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三井不動産が宇宙ビジネスを活性化するための
オープンプラットフォーム「クロスユー」を設立
三井不動産(8801)は2月13日、宇宙関連領域での産業創造を目指し、幅広い業界の企業が参画するオープンプラットフォームとして一般社団法人「CROSS U(クロスユー)」を設立し、2023年4月から活動を開始することを発表しました。
「クロスユー」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と宇宙ビジネス創出の促進に関する連携協定を締結しており、大企業からスタートアップ企業、さらには関連団体まで、宇宙関連・非関連に関わらず、幅広い業界の企業や団体の参加を促しています。
また、三井不動産は、宇宙ビジネスに特化した交流・共創の場として以前から運営していた「X-NIHONBASHI TOWER」に加え、2023年4月に新たに「X-NIHONBASHI BASE」を開設することを発表しています。
宇宙関連企業だけではなく非宇宙関連企業も含めた多様な業界のプレイヤーが参加しやすいオープンプラットフォームが形成されることで、新たな宇宙ビジネスが生まれる可能性が期待されます。
ウクライナ問題でロシア製ロケットが使えなくなったことで、
新型国産ロケット「H3」への期待がより一層高まる
三井不動産の例に限らず、最近では宇宙ビジネスの重要度が高まっているように思います。
例えば、2022年12月に内閣府が発表した「宇宙基本計画工程表(令和4年度改訂)の概要」によると、日本の宇宙活動を支える総合的基盤強化のポイントとして、大量の超小型・小型衛星を一体的に運用する「衛星コンステレーション(衛星群)」の構築に伴って増加する衛星打ち上げを国内でも実施できるよう、国産のH3ロケットのさらなる競争力強化や民間小型ロケットの事業化促進などが重要になってくるとのことです。
実際、ロシア・ウクライナ戦争によって、これまで各国の衛星打ち上げで利用されてきたロシアの「ソユーズロケット」が使用できない状態となったことも、日本のH3ロケットへの期待を高めています。
2月17日には、災害時の状況把握などを目的とする先進光学衛星「だいち3号」を搭載したH3ロケットの初号機が打ち上げられる予定です。JAXAはロケット打ち上げの国際競争が激しくなるなか、従来のH2Aロケットが1機およそ100億円なのに対し、H3ロケットは約50億円と打ち上げ費用を半分程度に抑えることを目指しています。米国の民間ロケット会社スペースXは同じロケットを再使用するなどして打ち上げ費用を65億円程度に抑えていますが、H3ロケットであれば価格競争でスペースXに打ち勝つことが可能となります。
ちなみに、米国のウォールストリートジャーナルの取材で、スペースXのグウィン・ショットウェル社長は、NASAが頼りにしている主要ロケットの打ち上げサービスのひとつが同社のドル箱になっていることや、衛星を用いた高速ブロードバンドサービス「スターリンク」が今年から利益が上がる見込みであること明らかにしており、こうしたニュースからも宇宙ビジネスの成長期待が高まりそうです。
小型・低コストでありながら、天候や昼夜に影響されず
高精度で地形や構造物を観測できる「小型SAR衛星」に注目!
このように宇宙ビジネスが盛り上がるなか、最近注目されているテーマのひとつが「小型SAR衛星」です。
「SAR」とは「合成開口レーダー」と呼ばれるレーダーのことで、人工衛星や航空機などに搭載して移動しながら使用することで、小型でありながら天候や昼夜に影響されず、高い精度で地形や構造物の形を観測できるのが特徴です。現在、このSARを積んだ小型衛星を複数打ち上げて協調動作させることで、コストを抑えながら世界中をカバーする「小型SAR衛星コンステレーション」の整備が進んでいます。
前出した「宇宙基本計画工程表の概要」にも、「高頻度観測が可能な我が国独自の小型のレーダー(SAR)衛星コンステレーションを2025年度までに構築すべく、関係府省による利用実証を行い、国内事業者による衛星配備を加速する」ことが必要だと書かれています。
そこで今回は「小型SAR衛星」に関連する事業を展開する企業を6社紹介します。
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⇒宇宙ビジネスの関連銘柄に注目!「INCLUSIVE」や「パスコ」など、市場拡大が期待できるサービス分野で事業を展開する“宇宙ビジネス”関連の7銘柄を紹介!
