのスモール・ビジネスを相手に
支払いや経理処理などの決済ソリューションを提供するフィンテック企業
今回は、新型コロナウイルスの感染拡大によるキャッシュレス化の加速の恩恵を被っているスクエア(ティッカーシンボル:SQ)を解説します。
スクエアは、商店主や個人営業、大工、士業を営むプロフェッショナルなど、スモール・ビジネスの決済ソリューションや個人向け決済アプリを展開しているフィンテック企業です。
例えば、新たにお店を持とうと思った場合、レジなどの決済システムやレシートの発行、出入りの業者への支払い、経理処理、従業員給与管理など、決済業務に関するさまざまな処理を心配しなければいけません。スクエアは、それらのひとつひとつに対してシンプルで安いソリューションを提供しています。
スクエアのPOS端末はクレジットカードでの支払いを簡単にしますし、レシートや請求書の発行、さらには経理ソフトや従業員給与管理ソフトも提供しています。つまり、スクエアはスモール・ビジネスのお金にまつわる一切合財を支援できるのです。しかも、単に従来のシステムから置き換えるだけではなく、リスク管理、オンラインストア、POSデータに基づいた運転資金融資など、デジタル時代にふさわしい最新のソリューションを提供します。
全米には、スクエアの見込み客になりうるスモール・ビジネスが約2100万社存在し、約200億ドルもの潜在売上市場となっています。
スクエアは、消費者向けの決済サービス
「スクエア・キャッシュアプリ」事業も順調!
スクエアには、スモール・ビジネスの決済ソリューションのほか、もうひとつ大きなビジネスの柱があります。それは、消費者向けのスクエア・キャッシュアプリ事業です。
スクエア・キャッシュアプリでは、給与の直接振り込みや「インスタント・デポジット(預金)」、現金引出し機、「ピア・ツー・ピア・レンディング」、積立運用、株式投資、仮想通貨など、数多くのサービスを扱っており、現在、こちらのビジネスも大きく伸びています。
スクエア・キャッシュアプリは、アップルのアプリ・ストアにおける金融アプリ部門でランキング1位となっており、毎月1500万回ダウンロードされています。また、スクエアの残高を直接使うことができるデビットカード「キャッシュカード」もすでに350万枚が使用されています。顧客獲得コストは非常に低く、顧客離反率も低いです。
「キャッシュカード」は消費者向けサービスの一環として発行しているのですが、新しいマネタイゼーションの機会を提供しています。スクエア・キャッシュアプリのユーザーが、併せて「キャッシュカード」をつくる事例もだんだんと増えています。
なお、スクエア・キャッシュアプリで利用できる数多くのサービスの中で最も人気があるのは「インスタント・デポジット」です。これは、通常だと入金まで数日かかるところを、スクエアからすぐに自分の口座に振り込んでもらえるサービスとなっています。
「スクエア・キャッシュアプリ」の貢献もあり、
スクエアの売上高は右肩上がり!
スクエアの第2四半期決算は、1株あたり利益(EPS)が予想-5セントに対して18セント、売上高が予想11.3億ドルに対して19.2億ドル、売上高成長率が前年同期比+63.8%でした。
売上高成長率が+63.8%と急に伸びたのは、スクエア・キャッシュアプリの貢献によるところが大きいです。
スクエア・キャッシュアプリの売上高が急成長している背景には、「より多くの人が使うことで、そのサービスの価値はより高まる」という、いわゆる“ネットワーク効果”が働いていることがあります。スクエアでも、スクエア・キャッシュアプリの利用率をどんどん上げることに注力しています。
下のグラフはグロス・ペイメント・ボリューム(GPV)の推移ですが、これはスクエアの決済システムを通じて実際に決済された商取引の金額を指します。直近で下がっているのは、新型コロナウイルスの影響です。
下のグラフは利益の推移です。グラフを見ると、第1四半期にEBITDA(利払い前・税引き前の償却前利益)が下がっていますが、これは新型コロナウイルスで閉店を余儀なくされた美容院やレストランなどに対する運転資金の貸付けに対して引当金を計上したためです。
なお、第2四半期の業績が良かった理由のひとつは、米国政府が裕福層を除く米国民に対して支払った1人最低1200ドルの支援金の一部がスクエア・キャッシュアプリを通じて支給された関係で、利用率が向上したことによります。第3四半期には同じような支援金は配られない公算が高いので、これは1回限りの恩恵だったと見なすべきでしょう。
【今週のまとめ】
数多く登場したフィンテック系決済企業の中で、
新規ユーザーの獲得がうまく、一番勢いのあるスクエアに期待!
フィンテック・ブームということで、いろいろなペイメント(決済)関係の企業が出てきていますが、その中で一番勢いのある会社がスクエアです。スクエアは、新規のユーザーを獲得するのが非常に上手く、しかもあまりコストをかけずに草の根的にユーザーを広げているところが素晴らしいです。
新型コロナウイルスの影響で、消費者はなるべく現金での支払いを避け、クレジットカードやデジタルでの支払いを好む傾向があります。それはスクエアのサービスの利用が一層増える要因となるので、今後の成長は十分に期待できると思います。
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スクエア(SQ)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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