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岸田首相が掲げた新たな経済対策の“5本柱”のうち、
「成長力につながる国内投資促進」に注目!
岸田首相は9月25日、新たな経済対策の策定について記者会見を行いました。内容としては以下の項目を「5つの柱」として挙げ、10月末までに具体的な経済対策の取りまとめを行う方針とのことです。
【岸田首相の新たな経済対策の5本柱】
(1)物価高から国民生活を守る
(2)持続的賃上げ、所得向上と地方の成長
(3)成長力につながる国内投資促進
(4)人口減少を乗り越え、変化を力にする社会改革
(5)国土強靭化など国民の安心・安心
各メディアでは、年収が一定額を超えると手取りが減る「年収の壁」や、ガソリンや電気・ガスなどの激変緩和措置に関する報道が目立っていましたが、今回のコラムでは5本柱の「(3)成長力につながる国内投資促進」に関連する銘柄に注目しました。
半導体や蓄電池、バイオ関連といった成長分野への投資促進で、
将来的に業績アップが期待できる銘柄をピックアップ
「(3)成長力につながる国内投資促進」は、半導体や蓄電池、バイオ関連といった成長分野に向けて、長期で包括的に投資支援する政策です。
世界最大の半導体製造企業である台湾積体電路製造(TSMC)は、熊本県において投資額1兆円規模の半導体工場の建設を進めていましたが、この8月からいよいよ一部施設の稼動が始まり、台湾から技術者やその家族を合わせて約750人が熊本に入ったと報じられました。
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こうしたハイテク素材や電子部品などを手掛ける大手企業の工場誘致は、地元に大きな経済効果を生み出しますが、岸田首相の経済対策が進めば、今後、こういった動きがさらに拡大する可能性は十分にあるでしょう。
最近では、米国の金融引き締め長期化への懸念や米中対立の影響により、半導体業界には不透明感が取り巻いています。国内の代表的なハイテク株であるアドバンテスト(6857)の株価も、7月の高値2万2375円をピークに調整が続いており、先週末の9月22日には一時1万5470円まで売られる場面がありました。ただし、明確な底入れは確認が必要ではあるものの、アドバンテストの株価は経済対策への期待感から次第に底堅さが見られており、今後、買い戻す動きが期待されます。
そこで今回は「国内投資促進」関連として、「半導体」「電子部品」関連の主力銘柄を中心に選定しました。
【アドバンテスト(6857)】
生成AI関連のプロセッサで大きなシェアを持つハイテク大手
アドバンテスト(6857)は、生成AI関連のプロセッサにおいて大きなシェアを有しています。2021年3月期・第1四半期の売上高は25%超の減収ですが、後工程の稼働率改善とハイエンドメモリ需要を考慮し、下期は売上高の増加を見込んでいます。株価は、前述した通り調整が続いており、下向きで推移する25日移動平均線に上値を抑えられています。しかし、週足では26週移動平均線を挟んで底堅さも見られることから、ここからの自律反発に期待したいところです。
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【東京エレクトロン(8035)】
半導体前工程製造装置やPC・スマートフォンの需要が回復
東京エレクトロン(8035)は、2024年3月期・第1四半期の決算説明会において、半導体前工程製造装置の市場規模が2024年から2025年にかけて回復すると予想。その牽引役として、サーバーの増加、インフレの緩和や企業のIT投資増加によるPC・スマートフォンの需要回復、EV用パワーデバイスなどを挙げています。株価は9月7日に2万2160円まで買われた後、調整しましたが、2万円水準での底堅さが見られます。押し目狙いのスタンスで臨みましょう。
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【レーザーテック(6920)】
2023年6月期の決算で売上高と利益が過去最高を更新
レーザーテック(6920)は、2023年6月期の決算で売上高、利益ともに過去最高を更新。製品別売上高構成では、半導体関連装置が7割増、サービスは5割増でした。受注高も前期から減少したものの、過去2番目の水準と堅調です。2024年6月についても、売上高と利益で過去最高を予想しています。株価は、2万円から2万3000円辺りのレンジで推移していましたが、直近の上昇でレンジ上限を突破してきたため、リバウンド狙いのチャンスと言えるでしょう。
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【ルネサスエレクトロニクス(6723)】
次世代型として期待される「SiCパワー半導体」を強化
ルネサスエレクトロニクス(6723)は、7月5日に米国のウルフスピードから10年間にわたってSiC(炭化ケイ素)ウェハーの供給を受けることで合意したことを発表。これにより、2025年に予定している炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の量産開始に向けて、大きく前進しました。電力の供給や制御を担う高効率なパワー半導体の需要は、EVや再生可能エネルギーの普及などによって需要の拡大が見込まれています。株価は、7月の高値2899.5円をピークに25日移動平均線に上値を抑えられる格好で調整が続いていますが、足元で2000円辺りに位置する200日移動平均線に接近してきており、ここからのリバウンドが期待したいところです。
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【エスケーエレクトロニクス(6677)】
配当落ちにより、値ごろ感からの買いが入りやすい状態に
エスケーエレクトロニクス(6677)は、フラットパネルディスプレイの製造用原版となるフォトマスクや、非接触でICタグのデータを読み書きするRFID技術などを手掛けています。フォトマスク事業は、中国市場を中心にスマートフォン向けが堅調に推移したほか、IT製品や車載パネル、VRデバイス向けの需要が増加しています。株価は、8月14日の2023年9月期・第3四半期の決算発表後、内容を好感した買いからマドを空けての上昇を見せており、その後も配当狙いの買いが続いていました。9月28日に配当落ちとなった後は、値ごろ感からの買いが入りやすいと考えられます。
⇒エスケーエレクトロニクス(6677)の最新の株価はこちら!
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【SCREENホールディングス(7735)】
ウェハー洗浄装置や後工程用露光装置などを手掛ける
SCREENホールディングス(7735)は、半導体製造装置分野において、ウェハー洗浄装置や熱処理装置、計測装置、検査装置、後工程用露光装置などを手掛けています。また、画像処理技術を応用した高速3D細胞スキャナーや細胞形態解析イメージングシステムなど、細胞・医薬分野へも事業を展開しています。株価は、7月の高値1万6865円をピークに調整が続いていましたが、26週移動平均線が下値支持線として機能。さらに、足元で上値抵抗線の13週移動平均線を捉えてきており、さらなる上昇に期待したいところです。
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以上、今回は「国内投資促進」関連として、「半導体」や「電子部品」関連の主力銘柄を発掘しました。
「半導体」関連銘柄は、依然として先行き不透明な状況のなか、米中摩擦の影響もあって国内回帰の動きが進んでいます。この先、岸田政権が投資促進に向けた取り組みを積極的に行うことが期待され、見直し余地は大きいと考えられるため、今のうちにチェックしておくといいでしょう。
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