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フェイスブックやフォード・モーター、セールスフォースなど、
リモートワーク中心の勤務体制を見直す動きが増加
フェイスブックを運営する米国のメタ・プラットフォームズ(META)は3月14日、今後数カ月で段階的に従業員を1万人削減、求人計画についても5000人分の採用を凍結することを明らかにしました。また、社内全体のコミュニケーションを向上させるため、管理職の階層を減らしてスリムな組織への移行を進めるとのことです。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって導入したリモートワークや、リモートワークとオフィス勤務を組み合わせる「ハイブリッド型」のワークスタイルについて、両方を認めることは約束するとしながらも、リモートワークの新規申請や他地域のオフィスへの異動希望を2023年の上半期はすべて停止すると社員に伝えたと報じられています。
メタ・プラットフォームズのザッカーバーグCEOは、対面で仕事をした後にリモートワークに移行したエンジニアは最初からリモートワークで入社したエンジニアよりも平均して良い成績を収めていると指摘したそうです。さらに、同僚との時間を少なくとも週に3日増やすことが、キャリアが浅いエンジニアの業務に有益だとも述べています。
メタ・プラットフォームズ以外にも、最近になって米国の自動車大手フォード・モーター(F)やCRMサービス大手セールスフォース(CRM)など、さまざまな企業が生産性向上に向けた取り組みを進めていることを表明しています。例えば、セールスフォースでは、リモートワークの新入社員は業務を把握するのに時間がかかり過ぎると指摘し、営業担当者の対面勤務を週4日に増やす計画を明らかにしています。これまで成長を重視してきた多くの企業が、ここ数カ月で社内に関心をシフトさせ、業務改善や意思決定の迅速化の方法を探っているようです。
リモートワークからオフィス勤務への回帰により、
オフィス用品やオフィスのレイアウト変更などの需要が増加
新型コロナウイルスの感染拡大で通勤ラッシュの回避や学校の休校、イベント自粛、不要不急の外出を控えるなどの要請がなされ、日本でも多くのビジネスマンがリモートワークを余儀なくされました。コロナ禍により多くの施設が閉鎖されて外出もままならないなか、ズームやスラックなどを介して慣れないリモートワークで業務を進めた方も多いのではないでしょうか。
しかし、コロナ禍も3年が経過して感染状況は落ち着きを見せており、行動制限の緩和によって経済活動は正常化に向かっています。それに伴い、ビジネスマンのワークスタイルも、リモートワークからオフィス勤務への回帰が進んでいます。リモート対応に馴れたこともあって、就業中にこっそり娯楽を楽しんだり外出したりする人も増え、これが業績にマイナス影響を与えているといった要因もあるようです。前述したように、メタ・プラットフォームズなどリモート勤務に寛容に見えるIT業界においても、リモートワークの限界を感じてきているのでしょう。
そこで今回は「オフィス」関連銘柄に注目しました。リモートワークを完全に排除する流れにはならないと考えますが、今後は週のうち数日出社するような「ハイブリッド型」のワークスタイルがますます増加すると思われます。それに伴い、オフィス用品や事務用品・機器の需要増加に加え、ハイブリッド型ワークスタイルに対応するためのオフィスのレイアウト変更などの需要も増える可能性がありそうです。
具体的な関連銘柄としては、事務用品やオフィス家具など手掛けている銘柄のなかで、株価が底入れからのリバウンドを見せてきた企業を選定しました。
【アスクル(2678)】
「アスクル」「SOLOEL」「LOHACO」などのサービスを展開
アスクル(2678)は、オフィス用品や一般事務用品の中小事業所・個人事業主向け通販サービス「アスクル」や、大企業グループ向け間接材購買サービス「SOLOEL(ソロエル)」、大企業向け一括購買サービス「SOLOEL ARENA(ソロエルアリーナ)」、日用品全般の個人向け通販サービス「LOHACO(ロハコ)」などを運営しています。新しい法人向けウェブサイトの増強費用や物流センターの立ち上げ費用などが重荷となり、2023年5月期・第3四半期の営業利益は減益となりましたが、BtoB事業の好調により売上高は計画を上回る進捗でした。株価は決算を受けて3月16日に1573円まで売られましたが、その後は順調なリバウンドを見せており、足元で25日・75日移動平均線を捉えてきました。目先は2月の高値1779円が意識されており、これをクリアしてくるようだ2022年8月の高値1877円をターゲットとした展開が期待できます。
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【DCMホールディングス(3050)】