【パスコ(9232)】
JAXAなどが運用する地球観測衛星のSAR画像を扱う
パスコ(9232)は「空間情報サービス」に強みを持つ企業で、国内公共部門が全体の売り上げの約8割を占めており、防災・減災、国土強靱化対策の業務が拡大しています。また、JAXAなど国内外の機関が打ち上げ、運用している地球観測衛星のSAR画像を多数取り扱っています。株価は2月7日に1462円まで買われた後、いったん調整しましたが、足元で75日移動平均線が下値支持線として機能する格好から切り返しを見せており、さらなるリバウンドに期待したいところです。
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【さくらインターネット(3778)】
クラウド上で衛星データの分析ができる「Tellus」を提供
さくらインターネット(3778)は、経済産業省の事業として、クラウド上で衛星データの分析ができる衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」を開発・運営しています。株価は2023年3月期・第3四半期の決算内容や自社株買いが材料視され、2月に入って強いトレンドを形成しており、2021年4月以来の水準まで急伸。短期的に過熱感が警戒されるものの、2021年3月の高値840円を意識したトレンド形成が期待できます。
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【NECネッツエスアイ(1973)】
衛星データを活用したソリューション開発の実証に参画
NECネッツエスアイ(1973)は2022年10月、富山県立大学と共同で経済産業省の「令和4年度産業技術実用化開発事業費補助金(宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業)における衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」に参画することを発表。これは、衛星データを活用した地域の行政・産業の課題解決に向けたサービス提供の実証となります。株価は、1月30日につけた高値1806円をピークに調整が続いていましたが、足元で“売り一巡”からのリバウンドを見せています。
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【NEC(6701)】
衛星からのSAR画像を使って橋の変形をミリ単位で検知する技術を開発
NEC(6701)は2022年7月、衛星から観測したSAR画像を用いたリモートセンシングとAI技術を組み合わせ、従来は発見が困難であった橋の「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知し、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発したと発表しました。株価は1月20日につけた安値4405円をボトムにリバウンドが続いており、2022年11月の戻り高値の水準に接近。このまま4950円辺りに位置する52週移動平均線を超えてくるようだと、長期の上昇トレンドへ転換が見込めます。
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【スカパーJSATホールディングス(9412)】
SAR衛星からのデータを活用した「変位モニタリングサービス」を提供
スカパーJSATホールディングス(9412)は、通信衛星などの宇宙事業を手掛けています。インフラ領域では、SAR衛星からのデータを活用した変状抽出技術によって「指定した構造物やエリアが変位していないか」を時系列で解析し、可視化する「変位モニタリングサービス」を提供。河川堤防や空港・港湾施設、道路、鉄道軌道、鉄塔などでの活用が見込まれます。株価は2022年8月以降、下落トレンドが続いていましたが、足元のリバウンドで13週移動平均線を突破。さらに52週移動平均線にも接近しており、上昇トレンドへの転換が期待されます。
⇒スカパーJSATホールディングス(9412)の最新の株価はこちら!
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【セーレン(3569)】
超小型衛星の開発など宇宙ビジネスに本格参入
セーレン(3569)は、福井県や東京大学などと連携し、「CubeSAT(キューブサット)」と呼ばれ超小型人工衛星の開発を推進。さらに、超小型衛星の開発・製造の実績や人工衛星から得られるデータを利活用し、宇宙ビジネスに本格参入しています。また、セーレンは「国内の宇宙産業の創出と拡大」を目的として、Synspective社と小型SAR衛星用アンテナの量産プロセスの構築に関して協業しています。株価は、2022年11月につけた高値2688円をピークに調整が続いていましたが、足元では26週移動平均線を下値支持線にリバウンドの動きを強めており、直近では13週移動平均線も下値支持線として意識されています。
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以上、今回は「小型SAR衛星」の関連銘柄を6社発掘しました。
世界の宇宙ビジネス市場は、衛星サービス分野を中心に着実に拡大しており、2040年には世界全体で100兆円を超えると見込まれています。それに伴って新たなサービスの誕生が期待されることからも、今後、関連銘柄が増えてくることになりそうです。
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