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【日本株】1月18日の日銀の「金融政策決定会合」直後
の短期的な混乱は“買い”のチャンス! ただし、25日
移動平均線が上向くまでは「守り優先」のスタンスで!

2023年1月17日公開(2023年1月17日更新)
藤井 英敏
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12月の日銀金融政策変更をきっかけに長期金利が上昇し、
足元では日銀が上限とする「0.5%」を連日上回る!

 2022年12月、日銀が突然、長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.25%程度から0.5%程度に引き上げたことをきっかけに、日本の長期金利の上昇圧力が強まっています

 そして足元では、1月17~18日の日程で開かれている金融政策決定会合で政策を再び修正するとの観測から、日本国債が売られています。実際、17日には新発10年債利回りが、日銀が上限とする「0.5%程度」を3営業日連続で上回りました

■日本国債10年チャート/日足・3カ月
日本国債10年チャート/日足・3カ月日本国債10年チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 これは、日銀に0.5%という低い利回り(=高い国債価格)で国債を売ることができるのに、わざわざ高い利回り(=低い国債価格)で市場売却した債券ディーラーなどの市場参加者がいたからです。というのは、日銀から国債を借りて空売りすることができないように、市場参加者は日銀から借りた国債を日銀に売ることができないことになっています。このため「日銀に売れない市場参加者」が、不利な条件であっても市場で直接売らざるを得ない状況になったようです。

 このような売り圧力の強まりへの対応として、1月16日時点で、決済日を基準とした2023年1月の日銀の国債購入額は17兆円に達し、過去最大規模となっています。遅かれ早かれ非常に高い確率で、日銀が金融緩和をさらに縮小すると見ている海外のヘッジファンドなどからの「空売り」が急増しているため、日銀はこれだけの規模の金額の国債を買い向かわざるを得ない状況になっているのです。まさに「市場vs日銀」の構図となっています

 実際のところ、2022年12月の金融政策決定会合以降に利回り曲線(イールドカーブ)の歪みは拡大しており、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)」は刻一刻と破綻に近付いていると言えるでしょう。

円高の進行により日本市場が停滞する一方で、
欧米やアジア各国の株式市場は堅調に推移

 このような状況を反映して、外国為替市場では日米金利差の縮小を見越した「円買い・ドル売り」が加速しています。1月16日の東京外国為替市場では、一時1ドル=127円22銭近辺と2022年5月末以来およそ7カ月半ぶりの高値をつける場面がありました。

■米ドル/円チャート/日足・3カ月
米ドル/円チャート/日足・3カ月米ドル/円チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 この円高を受け、1月16日の東京株式市場では、輸出関連株を中心に売られました。電機・ハイテク株指数の色彩の強い日経平均株価は、前週末比297.20円安の2万5822.32円と大幅に続落しました。

 また、日銀が1月16日に発表した2022年12月の国内企業物価指数(CGPI)が前年同月比で10.2%上昇と市場予想の9.5%上昇を上回る伸びとなったことで、国内の物価上昇圧力が確認されたことも売り材料となりました。なお、17日の日経平均株価は、前日比316.36円高の2万6138.68円と反騰しています。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 一方で、1月16日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸し、前週末比47.52ポイント高の1万5134.04ポイントと、2022年2月以来11カ月ぶりの高値で取引を終えました。また、16日には英国のFTSE100種総合株価指数が4日続伸し、前週末比16.00ポイント高の7860.07ポイントと連日で上昇し、終値ベースで過去最高値となった2018年5月以来、4年8カ月ぶりの高値で取引を終えています。ドイツと英国の株式市場では引き続き、インフレ鈍化観測が引き続き投資家心理を明るくしているようです

 また、米国株式市場は、1月16日はキング牧師誕生日の祝日で休場でした。しかしながら、前週末13日のNYダウは4日続伸し、前日比112.64ドル高の3万4302.61ドル。ナスダック総合株価指数は6日続伸し、同78.052ポイント高の1万1079.157ポイントでした。ミシガン大学が1月13日に発表した1月の米・消費者態度指数において、消費者が予想する1年先のインフレ率が4%と2022年12月の4.4%から低下したことで、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が強まり、株式が買われた結果です。

 さらに、1月16日の香港ハンセン指数の終値は前週末比8.06ポイント高の2万1746.72ポイントと、2022年7月以来の高値でした。また、16日の上海総合指数の終値は前週末比32.2857ポイント高の3227.5916ポイントと、心理的節目の3200ポイントを上回りました。1月8日に中国本土への入国者の強制隔離が撤廃されてゼロコロナ策が事実上終わったことで、人流が活発になっています。中国を中心にアジア地域の経済の正常化が加速することへの期待が高まっていることが、ハンセン指数と上海総合指数が上昇した主因となっています

1月18日に金融政策決定会合の結果が明らかになるまで
世界的な株高の恩恵を日本株だけが得られない状況に

 このように、日本以外の国・地域の株式市場は好調です。日本市場がこの流れに乗れていない最大の要因が「日銀リスク」です。市場は不透明感を嫌います。日銀が1月18日まで開いている金融政策決定会合の結果が明らかになるまで、日本株だけが世界的な株高の恩恵を得られないことは仕方がないと思います。

 実際、金融市場では今回の日銀の決定事項に関してさまざまな観測が囁かれており、正直なところ「フタを開けてみないとまったくわからない」としか言えません。

 ただし、日銀の決定を受けて、短期的な市場の混乱(急激な円高・急激な長期金利の上昇・株式の急落)があったとしたら、そこは買い場になると見ています。というのは、日銀が市場に追い込まれる形で経済実勢に合わせて金融政策を修正したとしても、日銀のメンツはつぶれるでしょうが、ただ単に経済実勢に合わせただけなので、それ自体に日本の景気を鈍化させる効果はあまりないと考えるからです。

 そもそも、いくら中央銀行でも経済実情を無視し、市場金利である長期金利を固定することは極めて困難、というかまず無理なことなのです。ですから、債券市場の市場メカニズムが機能する方向での政策の修正は、長期的には日本経済にとってポジティブな材料と見ています。それでも、そのような政策変更は、投機筋にとっては絶好の収益機会なので、債券・株式・為替市場のボラティリティーが短期的に高まって乱高下することは受け入れるしかありません。

日経平均株価の25日移動平均線が上向きに転じるまでは
タネ銭を減らさないことを最優先に考え、無理な売買は控えよう

 テクニカル的には、1月17日時点で、日経平均株価の25日・75日・100日移動平均線は、相変わらず下降のパーフェクトオーダー(25日・75日・100日移動平均線がすべて下向きで、25日<75日<100日の順番でキレイに並んだ状態)となっています。よって、引き続き、25日移動平均線が上向きに転じるまではタネ銭を減らさないことを最優先に守備力を高めにして相場に臨むべきです

 年初から冴えない相場が続いていますが、「待てば海路の日和あり」の精神で虎視眈々と「買いのチャンス」を待ちましょう。ぜひとも「守りと攻め」のメリハリをつけて、今の難しい相場を乗り切ってください。
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