来週の日経平均株価の予想レンジを発表!

来週(3/10~3/14)の日経平均株価の予想レンジは3万5500~3万7500円! トランプ発言で相場が荒れる中、防衛費増額で恩恵を受ける「防衛関連株」に注目

2025年3月7日公開(2025年3月7日更新)
ラカンリチェルカ(村瀬 智一)
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今週の日経平均株価は、週明けは自律反発の動きを見たものの、
その後はトランプ関税に振り回され、「3万7000円」を割り込む

 今週(3月3〜7日)の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて268.33円(0.72%)安い3万6887.17円で終えました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 先週末(2月28日)に1100円超の大幅な下げとなったことから、週明け3月3日の日経平均株価は自律反発狙いの買いが優勢となり、終値で600円超の上昇となりました。

 しかし、翌3月4日は反落し、一時は2024年9月19日以来の3万7000円を割り込みました。この日は、前日にトランプ大統領がカナダとメキシコからの輸入品に対する25%の関税を4日から発動すると明言したことで、その影響が懸念されました。また、現地時間の4日に上下院での施政方針演説を控えたトランプ米大統領が、3日に自身のSNSで「明日の夜は大きな出来事になる。ありのままを語る!」と発言したことも警戒されました。

 3月5日の日経平均株価は反発。朝方は下落する局面もありましたが、注目されたトランプ大統領の施政方針演説で、関税政策を巡って日本への批判的な発言がなかったことが安心感につながりました。

 3月5日の米国市場は、トランプ政権が「メキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税について、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に適合した自動車については1カ月間対象外にする」と発表したことを受けて上昇。その流れから、翌6日の日経平均株価は続伸しました。

 3月6日の米国では、トランプ大統領が前日の発表通りに「メキシコとカナダに対して発動した25%の追加関税に関し、自動車については1カ月間延期する」との大統領令に署名しましたが、関税政策を巡る不透明感は根強く、株式市場は下落。また、半導体のマーベル・テクノロジー(MRVL)が20%近く下落したことで、エヌビディア(NVDA)ブロードコム(AVGO)など他の半導体株にも売りが広がりました。

 そうした米国市場の動向を受けた週末3月7日の日経平均株価は大幅に下落し、再び3万7000円を割り込みました。日本時間の7日22時半に発表される2月の米・雇用統計の結果を見極めたいとする思惑もあったようです。

来週の日経平均株価は、引き続きトランプ関税や
CPI・PPIなど米国の経済指標に振り回される相場展開に!

【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 3万5500 ~ 3万7500円

 
 来週(3月10〜14日)の日経平均株価は、引き続きトランプ政権の関税政策を睨みながらの相場展開になりそうです。関税を巡る状況が二転三転し、予測不能なことが大きな懸念につながっています。

 また、米国の経済指標は足元で弱い内容が目立っており、米国の景気減速懸念が高まっています。週明け3月10日の日経平均株価は、7日に発表される2月の米・雇用統計の結果を受けた米国市場の動向に大きく影響をされる可能性が高いでしょう。さらに、来週は12日に2月の米・消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)の発表が控えており、投資家を慎重姿勢に向かわせそうです

 テクニカル面では、日経平均株価はボリンジャーバンドの-3σを割り込むなど「売られ過ぎ」が意識されます。ただ、下向きで推移するボリンジャーバンドに沿った下落が続く可能性もあり、明確な底打ちが見極めにくい状況です。

■日経平均株価チャート(ボリンジャーバンド)/日足・3カ月
日経平均株価チャート・20日移動平均線ベースのボリンジャーバンド/日足・3カ月日経平均株価チャート(20日移動平均線ベースのボリンジャーバンド)/日足・3カ月
(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 そして、来週末3月14日には、3月限の先物オプション特別清算算出(メジャーSQ)を迎えます。限月交代に伴うロールオーバーの売買が中心になるため動きづらいところですが、トランプ政権の関税政策などによって相場が荒れる局面では、ヘッジに伴う売買が活発になり、先物主導で大きく値動きする展開も考えられるので、警戒しておきたいところでしょう。

 個別銘柄の物色としては、半導体株が弱い一方で、防衛関連株への資金流入が目立っています。3月5日に米・国防次官候補が「日本の防衛費をGDPの3%に引き上げるべき」と主張し、6日にはトランプ米大統領が日米関係について「日本はわれわれを守らない」と不満を示すなど、日本の防衛費増額への思惑が高まっており、引き続き防衛関連株へ資金が向かいやすいでしょう。

【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
シンニッタンが+95.65%で値上がり率トップ!

 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキングのトップはシンニッタン(6319)でした。2月28日に投資会社のスパークス・グループ(8739)系の投資ファンドがシンニッタンをTOB(株式公開買い付け)すると発表。TOB価格は1株あたり403円で、これにサヤ寄せする形から連日ストップ高での上昇になりました。

 値上がり率2位のTHE WHY HOW DO COMPANY(3823)は3月3日、EV充電インフラ事業で国内最大規模を誇るTerra Chargeの株式の取得を発表。さらに4日に、企業の新規事業創出と既存事業の再成長を支援する「ブランド共創部」を設立したと発表したことが材料視されました。

 値上がり率3位のフライトソリューションズ(3753)は3月3日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)傘下の三菱UFJ銀行と協業し、決済ネットワーク「SP-NET」を活用した市場開拓を開始すると発表したことが材料視されました。

