「お宝銘柄」発掘術!
2020年3月12日 村瀬 智一

株価急落で利回りが上昇している「高配当株」に注目!
新型コロナや円高などの外部要因に影響されづらく、
「予想配当利回りが5%以上」のおすすめ銘柄を紹介!

 世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が報告され、経済活動の停滞が不安視される中、各国の株式市場はパニック的な状況に陥っています。

 3月6日には、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成されるOPECプラスが、ロシアとの追加減産の実施に関して合意できずに協議が決裂。これを受けたサウジアラビアが原油の増産に転じたことで原油相場が急落したことが、ネガティブサプライズとなりました。この原油価格下落の影響を受けて、9日の米国市場ではNYダウが前日比で2000ドルを超す過去最大の下落幅を記録。S&P500指数は下落が7%に達したことで、すべての株式売買を一時停止する措置(サーキットブレーカー)が発動しました。10日にNYダウはいったん上昇したものの、11日には再び1464ドルも下落して、年初来安値を更新しています。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

 そして、日経平均株価は3月9日のNYダウの大幅下落やS&P500指数のサーキットブレーカー、さらにはヨーロッパ各国の株価指数の急落を受けて、3月10日に一時1万9000円を割り込み、12日には終値で1万8559.63円まで下落して、こちらも年初来安値を更新しています。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

日経平均株価が1万9000円を割り込んだことで、
いったんはボトム形成が意識される!?

 これまで、各国の金融緩和政策にともなう“過剰流動性相場”の中、米国を中心とした株式市場に流入していた資金が、リスクオフの流れの中で逆流して債券市場に流入。長期金利の指標である米国10年物国債利回りが1%を大きく割り込む状況となり、金融株が総じて軟調に推移しています。今回は、ここに原油相場の急落が加わったわけですから、パニック的な動きになることもやむを得ないところです。

 ただ、株価水準としては、日経平均株価が2018年12月以来、1年3カ月ぶりに1万9000円を割り込んだことで、いったんはボトム形成が意識されるところです。明確な“底打ち”と判断するのは時期尚早ですが、米国では3月9日、トランプ米大統領が、労働者や中小企業に対する新型コロナウイルスの悪影響の緩和を目的として大規模な経済対策を行うことを示唆。日本でも安倍首相が、4月に緊急経済対策を取りまとめる検討に入ったと報じられました。このように、日本や米国を含めた世界各国による経済対策が明らかになってくることで、不安定な相場も次第に落ち着きを見せてくることが期待できます

株価急落による予想配当利回りの上昇を考え、
外部要因によって業績悪化がしづらいセクターの「高配当株」に注目!

 さらに個人投資家としては、3月期決算企業の年度末が接近していることにも注目したいところです。今週末には先物オプション特別清算指数(SQ)の算出を控えており、これを通過することで、先物主導によるインデックス売買に絡んだ荒い値動きが落ち着いてくることが期待されます。ここで多少なりとも株価に落ち着きが見られるようだと、従来のようなイベントや投資テーマへの物色が回復することことも期待できます。

 現在は、新型コロナウイルスの感染拡大を主因とする株価急落で、全体的に予想配当利回りが高くなっています。これまでは利回りが3%以上あれば「高配当株」と言われていましたが、現時点で利回り3%以上の銘柄は相当数に上ります。そこで今回は、配当権利取りを意識した「高配当株」に注目しました

 ただし、現在は新型コロナウイルスの影響により、足元の業績悪化が警戒されています。さらに、原油相場の急落や急激な円高の影響も無視できません。そのため、足元の利益低下により、キャッシュポジションを高める狙いから減配する企業も出てくるでしょう。

 そこで、相対的にそうした外部要因の影響が少ないと考えられるセクターに絞り、その中で「高配当株」をピックアップしました
【※高配当株についての関連記事はこちら!】
「高配当株」と「増配株」では、どちらに投資すべきか? 「増配」は業績やビジネスモデルの“裏付け”があるが、「高配当」は株価や配当額に左右される不安定なもの!

