つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2020年]
2020年7月10日 頼藤 太希

「つみたてNISA」で“やってはいけない”7カ条とは?
投資初心者が失敗しがちな「投資信託の選び方」から、
投資経験者も迷う「出口戦略」まで“7つのNG”を解説!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 今回はこれまで紹介してきた「つみたてNISAで“やってはいけない”こと」を7項目にまとめて、しっかり確認していきたいと思います。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと①】
家計が赤字なのに、無理して投資を始めてはいけない!

 「つみたてNISA」は運用益を非課税にできるお得な制度です。しかし、つみたてNISAはあくまで“投資”です。お金が増える可能性がある一方、減る可能性もあります。ですから、家計が赤字なのに、無理してつみたてNISAで積立投資を始めてはいけません。

 投資の格言に「命金(いのちがね)には手をつけるな」というのがあります。日々暮らしていくのに必要な生活費まで投資にまわしてしまうと、投資に失敗してお金が減ったら、即、路頭に迷ってしまう、という意味です。仮に、なんとかぎりぎりで生活できたとしても、臨時出費が発生したら、とたんに対処できなくなってしまいます。

 家計が赤字だったり、貯蓄がまったくなかったりする場合は、家計を赤字から黒字にし、生活費の6カ月~1年分の預貯金を用意することを優先しましょう。そうすれば、投資で多少失敗しても、とりあえずの生活には困りませんし、万が一、ケガや病気をしたり、リストラされたりした場合でも、次のアクションを取りやすくなります。

 とはいえ、家計が黒字になってから6カ月分の生活費が貯まるまで、一切投資はしないとなると、お金はなかなか増えません。そこで、2〜3カ月分程度の生活費が貯まったら、徐々に少額から、つみたてNISAをスタートすることをおすすめします。月100円、1000円程度の少額からスタートして、お金が貯まってきたら投資金額を増やしていきましょう。投資の感覚も、少しずつ養うことができます。6カ月分の生活費が貯まったら、本格的に投資資金にお金を回しましょう。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと②】
“なんとなく”で商品を選んではいけない!

 「つみたてNISA」で購入できる商品は、いずれも金融庁の定める基準を満たした商品です。2020年7月1日現在で、182本の投資信託・ETF(上場投資信託)があります。

 しかし、「金融庁の基準を満たしているなら、どれでも大丈夫でしょ」と、「なんとなく」で選ぶのはNG。自分に合っている商品かどうか、いい商品かどうか、見定める必要があります。

 つみたてNISAで投資する商品を選ぶ際には、具体的には以下の3つのポイントに注目しましょう。
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銘柄選びのポイント①
自分に合った「リスク」と「リターン」を考えよう


 投資の世界での「リスク」は、「危ない」という意味ではなく、「得られる収益(リターン)のブレ幅」という意味です。リスクとリターンは表裏一体、トレードオフ、比例の関係にあります。価格のブレ幅が大きくなるのが「ハイリスク・ハイリターン」です。逆に小さくなるのが「ローリスク・ローリターン」です。「ローリスク・ハイリターン」というものはありません。

 つまり、自分がどの程度のリターンが欲しいのか、どの程度のリスクなら許容できるのか(どの程度の損失まで受け入れられるのか)を意識して商品を選ぶ必要があるのです。こうしたリスクの度合いを「リスク許容度」といいます。なんとなくで選ぶと、過度にリスクの高い(低すぎる)商品を選ぶことになりかねません。

 リスク許容度は、その人の年齢や収入、運用資産や投資経験など、さまざまな要因によって大きく異なります。いくらリターンの大きそうな商品でもリスク許容度の低い人は購入すべきではありません。

銘柄選びのポイント②
「信託報酬」の安い商品を選ぼう


 投資信託には、買うときに必要な「販売手数料(購入時手数料)」、保有中に必要な「信託報酬」、売るときに必要な「信託財産留保額」の3つの手数料がかかります。

 このうち、特に重要なのが「信託報酬」です。信託報酬は商品を保有している間はずっとかかる手数料で、商品によって金額は異なります。一見、大した金額差ではないと思われがちな信託報酬ですが、たとえ年0.2~0.3%といった違いでも、つみたてNISAのように投資期間が20年近くになれば大きな差となるので注意が必要です。

 同じような国・投資先に投資している投資信託なら、少しでも信託報酬が安い投資信託を選ぶのがベターです。

銘柄選びのポイント③
まずは「インデックス型」を検討しよう


 投資信託には、目標とする指標と同じ値動きを目指す「インデックス型」と、指標を上回ることを目指す「アクティブ型」があります。こう書くと、アクティブ型のほうが儲かりそうに感じますが、まずはインデックス型がおすすめです。アクティブ型は信託報酬がインデックス型に比べて高いため、運用成績が指標をかなり大きく上回らない限り、最終的な運用益ではインデックス型に勝つことはできません。なんとなくでアクティブ型を選んでしまうと大きく損をすることもありえますので、要注意です。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと③】
商品を頻繁に変更してはいけない!

