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2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることから、
「要介護人口の急激な増加」が大きな社会問題に!
少子高齢化の進行に伴い、介護業界の人材不足が深刻化しています。そこに追い打ちをかけているのが、第1次ベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる、いわゆる「2025年問題」です。2025年には国民の4人に1人が75歳以上となり、介護保険制度における「要介護」または「要支援」の認定を受けた要介護人口が急激に増加することが予想されています。
そんななか深刻な人材不足に陥ると考えられている介護業界では「2025年問題」を「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」で打開しようとする動きが加速しています。
「介護DX」とは、介護の現場にAIやIoT(モノのインターネット)、ICT(情報通信技術)などのデジタル技術を導入して、業務効率化や生産性向上を図り、介護現場における職員の負担軽減や介護サービスの品質向上を目指す取り組みです。また、同様の意味を持つ言葉として「介護+テクノロジー」を意味する「介護テック」という単語も使われます。
例えば、近頃はセンサーなどのデジタル機器を、見守りシステムや介護記録の電子化、健康状態の一元管理などに活用する高齢者施設が目立ってきています。特に、見守りシステムは、夜間見回りを大幅に削減しつつ重大事故の発生を抑え、さらに施設利用者ごとの行動や健康状態を数値化できることもあり、近年注目を集めています。
介護業務の自動化・省略化を実現し、介護サービスの
品質向上をうながす「介護テック」事業に注目!
「介護テック」の推進によって業務の自動化・省略化が進めば、介護サービスの品質向上が期待されます。
介護サービスは、従来、介護職員個人の経験と勘にもとづいて提供される側面がありました。しかし、デジタル機器を使うことによって、個人の経験と勘ではなく、データとして定量化された科学的裏付け(エビデンス)をもとに、施設利用者の意志を尊重しながら状況に合った質の高い介護を提供することが可能となります。
また、介護職員の負担が軽減されることは、要介護者にとってもメリットです。デジタル化によって生まれる介護職員の空いた時間で、要介護者やその家族とのコミュニケーションを密にすることができ、QOLの向上という介護サービスがもっとも重視すべき質的向上をうながすことも期待できます。
そこで今回は「介護テック」関連銘柄に注目。見守りサービスを中心に、介護分野向けのデジタルサービス・商品を手掛けている銘柄を取り上げました。
【パラマウントベッドホールディングス(7817)】
要介護者の徘徊を防ぐ「見守りSENSEα」を手掛ける
パラマウントベッドホールディングス(7817)は病院用ベッドの専業メーカーで、高齢者施設や在宅介護分野にも事業領域を拡大。また、一般向けに快適な睡眠環境の提案を中心とする健康事業にも進出しています。在宅介護向け製品では、徘徊感知器「見守りSENSEα」を提供。センサーが要介護者の起きあがりや離床、移動を検知すると、無線で通知を送信します。株価は2023年10月末に急伸し、11月29日には2870円まで買われました。その後、2700~2850円辺りでのレンジ推移が続くなか、13週移動平均線を下値支持線とした上放れに期待したいところです。
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【エコナビスタ(5585)】
高齢者施設向け見守りサービス「ライフリズムナビ+Dr.」を提供
エコナビスタ(5585)は、複数のセンサーを組み合わせるセンサフュージョン技術と、睡眠解析技術を活用した高齢者施設向けの見守りサービス「ライフリズムナビ+Dr.」を展開しています。また、睡眠や生活習慣をビッグデータ解析することで、健康状態の推移を予測するAIアルゴリズムを開発しています。株価は2023年8月以降、3200〜3300円辺りが心理的な上値抵抗として意識されています。一方で、足元では緩やかに上昇する13週移動平均線が下値支持線として意識されており、上値抵抗線を突破して2023年8月の高値3725円を目指す展開が期待できます。
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【NTTデータグループ(9613)】
小型ヒューマノイドロボットを活用した介護サービスを展開
システムインテグレーター大手のNTTデータグループ(9613)は、介護関連事業として、見守り介護ソリューション「エルミーゴ」を提供。2つのセンサーで覚醒や起き上がり、離床といった体の動きを判別し、介護職員が持つスマートフォンに通知を送ります。オプションとして、小型ヒューマノイドロボットを活用し、高齢者の発言をうながすことで深い睡眠やメリハリのある生活を実現するサービスも提供。株価は年初からの強い上昇により、2023年9月の高値2186円を突破。直近で調整を見せていますが、2022年5月につけた高値2885円がターゲットとして意識されます。
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【ミネベアミツミ(6479)】
離床検知機能を備える「ベッドセンサーシステム」をリコーと共同開発
ミネベアミツミ(6479)は、ベアリングや小型モーターを手掛ける精密部品メーカーです。介護分野では、2018年にリコー(7752)と共同開発した、ベッド脚下に取り付ける「ベッドセンサーシステム」を手掛けています。センサーが利用者のベッド上での活動状態を検知し、8種のパターンで表示する「離床検知機能」を備えています。株価は、2023年11月にマドを空けて急伸。その後は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、足元で2023年1月以来の3000円を回復しました。いったんは達成感が意識されて調整していますが、方向性としては2021年12月の高値3380円をターゲットとした押し目狙いのスタンスになります。
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【富士ソフト(9749)】
要介護度を審査・判定する「介護認定審査会」のデジタル化を支援
富士ソフト(9749)は2023年4月から、要介護度を審査・判定する機関「介護認定審査会」のデジタル化を実現する「moreNOTE介護認定審査会デジタルパック」を提供。介護・要支援認定者数が増加し続け、介護の現場や介護を支援する自治体の負担がさらに増加するなか、介護認定審査会の業務変革に貢献しています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いています。1月12日に7240円まで急伸したあとは過熱を冷ます調整に入っているので、押し目を狙うタイミングを見極めましょう。
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【都築電気(8157)】
介護施設向け見守りソリューションを展開
都築電気(8157)は、情報ネットワークソリューションサービス事業を中心に展開するICT企業です。非接触バイタルセンサーを使って入居者の心拍や呼吸、体動を常に検知し、健康管理やケア品質の向上、深刻化する介護士の人手不足を解消する介護施設向け見守りソリューションを提供しています。株価は、2023年9月7日につけた高値2510円をピークに調整が続いていましたが、上向きで推移する26週移動平均線を下値支持線としたリバウンドを見せており、足元では13週移動平均線も下値支持線として機能しています。両線からリバウンドするタイミングを狙いたいところです。
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以上、今回は見守りサービスを中心に「介護テック」関連銘柄を発掘しました。
「介護職員の人数不足の問題」は、政府も早急に道筋をつけて解決をしなければならない課題として認識しており、2024年度の介護報酬の改定では、ロボットやセンサーなどを活用する施設に報酬を加算する仕組みを新設。デジタル技術で生産性向上をうながすとともに、職場の労働環境の改善につなげる方針を取っています。さらに、介護施設がデジタル化について相談できる窓口を全国に現在14カ所設置しています。
このように政府も介護のデジタル化を推進しようとしていますので、「介護テック」を導入する施設は今後拡大していくことになるでしょう。
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