「夢の配当金生活」実現メソッド
【第2回】 2017年6月30日 個人投資家・立川 一(たちかわ・はじめ)

定期預金の金利より「株の配当」は数百倍もお得!
増配銘柄を選べば、自動的に株価下落リスクが低く、
優れたビジネスモデルの超優秀な銘柄に投資できる!

 こんにちは、個人投資家の立川一です。前回の連載記事では、私が株式投資を本格的に始めたきっかけや現在の投資法について、そして増配株への投資のメリットなどを簡単に紹介させていただきました。今回からは、いよいよ私が「増配株への投資」をどのように実践しているのか、そのために必要な知識とともに紹介していきたいと思います。 
【※連載1回目の記事はこちら!】
年収500万円以下のサラリーマンが、投資歴13年で資産1億5000万円、年間配当収入300万円を実現! 成功のカギは「増配銘柄への投資」を発見したこと!

 さて、私たちが株を買うと、通常は半年(あるいは四半期、一年)に一度、「配当金」がもらえます。私はこの「配当金」を受け取るのがうれしくて株を保有していると言っても過言ではありません。

 メガバンクの普通預金の金利が0.001%、定期預金でも0.01%という低金利の昨今、「配当利回り(=その銘柄に投資した場合、一年間で投資金額の何%の配当が受け取れるのか)」が2%を超えるような銘柄がゴロゴロしています。近年では株主還元の強化として「配当」を積極的に出す企業も増えてきており、株式投資の魅力は「配当」によって一段と高まっていると言えるでしょう。

 今回は「そもそも配当とは何なのか?」ということから考えてみましょう。

「配当」は、法律で認められた株主の権利!
ただし、企業は事業が傾くほど過剰な「配当」は出せない!

 自分、または家族・知人が会社を始める際に直接出資するような場合は別として、大抵の人は証券会社を通じて株式を購入し、株主になります。株主が会社に対して持つ権利が、会社法第105条に規定されています。

会社法第105条(株主の権利)
1.株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
 一 剰余金の配当を受ける権利
 二 残余財産の分配を受ける権利
 三 株主総会における議決権
2.株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

 「1の一」に規定されている「剰余金の配当を受ける権利」がいわゆる「配当」を指します。ざっくり言うと「会社が出した利益の一部を、保有する株式数に応じて株主に分配する金銭」が配当なのです。そして、配当は純資産額が300万円以上あり(会社法458条)、「交付する金銭などの帳簿価額の総額は効力発生日における分配可能額を超えてはならない」とされています。つまり、利益が出たから(あるいはお金があるから)といって配当ができるというものではなく、配当後にも企業活動を継続できるだけの資金を確保した上で、配当を出す仕組みになっているのです。

 それ以上の過剰な配当は「蛸配当(たこはいとう)」という名称で違法配当と言われており、会社法第963条において「会社財産を危うくする罪」として規定されています……おぉ! 何だか急に話が難しくなってきましたね。これ以上難しくなると、書いている私もついていけなくなりそうです。

 しかし、今回のこの少しばかり難しい話が、実は重要なポイントなのです。

「配当」を出せるだけで、一定のラインを超える優秀な企業だが、
「増配」は、増益を継続できる超優秀な企業しかできない!

 なぜなら、「配当」を出せる会社というのは、配当実施後でも企業活動の継続に必要な十分なキャッシュが十分にある、と判断できる材料になるからです。

 逆の例では、今でも人気の高い「毎月分配型投資信託」ですが、「特別分配金」として運用益以上の「配当」を出しているケースも多く、一見高い配当利回りを実現しているように見えます。しかし、その「特別分配金」は運用資金を切り崩しており、運用益以上の「配当」を出した分だけ基準価額が下がってしまいます。 

 しかし、株式会社の場合は過去に生み出した利益以上に配当はできないのです。

 そして、企業が前年(前期)よりも多い金額を配当金として出すことを「増配」といいます。逆に前期よりも配当を減らすことは「減配」、配当を実施しない状態を「無配」といいます。

 もし、あなたにたくさんのお子様がいらっしゃるとして、毎月お小遣いを増やしていったらどうなるでしょう。それ以上にあなたの給料が増えていれば問題ないですが、もし給料が横ばいか、もしくは減っているようであれば、家計は悲鳴を上げてしまいますね。

 同様に、利益が増えているわけでもないのに毎年のように増配をすれば、その企業が持つキャッシュは瞬く間に底をつき、事業のために必要な運転資金が枯渇してしまいます。

 つまり、事業を継続するのに必要なキャッシュをキープしながら、何年も続けて増配するためには、増益を継続していなくては不可能です。 すなわち、増益を継続できる、優れたビジネスを持つ企業でなくては「連続増配」はできないのです。

 私はさまざまな業界に通じていなくても、財務分析に長けていなくても株式投資で成功できると考えています。なぜなら、前述のように「投資対象を増配銘柄に絞る」ことによって、優れたビジネスを持つリスクの低い上場企業を自動的に選択していることになるからです。 

 買った途端に目が離せない経営が危なっかしい銘柄と、買ったら経営陣にお任せして夜は安眠できる銘柄……大切な家族と仕事を持っている方や、投資にさほど時間をかけることができない方にとって、投資対象として向いているのはどちらでしょうか?