 「つみたてNISA」の運用商品の変更は簡単です。今、積み立てている商品の購入をストップし、新たに別の商品を買うだけです。

 だからといって、「今はこちらの商品が値上がりしているから」「新しく誕生したこの商品が気になるから」などといって、運用する投資信託を頻繁に変更すると、「ドルコスト平均法」(一定額ずつ積み立てることで、価額が安いときにはたくさん、高いときには少しの口数を買うことになり、平均購入価額が引き下げられるという方法)の恩恵が受けにくくなります。
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 ただ、もし現在、信託報酬が高めの投資信託を積み立てているのであれば、信託報酬の安い投資信託に変更したほうがいいかもしれません。同じような国・投資先に投資する投資信託で、信託報酬の差が0.2%以上あるならば、積極的な変更を検討しましょう。信託報酬が0.2%違うだけで、長期で考えると利益が10万円以上変わってくる可能性もあるからです。

 なお、これからつみたてNISAを始める人は、はじめから信託報酬が0.1%台など、圧倒的に低い投資信託を選べば、これ以上、信託報酬が大きく下がることも少ないでしょうから、今後、運用商品を変更しなくてもよくなります。
 
 信託報酬の最安値にこだわるなら、「eMAXIS Slim」(三菱UFJ国際投信)のシリーズや、「<購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスファンド」(ニッセイアセットマネジメント)のシリーズがおすすめです。これらのシリーズは信託報酬最安値を目指して信託報酬の値下げ合戦を繰り広げています。運用中に信託報酬がさらに下がる期待もできます。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと④】
これまでに購入した分は売ってはいけない!

 「つみたてNISA」で購入した商品は、いつでも売ることができます。しかし、「積み立てている投資信託が値下がりしたから……」などの理由で安易に売らず、保有を続けるべきです。なぜなら、つみたてNISAで購入した年から20年間は、利益にかかる税金をゼロにできるからです。そして、売ったところで非課税投資枠が復活するわけでもないからです。

 そのまま保有しておけば、今後、値上がりしたときに売却して利益を得られるかもしれません。どうしてもという理由がないのであれば、これまで購入してきた投資信託は持ちつづけて、非課税での運用を続けるのが無難でしょう。

【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと⑤】
「つみたてNISA」をやめてはいけない!

 すでに「つみたてNISA」をスタートした人が最もしてはいけないのは、「つみたてNISAをやめること」です。つみたてNISAをやめるとは、積み立てている資産を売ることだけでなく、積み立てをストップしたり、積立金額を減らしたりすることも含みます。
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 新型コロナウイルスによって資産が大きく下落する様子を見て、心配になった人もいるでしょう。しかし、永遠に下落する相場はありません。株価は2020年2月~3月の下落後、値を戻しています。つみたてNISAをやめずに続けていた人は、下落時にも淡々と商品を買い付けていたはずですから、平均購入価額を下げることに成功したでしょう。

 そもそも、つみたてNISAに投資しているお金は、今すぐ必要なお金ではないはずです。10年、20年と長期にわたって投資することで、お金を増やすための余裕資金のはずです。したがって、焦ってつみたてNISAをやめるのではなく、コツコツとつみたてNISAを続けることが大切です。

 金融庁の試算では、積み立て投資で資産を20年間保有した場合、利益は年率2%~8%の間に落ち着くとされています。もちろん、「必ずそうなる」と言い切れるものではありませんが、短期的な値動きに惑わされず、淡々と積み立てを続けることをおすすめします。

長期投資なら元本割れリスクはかなり減らせる参照元:金融庁「つみたてNISAについて」 注)左のグラフは、1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったものです。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出しています。これは過去の実績をもとにした算出結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと⑥】
20年後の解約時に株価が暴落しても、慌てて売ってはいけない!

 「つみたてNISA」の非課税投資期間は20年ですから、2018年に投資した分は2037年まで非課税で運用できます。でももし、2037年に大暴落があったら? そんなときに慌てて売ってしまうと、利益をみすみす減らしてしまうことになります。
 
 万が一、20年後に暴落があったら、つみたてNISAの資産は売らずに運用を続けましょう。つみたてNISAの資産は、20年経過後に課税口座に移され、それ以降の運用益に関しては非課税ではなくなってしまいますが、運用しつづけることはできます。ちろん、課税口座に移されたあとで売っても、移される前までの値上がり分は非課税のままです。あとは頃合いを見計らって、値を戻したところで売ればいいのです。
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【「つみたてNISA」で“やってはいけない”こと⑦】
リスクを恐れて投資をしないのはNG!

 お金を銀行に預けても、ほぼ利息のつかない時代です。そこで、お金を増やすには、少額でもいいので投資をスタートさせることが大切です。「つみたてNISA」は、運用益を20年にわたって非課税にできるお得な制度。自分のリスク許容度を把握し、そのリスクを取る。多少怪我をすることはあるかもしれませんが、なにごとも、怪我やミスをしないで上達することはありません。

 まずは少額から始め、経験を積みながら投資を学びつつ、お金を増やしましょう。そしてなによりも、投資生活を楽しみましょう。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、マネーコンサルタント。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、 『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。twitter→@yorifujitaiki