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企業決算に対する楽観的な見方が強まった結果、
NYダウが上昇して6年超ぶりに11営業日続伸に!
米国の株式市場の主要な株価指数のなかで、とりわけNYダウが非常に強い動きを続けています。7月24日のNYダウは前週末比183.55ドル高の3万5411.24ドルと、2017年2月以来6年超ぶりに11営業日続伸しました。
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これまでのFRBによる強烈な利上げ効果で、米国の物価指標がインフレ緩和の兆候を示す一方で、米国経済は底堅く推移しているため、市場ではハードランディングではなくソフトランディングへの期待が高まっていることが背景です。また、現在、本格化している決算発表でおおむね良好な業績が確認できているため、投資家の間で、企業の決算に対して楽観的な見方が強まっていることも株高の要因となっています。
ちなみに、7月24日発表の7月の米・購買担当者景気指数(PMI、速報値)は、総合で52.0と前月比1.2ポイント下がり、5カ月ぶりの低水準でした。しかしながら、好不況の分かれ目である50は上回っています。よって、米国株については、いわゆる「ゴルディロックス相場(景気が過熱も冷え込みもしない適度な状況にある相場)」となっているようです。
当然のことながら、足元のNYダウの強い値動きは日本株の下支え要因です。
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今週はFOMCとECB理事会、日銀金融政策決定会合が相次いで開催!
FOMCとECBでは、どちらも0.25%の利上げとなる見通し
それはさておき、今週(7月24〜28日)は「中銀ウィーク」です。FOMCが7月25~26日、ECB理事会が27日、そして、日銀の金融政策決定会合が27~28日に開催されます。
今回のFOMCでは0.25%の利上げが予想されています。これで打ち止めとなるか、または年内にあと1回の利上げがあるかどうかが焦点となっています。ただし、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、決して打ち止め感は出さず、タカ派的な発言を繰り返すと見ています。なぜなら、インフレは明らかに減速しているとはいえ、依然としてFRBが目指す水準まで収まっていないからです。
また、ECBも0.25%利上げする見込みです。ECBに関しても、ラガルド総裁は、インフレ率は依然として高過ぎるとこれまで警告しているため、「近く利下げが実施されることはない」と繰り返し強調する見通しです。
今回の金融政策決定会合で金融政策の変更はなさそうだが、
年内に「YCCの修正」が実施される可能性は十分にある!
一方、日銀が「YCC(イールドカーブ・コントロール=長短金利操作)」に関して修正を決めるか否かについて、市場で思惑が錯綜しています。というのは、日本の物価が高止まりしているからです。
総務省が7月21日に発表した2020年基準の消費者物価指数(全国2023年6月分)は、消費者の生活実感に近い生鮮食品を含めた総合指数が前年同月比で3.3%、前月比(季節調整値)で0.2%の上昇となっており、総合指数の前年同月比の上昇幅は0.1ポイント拡大(5月:3.2%⇒6月:3.3%)しました。また、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数(コア指数)は、前年同月比で3.3%、前月比(季節調整値)で0.4%の上昇となっており、コア指数の前年同月比の上昇幅は0.1ポイント拡大(5月:3.2%→6月:3.3%)しました。
ちなみに、6月の米国の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の上昇率が3.0%でした。生鮮食品も含む全体の指数で日米が逆転するのは、2015年10月以来、約8年ぶりのことです。
7月20日に内閣府が発表した「2023年度 内閣府年央試算」では、「2023年度の消費者物価上昇率(総合)は 2.6%程度、2024年度の消費者物価上昇率(総合)は 1.9%程度と見込まれる」としています。2023年度分に関しては、前回(1月23日閣議決定)発表時の1.7%程度から大幅に引き上げました。つまり政府は、インフレ圧力を強めに見始めているのです。
一方、日銀の「経済・物価情勢の展望(展望レポート・2023 年4月)」によれば、2022年度~2025年度の政策委員の大勢見通し(政策委員見通しの中央値)は、消費者物価指数(除く生鮮食品:コア指数)の上昇率が、2023年度は1.8%、2024年度は2.0%、2025年度は1.6%となっています。つまり4月時点では、物価上昇率の先行きについて、今年度半ばにかけて現実の物価上昇率がプラス幅を縮小していき、見通し期間終盤にかけて予想物価上昇率が再び緩やかに上昇していくことで、賃金の上昇を伴う形で物価の持続的な上昇につながっていくと考えています。
ご存じの通り、日銀は年4回(通常1月、4月、7月、10月)、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を公表しています。今回の7月会合では、少なくとも政府の見通しに摺り合わせるべく、2022年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率を引き上げる可能性が高いと見ています。なぜならば、政府と日銀との間で物価に対して大きな見解の相違があると、市場が政策当局への不信感を強めて動揺する可能性が高いからです。
ただし、7月21日の夕方、ブルームバーグが「日銀は現時点でYCC政策の副作用に緊急に対応する必要性は乏しいと認識している」という内容の記事をリリースしたことで、7月会合ではYCCの修正や撤廃といった金融政策の変更はなさそうです。その一方で、会合終了後の植田総裁の記者会見では、今後の金融政策の修正を示唆する発言が飛び出す可能性があると見ています。
コア指数に関しては、日銀が物価安定の目標とする2%を15カ月連続で上回り、3%以上になるのは10カ月連続となっています。足元の日本の物価上昇率は、日銀の想定よりも上振れて推移していると見られます。このため、今後発表される物価指標次第では、日銀も欧米の中央銀行同様に「金融政策の修正」に、そろりと足を踏み出すことになると考えています。よって、7月会合後、年内あと3回(9月21~22日、10月30~31日、12月18~19日)の会合で「YCCの修正」はあり得ると考えています。
今週から決算シーズンだが、徐々に「夏枯れ相場」に入るので、
レイバー・デー明けまで株のことは忘れて夏休みを満喫するのも手
なお、日本では、今週から2023年4〜6月期決算の発表が本格化します。
すでに発表された3〜5月期決算は、小売業・外食が中心でしたが、経済活動の再開やインバウンド需要の回復効果により多くの企業で足元の好業績が確認できました。これから発表される予定の4〜6月期決算についても、経済活動の再開と円安・ドル高の効果を背景に、主力の製造業を中心として、多くの企業で良好な業績が確認できると見ています。
ただし、好業績に関しては、これまでの相場上昇でおおむね織り込み済みでしょう。相当な「ポジティブサプライズ決算」でない限り、相場全体を過熱気味に押し上げることはないと思われます。その一方で、好調な企業業績が、バリュエーション面で日本株を力強くサポートすることでしょう。
よって、日経平均株価については「上値は重く、下値は堅い状況(横這いトレンド)」が続く見通しです。海外勢も徐々に夏季休暇入りし、日本もお盆休みがあるため、市場の流動性が低下して「夏枯れ相場」になっていくと見ています。
このため、短期資金は数少ない「値動き良好な強い銘柄」に集中する見通しです。「夏枯れ相場」のなかでは、「強い銘柄の順張り買い」と「ジャンピングキャッチした場合の躊躇なきロスカットの実行」をおすすめします。
ただし、これは極めて投機色が強いトレードのため、ドタバタと売買することを好まない方は、しばらく株のことは忘れて夏休みを満喫すればいいでしょう。ただし、海外勢は9月4日のレイバー・デー(Labor Day)明けから本格的に市場に戻ってきますので、そのタイミングでは市場に戻ってくることを忘れないでください。
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