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「RTD飲料」と呼ばれる缶入りのレモンサワーやハイボールが、
缶ビールに次ぐ「日常のアルコール飲料」として人気化!
全国各地にさまざまな被害をもたらした台風10号が去ったあと、再び厳しさを増した日差しや猛暑にバテてしまいそうな日が続いています。お酒を飲む人であれば、そんな日は、冷たくて爽快感のあるアルコールドリンクが飲みたくなるのではないでしょうか。そんなときに飲むものとしては少し前までビールが定番でしたが、最近は缶チューハイや缶ハイボールといった、いわゆる「RTD飲料」が若者を中心に好まれているようです。
RTD飲料は「Ready To Drink」の略で「フタを開けてすぐ飲める飲み物」を意味しています。定義があいまいな言葉ですが、一般的にはフタを開けてからなんの手も加えず、そのまま飲めるアルコール飲料の総称として使われることが多いようです。具体的には、レモンサワーなどの缶チューハイや缶ハイボールが挙げられます。
なお、言葉の意味としては缶ビールや第三のビールなどもRTD飲料に入りますが、RTD飲料は「ビールに対抗する新ジャンル」といった扱いで語られることが多いこともあり、ビール類は含めないのが一般的なようです。
日本におけるRTD飲料の市場は、味の多様さや価格の手頃さを理由に2007年から順調に拡大を続け、2022年にはコロナ禍で「家飲み」が増えたこともあってビール市場に次ぐ規模にまで成長しました。
「RTD飲料」は、米国を中心に世界中で需要が増加しており、
2030年には市場規模が7兆1000億円まで拡大する見通し!
RTD飲料は、日本だけではなく、世界的にも市場が急拡大しています。2018年と比較した2023年のRTD飲料の市場規模は、日本では1.5倍に成長したのに対して、世界では2.2倍以上も成長。なかでも、米国では3.3倍以上と高い成長率を見せています。
米国でRTD市場が急拡大した背景には、2021年から続くインフレや健康志向の高まりがあり、価格が安く、低アルコールかつ低カロリーで新しい味が楽しめるRTD飲料の需要が増加したようです。
また、英国の調査会社IWSRによれば、2022年に339億米ドル(約4兆8000億円)だった世界のRTD飲料市場は、2030年には500億ドル(7兆1000億円)を超えることが予測されています。
最近では、味はレモンサワー風やカクテル風なのにアルコールを一切含まない「ノンアルコールRTD飲料」のラインナップも増加しています。
若者の間でアルコール離れが進んでいると言われていますが、最近ではアルコールを飲めないわけではなく、自分の身体や心の健康を考えて一切飲まない、もしくは飲むとしても少し口をつける程度で楽しむ「Sober Curious(ソバーキュリアス)」というライフスタイルが広がりつつあります。これは「Sober=しらふ」「Curious= 好奇心が強い」という単語を組み合わせた造語で、我慢して飲まない禁酒や断酒とは異なる「積極的に飲まないスタイル」として、欧米の若者のトレンドになっているようです。
そうしたノンアルコールRTD飲料が市場を拡大し、コンビニやスーパーでも酎ハイ風やカクテル風のノンアルコール飲料の取り扱いが増えているので、目にする機会も増えているのではないでしょうか。
そこで今回は「RTD飲料」関連銘柄に注目しました。「RTD飲料」関連銘柄の中核は、ビールや焼酎などを手掛ける大手飲料メーカーになります。
【主な大手飲料メーカー】
・サッポロホールディングス(2501)
・アサヒグループホールディングス(2502)
・キリンホールディングス(2503)
・宝ホールディングス(2531)
・オエノンホールディングス(2533)
今回の記事では、こうした大手飲料メーカーのほか、最近の物価高の影響から通常ブランドの半額ほどで買えるPB(プライベートブランド)のRTD飲料の需要が拡大すると考え、独自のPB商品などを展開している企業などを取り上げました。
【アサヒグループホールディングス(2502)】
「未来のレモンサワー」や機能性表示食品「スタイルバランス」が好調
アサヒグループホールディングス(2502)は、フタを開けると輪切りのレモンが浮かぶ缶チューハイ「未来のレモンサワー」が人気化。6月に地域・数量限定で発売したところ売り切れが相次ぎ、すぐに8月の再販が決まりました。また、食生活や睡眠、素肌をサポートする機能性表示食品のノンアルコール飲料「スタイルバランス」の売上も順調です。株価は、8月5日につけた4575円を安値にリバウンドが続いており、足元で13週・26週・52週移動平均線を突破。その後に下落に転じて再び13週・26週・52週移動平均線を割り込んでいるので、押し目買いのチャンスと言えるでしょう。