 一方、今週の値下がり率ランキングの1位はアドバンスクリエイト(8798)。2月28日に発表した2024年9月期の決算で、債務超過となったことが嫌気されました。

 値下がり率2位のジェネレーションパス(3195)は、2月27日に株主優待制度を新設し、10月末時点で100株以上を保有する株主に自社サイトでの買い物に利用できる株主優待券2000円分を贈呈すると発表。長期保有の株主向けに追加の優待特典を検討していることも材料視されて連日のストップ高で上昇しましたが、過熱感が高まり、週後半から換金売りの流れになりました。
【※関連記事はこちら!】
ジェネレーションパス、株主優待の新設で後場&夜間取引で株価が急騰し、前日比で36%超も上昇! 100株で2000円分の優待券がもらえて優待利回り3.07%に

■今週の値上がり率 トップ5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 +95.65 シンニッタン(東S・6319)
2 +74.39 THE WHY HOW DO COMPANY(東S・3823)
3 +60.61 フライトソリューションズ(東S・3753)
4 +37.80 雨風太陽(東G・5616)
5 +36.05 リミックスポイント(東S・3825)
■今週の値下がり率 ワースト5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 −47.54 アドバンスクリエイト(東P・8798)
2 −29.87 ジェネレーションパス(東G・3195)
3 −28.47 ドリコム(東G・3793)
4 −27.38 ジーエヌアイグループ(東G・2160)
5 −26.36 データホライゾン(東P・3628)
■今週の出来高 トップ5
順位 出来高(株) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 640,784,700 NTT(東P・9432)
2 528,124,500 三菱重工業(東P・7011)
3 439,157,800 ジャパンディスプレイ(東P・6740)
4 361,210,600 ランド(東S・8918)
5 329,934,500 ソフトバンク(東P・9434)

【来週の主要イベント】
米国のCPI・PPIとミシガン大消費者信頼感、国内のメジャーSQに注目!

 来週は以下のようなイベントが予定されています。

<3月10日(月)>
◆決算:ギグワークス(2375)アインホールディングス(9627)
◆1月毎月勤労統計調査
◆1月国際収支/貿易収支/経常収支
◆1月景気先行指数/一致指数速報値
◆2月景気ウオッチャー調査
◆独1月鉱工業生産

<3月11日(火)>
◆決算:三井ハイテック(6966)
◆1月全世帯家計調査
◆10-12月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値
◆米1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

<3月12日(水)>
◆決算:ファーマフーズ(2929)gumi(3903)
◆1-3月期四半期法人企業景気予測調査
◆2月国内企業物価指数
◆米MBA住宅ローン申請指数
米2月消費者物価指数(CPI)

<3月13日(木)>
◆決算:タイミー(215A)ラクスル(4384)ダブル・スコープ(6619)
◆欧1月鉱工業生産
米2月卸売物価指数(PPI)

<3月14日(金)>
◆決算:くら寿司(2695)神戸物産(3038)ヤーマン(6630)
◆独2月消費者物価指数(CPI)改定値
◆英1月月次国内総生産(GDP)
◆英1月鉱工業生産
米3月ミシガン大学消費者態度指数 速報値
3月限先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)

【来週の注目銘柄】
「リガク・ホールディングス」「マクセル」
「三菱電機」の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

リガク・ホールディングス(2025年3月7日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
精密機器 東P・268A 1083円 17.3倍 2.98倍
最先端の半導体分野における「X線分析」の需要増加に期待
X線回折や蛍光X線分析、X線透過分析などの国内トップメーカーで、研究所(Laboratory)での開発支援から生産現場(Fabrication)での機器導入までカバーする「Lab to Fab」モデルで事業を展開しています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2014年に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」で採取した試料の分析も手掛けています。半導体の構造が微細化・多層化・多材料化するなかで、従来の光学ではカバーしきれない部分をX線が補完していくことが見込まれるため、今後の成長が期待されます。株価は、2月20日に一時1171円まで買われた後、調整が続いていますが、下値支持線として意識される25日移動平均線に接近しているほか、一目均衡表では雲上限がサポートとして意識されやすいことから、リバウンド狙いのタイミングになりそうです。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
マクセル(2025年3月7日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
電気機器 東P・6810 1908円 13.7倍 0.87倍
電池やカセットテープの製造で培ってきた「アナログコア技術」による事業を展開
電池やカセットテープの製造により培ってきた「アナログコア技術」を活用し、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」の分野に注力。足元では一次電池や粘着テープ、塗布型セパレータ、健康・理美容製品が好調です。株価は、1月23日につけた高値2035円をピークに調整が続いていましたが、2月26日の安値1824円をボトムに、75日移動平均線を下値支持線とした形でリバウンドを見せています。一目均衡表では雲のなかでの推移ながら雲上限に沿ったトレンドを形成しており、今後、雲上限を明確に上放れてくるようだとさらなる上昇が期待できます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
三菱電機(2025年3月7日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
電気機器 東P・6503 2690円 17.7倍 1.42倍
防衛費増額への思惑が高まるなか、防衛テック関連銘柄として注目
大手重電メーカーです。FA(ファクトリー・オートメーション)分野では、制御・駆動系技術を核に、制御機器やレーザー加工機、ロボットなど多岐にわたる製品を展開。また、近年需要が増加しているパワー半導体も手掛けています。3月6日に、トランプ米大統領が日米関係について「日本はわれわれを守らない」と不満を示したと報じられました。また、5日には米・国防次官候補が「日本の防衛費をGDPの3%に引き上げるべき」と主張するなど、防衛費増額への思惑が高まっており、三菱電機(6503)も防衛テック関連銘柄として注目されます。株価は、直近の強い上昇によってボトム水準から一気に2024年12月以来の水準を回復。短期的には過熱感が警戒されますが、2024年5月につけた高値2942.5円が射程に入っており、押し目を狙いたいところです。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)

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