環境配慮型商品として自社開発したコピー用紙などが好調
DCMホールディングス(3050)はホームセンター大手です。通販事業ではオフィス用品や文房具のほか、事務収納・整理用品、コピー機、シュレッダーなど各メーカーの製品を販売しています。さらにオリジナルブランド商品である環境配慮型のコピー用紙などが好調に推移しています。株価は、2023年に入って下落トレンドが続いていましたが、足元で200日移動平均線が下値支持線として機能し、リバウンドの動きを見せています。直近で25日移動平均線を突破したので、一段の上昇に期待したいところです。
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【アルファパーチェス(7115)】
間接材・サービスのワンストップ購買代行を手掛ける
アルファパーチェス(7115)はワンストップでの購買代行により、文房具やオフィス用備品、設備・機械の修理用部品などの調達業務を効率化する「MROソリューション」を提供。さらに、店舗・施設のライフサイクルにおけるさまざまな建築資材・設備の購買を管理する「CFMソリューション」、多施設展開をする顧客に対して施設運営に必要なサービスを提供する「FMソリューション」を展開しています。株価は25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが継続しており、3月22日には一時1306円まで買われました。足元ではボリンジャーバンドの+1σまでの調整を見せており、押し目狙いのタイミングと言えそうです。
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【大塚商会(4768)】
200万アイテムを揃える通販サイト「たのめーる」を運営
大塚商会(4768)は、システム開発・保守や事務用品の販売などを手掛けています。オフィス用品の通販サイト「たのめーる」では、デスクや椅子、ホワイトボード、収納家具などのオフィス家具のほか、文房具・生活用品からパソコン・周辺機器まで約200万アイテムを揃えています。「たのめーる」の売上は2010年に1000億円を突破し、2022年には1830億円超に拡大しています。株価は、2月2日にマドを空けての上昇を見せ、その後は4600円を挟んだ保ち合いを継続。レンジ下限からのリバウンドのタイミングが意識されます。
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【イトーキ(7972)】
大型のオフィス移転やリニューアル案件が好調
イトーキ(7972)は、オフィス空間から公共空間、専門空間、生活空間まで、さまざまな「空間」「環境」「場」づくりのサポートを提唱しています。2022年12月期の業績は、ニューノーマル時代の新しい働き方に合わせた大型のオフィス移転やリニューアル案件などを中心として好調に推移し、営業利益が前期比79.0%増の45億8200万円でした。2023年12月期においても4割増益を計画しています。株価は、2月16日につけた高値812円をピークに緩やかな調整が継続していますが、切り上がる75日移動平均線が下値支持線として意識されており、押し目狙いのタイミングと言えるでしょう。
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【オカムラ(7994)】
ハイブリッドワーク普及でリニューアル需要が旺盛
オカムラ(7994)は、オフィスや教育施設、劇場・美術館などの文化施設、専門性の高い研究施設や医療・高齢者施設など、人が集まるさまざまな施設に向けた製品を手掛けています。ハイブリッド型ワークスタイルの普及に伴うオフィス機能の見直しで、リニューアル需要が旺盛に推移しているようです。株価は、3月1日には1392円まで買われましたが、75日移動平均線に上値を抑えられる形で下落し、一時は1300円を下回る場面も見られました。しかし、足元のリバウンドで25日移動平均線を突破した後、75日移動平均線に接近しており、上値抵抗線突破からのさらなる株価上昇が期待されます。
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以上、今回は「オフィス」関連銘柄を発掘しました。
その他、企業によってはコロナ禍で完全にリモートワークに移行してオフィスを縮小したケースもあり、今後ハイブリッド型のワークスタイルの増加によって、シェアオフィスやサテライトオフィスなどの需要が高まることも期待できます。その他、リモートワークやハイブリッド型ワークスタイルの不況で情報漏えいが警戒されることから、セキュリティや仮想デスクトップ・ソリューションなどを手掛けている企業への物色の広がりも期待できそうです。
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