「予想配当利回り5%以上」「通期営業利益が増益」
などの条件をもとに銘柄をスクリーニング

 具体的な選定基準としては、まず「予想配当利回りが5%以上」としました。足元で相場は大きく乱高下しており配当利回りも日々変動していますが、今回は3月9日終値時点で配当利回りが5%以上の銘柄を対象にしています。

 次に、外部要因の影響が少ないセクターとして、「情報通信」「建設」「不動産」「サービス」「その他金融」の5業種に絞り込みました。

 さらに業績面の条件として、「通期営業利益で増益を見込んでいる企業」と、多少の減益予想はすでに織り込んでいるという判断から「10%以内の減益の企業」の2つを採用しました。

 最後に、流動性の観点から「時価総額を500億円以上」を条件に加え、以下の5銘柄を選びました。

【ソフトバンク(9434)】
「5G」の正式なサービス開始を他社に先駆けて発表

 ソフトバンク(9434)は3月5日、国内における次世代通信規格「5G」の正式サービス開始を他社に先駆けて発表しました。サービス開始は3月27日からで、「5G基本料」は4G料金に月1000円の追加。ただし、8月31日までの申し込みで2年間無料となっています。新しいアンテナ技術である「Massive-MIMO」アンテナの運用経験や既存周波数の「5G」転換において有利な立場にあると見られるので、先行きに対する期待感は高いです。
【予想配当利回り】5.93%

⇒ソフトバンク(9434)の最新の株価はこちら!

ソフトバンク(9434)チャート/日足・3カ月ソフトバンク(9434)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

【大東建託(1878)】
共働きカップル向けなど、新たな顧客層獲得に期待

 大東建託(1878)は、建設事業における2月受注が417.6億円(前年同月比−9.0%)、累計では4421億円(前年同月比−16.2%)と単月としてのマイナス幅は1ケタに縮まっています。不動産事業については、入居者斡旋数が前年同月を上回って推移しているほか、家賃ベース入居率についても96.9%と安定しています。共働きカップル向けの賃貸住宅に注力するなど、新たな顧客層獲得が期待できます。
 【予想配当利回り】6.14%

⇒大東建託(1878)の最新の株価はこちら!

大東建託(1878)チャート/日足・3カ月大東建託(1878)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

【中電工(1941)】
地中線工事の受注増加が見込まれる

 中電工(1941)は、電気・空調・給排水設備や情報通信・環境分野などの総合設備業を展開しています。中国電力からの発注減少が売上に影響を与える可能性もありますが、今後、地中線工事の受注増加が見込まれるほか、建物設備の原状回復や機能向上を目的とする工事の受注も安定的に伸びています。
【予想配当利回り】5.10%

⇒中電工(1941)の最新の株価はこちら!

中電工(1941)チャート/日足・3カ月中電工(1941)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

【三井住友建設(1821)】
ロボットアームを用いた鉄筋組立自動化システムを導入

 三井住友建設(1821)は、橋梁工事やトンネル、環境・エネルギー関連、河川などの土木事業と、住宅や工場・発電所、事務所・庁舎などの建築事業が主力となっています。最近では、ロボットアームを用いた鉄筋組立自動化システムを鉄道関連部材の工場に導入。作業員1人あたりの生産効率が50%改善される見込みとのことで、今後、他の現場への導入による効率化が期待できます。
【予想配当利回り】5.30%

⇒三井住友建設(1821)の最新の株価はこちら!

三井住友建設(1821)チャート/日足・3カ月三井住友建設(1821)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

【三機工業(1961)】
政府による経済対策の影響にも期待

  三機工業(1961)は、ビルの空調衛生などを手掛ける建築設備事業が主力です。足元では、建築設備事業においては、前期に産業空調の大型案件を受注した反動が見られますが、プラント設備事業では環境システムの大型案件の受注により堅調です。官公庁向の受注比率が高いため、政府による経済対策の影響も大きいと思われます。
【予想配当利回り】6.20%

⇒三機工業(1961)の最新の株価はこちら!

三機工業(1961)チャート/日足・3カ月三機工業(1961)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

 このところ波乱の相場展開が続いていますが、まずは何をおいても新型コロナウイルスの封じ込めを待ちたいところです。しかし、相場が落ち着きを見せてくるにともない、「高配当株」に関心が集まりやすいと考えられます。新型コロナウイルスや円高などの外部環境の影響が乏しいと思われる銘柄を探す際に、参考にしてください。

【※今週のピックアップ記事はこちら!】
【2020年】今すぐ口座開設できる証券会社はここだ! 最短“申込当日”に取引できるDMM.com証券、翌日に取引可能なSBI証券など、今すぐ株を買う方法を解説

日経平均株価は「1万7157円」まで下落の可能性も!? “原油暴落”や“円高”など世界中の市場が混乱する中、VIX指数が20を下回るまでは株価急落への警戒が必要