利益に応じて「配当」を増やす企業も増加中!
「増配銘柄への投資」が成功する環境は整っている!

 ただし、どの企業も利益を出せば、同じように配当を出すわけではありません。各種設備や研究開発への投資を優先して、配当を少なめ(あるいはゼロ)にする会社もあります。逆に赤字であっても、配当を出したり、利益以上の配当を実施したりすることもあります(ただし、これも前述の既定の通り、分配可能額を超えることはできません)。

 実際、私が投資を始めたころは「安定配当」と言って、配当額が増減させずに毎年一定額の配当金を出す会社のほうが多かったのです。しかし、ここ数年で「株主還元」に意欲を示す会社が増え、利益が成長すれば配当を増やしてくれる「業績連動型配当」を実施する会社も多くなりました

 例えば、有名な「センチュリー21」という会社は長年「安定配当」を実施していましたが、最近は業績に応じて配当を増やす「業績連動型配当」に移行しています。しかも、「センチュリー21」は増収増益中なので、毎年配当を増やしています。そのうえ、業績連動型配当に移行した後から、株価も徐々に上昇しています。

(※「安定配当」から「業績連動型配当」に移行した企業の例として「センチュリー21」を挙げましたが、私個人が投資を推奨するものではありません)

 「利益のうち、どのくらいを配当に回すのか」というのは企業によって異なります。しかし、すでに「連続増配」をした実績がある企業であれば、今後も順調に成長し「連続増配」を継続する可能性は高いと判断できます。つまり、会社のビジネスを精査して「これから増配をしそうな企業を探す」必要はなく、「すでに連続増配をしている」企業の中から投資対象を選べばいいのです。

 ちなみに「連続増配」をしている企業は「会社四季報」でも探せますし、「ダイヤモンドZAi」の特集記事などでも紹介されています。膨大な上場企業のすべてを分析するのはかなり大変ですが、「連続増配」の実績がある企業を抽出して、そこから投資銘柄を絞り込むくらいならできそうな気がしませんか?
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「配当性向」と「配当利回り」は高いほうがいいのか?
「配当利回りが高い」というだけで投資するのは危険かも!

 さて、最後に「配当」を語る上で大切な用語を2つご紹介します。

 一つ目は「配当性向」です。「配当性向」とは、企業が利益のうち、どの程度を配当に回すかという数字で、例えば10億円の純利益を出した会社が4億円を配当に回した場合、配当性向は40%となります。配当性向は「配当額÷純利益×100%」で表します。配当を出さない会社は当然0%、利益をすべて株主に還元する会社は100%となります。

 二つ目は「配当利回り」です。「配当利回り」とは、その銘柄に投資した場合、一年間で投資金額の何%の配当が受け取れるのかを表し、「1株当たり配当÷株価×100%」で計算できます。同じ株価なら、配当金が多いほど配当利回りは高くなります。同じ配当金なら、株価が低いほうが配当利回りは高くなり、株価が高くなれば配当利回りは低くなります。預貯金で言えば利率に近い性質をもち、投資の判断基準としてはわかりやすいと思います。

 この記事の掲載時点で預貯金の金利は、定期預金でも0.01%程度が当たり前の状態です。一方、株式の配当利回りは1~2%を超えることもザラで、私が保有する銘柄のなかには3%以上、Jリート(上場不動産投信)などは5%以上の銘柄が多く存在します。これだけでも、株式投資が預貯金に比べるとはるかに有利な金融商品であることが理解できると思います。

 では、「配当性向」や「配当利回り」が高ければいいのでしょうか?

 例えば、ある会社にとって目の前にビジネスチャンスがある場合は、将来の利益のために目先の配当よりも投資を優先するでしょう。逆に、ビジネスチャンスに乏しくめぼしい投資先がないため、仕方なく配当性向を高くして株主に還元しているケースもあります。つまり配当性向は、高ければ良くて低ければダメというわけではないのです。

 同様に「配当利回り」が高い銘柄のなかには、将来が期待されておらず、株価が低い水準で推移した結果、配当利回りが高くなってしまった銘柄もあります。逆に将来が期待されて、それなりの株価を維持し、結果として配当利回りが低くなっている銘柄もあるのです。当然ながら、こちらも高ければ良くて低ければはダメというわけではないのです。

 では、今回のコラムのポイントをまとめてみましょう。

【ポイント①】
株主にはさまざまな権利があり、配当を受け取る権利はその中の一つ。
【ポイント②】
配当は、利益を出していて、かつ企業活動が継続できる状態になければ出せない。
【ポイント③】
増配できる企業は、優れたビジネスを持つ素晴らしい企業の可能性が高い。
【ポイント④】
以前は「安定配当」の会社が圧倒的に多かったが、最近は「業績連動型配当」の企業が増えてきた。
【ポイント⑤】
「配当利回り」で考えれば、株式投資は預貯金と比較してとても有利な金融商品となる。
【ポイント⑥】
「配当性向」「配当利回り」は高ければ良いというものではない。 

 今回は、「そもそも配当とは何か」ということからスタートし、「増配」という着眼点で投資銘柄を絞って行く理由を簡単に説明しました。

 次回は、「増配」する銘柄に投資することが、どれだけすごい効果を生むのかについて、さらに掘り下げて解説してみたいと思います。どうぞお楽しみに!}
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