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【イオン(8267)】
PB「トップバリュ」でRTD飲料を手掛ける
イオン(8267)はPB「トップバリュ」において、食品からファッション、日用雑貨まで幅広く展開しており、食品カテゴリだけで約4000品目をラインナップ。アルコール飲料としては、缶チューハイや缶ビールなどを販売しています。株価は上昇トレンドが続いており、足元で上場来高値を更新。9月6日に長い上ヒゲを残しており、いったんは達成感が意識されましたが、その後も下値を切り上げての上昇トレンドが続いているので、継続的な資金流入があるようです。
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【アシードホールディングス(9959)】
ODM受託のほか、自社ブランドのRTD飲料を展開
アシードホールディングス(9959)は、自販機の商品補給や売上管理、メンテナンスなどをトータルで運営するほか、製品の企画・提案から製造までを行うODMを受託しています。また、厳選果汁を使用した低アルコール飲料「ASTER(アスター)」やスパークリングワインテイストのノンアルコール飲料「女王のノンアル」など、オリジナル商品も製造しています。株価は足元で調整しており、52週移動平均線辺りでの押し目を狙いたいところです。
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【ヤオコー(8279)】
ライフと共同でPBブランド「スターセレクト」を展開
ヤオコー(8279)は、埼玉県を中心に食品スーパー「ヤオコー」を運営しているほか、2021年からは安さと鮮度、品揃えにこだわった新業態スーパー「Foocot(フーコット)」を手掛けています。食品スーパー「ライフ」を展開するライフコーポレーション(8194)と共同で、PB商品「スターセレクト」を展開し、糖類不使用の缶チューハイや缶ハイボール、新ジャンルビールなどを販売しています。株価は8月5日の急落以降、上昇トレンドが続いており、直近で1万円の大台に乗せています。過熱感が意識されるので、1万円割れ水準での押し目買いを狙いたいところです。
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【パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)】
PB「情熱価格」でハイボールやノンアルコール飲料を販売
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)は、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営。「情熱価格」などのブランド名でPB商品やOEM商品を強化しており、缶入りのハイボールやクラフトビール、ノンアルコールビールなどを販売しています。株価は、52週移動平均線が下値支持線として意識される一方で、26週移動平均線が上値抵抗線になっています。押し目買いを拾いたいところですが、26週移動平均線を捉えてくるようだと、3月の高値4122円を意識した展開が期待できます。
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【東洋製罐グループホールディングス(5901)】
RTD飲料にも使われる飲料用缶などを手掛ける国内大手
東洋製罐グループホールディングス(5901)は、缶詰や飲料用缶、飲料用ペットボトルなどを手掛ける国内大手メーカーで、国内シェアは缶が約35%、ペットボトルが約30%になります。チューハイなどの低アルコール飲料やビール類などには、胴体とフタから構成されるアルミ製2ピース缶が使用されていることから、「RTD飲料」の関連企業として注目されています。株価は足元で調整が続いていますが、PBRが0.5倍台と割安感が意識される水準ということもあり、押し目買いを狙いたいところです。
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以上、今回は「RTD飲料」関連銘柄を発掘しました。
世界的なRTD市場の拡大を見込んで、海外で商品を展開する日本企業も出てきています。。例えば、サントリーは2024年2月に、缶チューハイ「-196(マイナス・イチキューロク)」のグローバル展開を拡大することを発表。米国での販売エリアを21州に拡大したほか、英国とドイツでの販売もスタートしたようです。「RTD飲料」は世界的にも成長が期待できるジャンルなので、こうした関連ニュースもこまめにチェックしておくといいでしょう。
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