「お宝銘柄」発掘術!

「スペースデブリ対策」関連銘柄を紹介! スペースXだけで1万機以上の人工衛星を打ち上げている今、「スペースデブリ対策」は宇宙ビジネスを支える重要テーマ!

2026年8月20日公開
村瀬 智一
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スペースXだけで過去5年間に1万機以上の人工衛星を打ち上げるなど、
低軌道上では人工衛星と“宇宙ゴミ”の増加で衛星の安全運用が課題に

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月11日、国産GPS衛星「みちびき7号機」の打ち上げに成功しました。この打ち上げにより軌道上の「みちびき」は6機となり、政府が目指す7機体制の実現まであと1機となりました。

 さらにJAXAは8月13日、火星衛星探査機「MMX」を公開しました。「MMX」は、早ければ2026年秋にも打ち上げられる予定で、火星の衛星・フォボスで砂などの試料を採取したのち、2031年に地球に帰還する計画となっています。

 6月にはスペースX(SPCX)のIPO(新規上場)もあって宇宙ビジネスに注目が集まりましたが、こうしたニュースに触れると日本の宇宙開発も着実に次の段階へ進んでいることが感じられます。
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「宇宙ビジネス」関連銘柄を紹介! 史上最大のIPO「スペースX」のナスダック上場を6月12日に控え、関連テーマで資金流入が見込める「衛星ビジネス」関連株を解説

 一方で、宇宙開発が進み、地球の周囲を周回する人工衛星の数が増えるほど、その通り道を安全に保つ仕事の重要性が高まっています。とりわけ「低軌道」と呼ばれる高度2000キロメートル以下の周回軌道では、運用中の人工衛星に加え、スペースデブリ(宇宙ゴミ)と呼ばれる使用済み衛星や切り離した使用済みロケットなど、膨大な人工物が浮遊しており、問題となっています

 例えば、スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」は、膨大な数の小型通信衛星を組み合わせて1つのシステムとして稼働させる「通信衛星コンステレーション」として運用されています。このシステムのため、スターリンクはこれまでに1万機以上の人工衛星を低軌道に打ち上げています。
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今後、宇宙ビジネスがより大きく成長していくには、
「軌道を片付け、交通を整理する」ための技術が必須に!

 新たに人工衛星を打ち上げ、周回軌道に載せるには、人工衛星とスペースデブリの衝突を回避することが必須となります。ひとたび衝突すれば多数の破片が生まれ、それが別の人工衛星との衝突へと連鎖する「ケスラーシンドローム」のリスクも指摘されています。「宇宙ビジネス」関連と聞くとロケットの打ち上げや人工衛星の製造に目が向きがちですが、今後は「軌道を片付け、交通を整理する」分野にも投資機会が広がりそうです

 「軌道を片付け、交通を整理する」ための技術は、大きく3つに分けられます。1つ目は、地上レーダーや光学センサーで軌道上の物体を把握し、接近を予測する監視システムです。2つ目は、警報を受けた人工衛星が素早く軌道変更するための通信システムや制御ソフト、小型推進器です。そして3つ目は、運用を終えた人工衛星を離脱させたり、既存の大型デブリを捕獲・除去したりする軌道上サービスとなります。

 宇宙事業の拡大を進めるには、人工衛星を打ち上げる技術力や資金力だけでなく、人工衛星を安全に使い続ける仕組みも重要です。「スペースデブリ対策」は、これまで裏方だった技術が宇宙利用の拡大とともに存在感を高める投資テーマとして注目しました。

 具体的な銘柄としては、「スペースデブリ対策」の技術開発や素材などを手掛ける中小型株を選定しました。

 なお、「スペースデブリ対策」関連銘柄は、総じて弱い値動きが続いていましたが足元でリバウンドの動きを見せており、押し目買いを狙いやすいタイミングと言えるでしょう。

【アストロスケールホールディングス(186A)】
スペースデブリを処理・管理する「軌道上サービス」を提供

 アストロスケールホールディングス(186A)は、周回軌道上にある運用が終了した人工衛星やロケットの残骸などのスペースデブリを処理・管理する「軌道上サービス」を展開。例えば、人工衛星の運用終了後のデブリ化を防止するため、これから打ち上げる人工衛星にあらかじめ捕獲用の「ドッキングプレート」を装着し、運用終了後に回収しやすくするサービスを手掛けています。また、米国とイギリス、フランス、イスラエルという宇宙事業に積極的な国に拠点を構え、各国の政府機関や民間企業から直接案件を受注できる体制を構築しているのも強みです。株価は、5月27日につけた高値3015円をピークに調整していましたが、52週移動平均線付近での攻防を経て、8月以降はリバウンド。直近で13週・26週移動平均線を捉えてきました。両線突破からの一段の上昇が期待されます。

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アストロスケールホールディングス(186A)チャート/週足・1年アストロスケールホールディングス(186A)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【日東製網(3524)】
JAXAと共同でスペースデブリ除去システムの開発を進める

 日東製網(3524)は、定置網や養殖網などを手掛ける漁網の総合メーカーです。宇宙分野では、JAXAと共同でスペースデブリ除去システムの開発を進めています。システムの中核となるひも状の「導電性テザー」に同社の無結節網の技術を応用。導電性テザーをスペースデブリに取り付けて電流を流すことで、周回軌道から外れさせる技術です。株価は、7月1日につけた安値1400円をボトムにリバウンドに転じ、直近で26週移動平均線を捉えてきました。1520円辺りに位置する52週移動平均線も射程に入っており、一段の上昇を意識した押し目狙いのスタンスで臨みたいところです。

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日東製網(3524)チャート/週足・1年日東製網(3524)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【スカパーJSAT(9412)】
デブリの回転をレーザーで停止させる軌道上サービスの開発を続ける

 スカパーJSAT(9412)は、衛星放送サービス「スカパー!」などのメディア事業と、航空機・船舶向けインターネット回線や、災害時のバックアップ回線など幅広い衛星通信サービスを提供する宇宙事業などを手掛けています。2024年1月には、社内スタートアッププログラムから始まったスペースデブリ除去プログラムのビジネス化を進めるため、Orbital Lasers(オービタルレーザーズ)を設立。2026年4月には、デブリの回転をレーザーで停止させる「デタンブリング技術」を活用した軌道上サービスの実現に向け、フランスのInfinite Orbitsと協業検討に関する覚書を締結しました。株価は調整が続いていましたが、7月29日につけた安値2007円をボトムに、足元では緩やかなリバウンドを見せてきました。上値抵抗線として意識されている52週移動平均線を上抜けてくるようだと、一段の上昇が期待されそうです。

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スカパーJSAT(9412)チャート/週足・1年スカパーJSAT(9412)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【アクセルスペースホールディングス(402A)】
サカセ・アドテックなどと共同で軌道離脱装置を開発

 アクセルスペースホールディングス(402A)は、人工衛星の設計・製造から打ち上げ手配、軌道上での運用までをワンストップで受託するアクセルライナー事業と、光学衛星から取得した地球の画像データを提供するアクセルグローブ事業を展開。また、スペースデブリ対策として、サカセ・アドテックなどと共同で「軌道離脱装置」を手掛けています。これは、運用を終えた100キログラム前後の超小型衛星を、軌道上から確実に離脱させることを目的としています。株価は7月29日に一時413円まで下落。2025年12月18日につけた安値409円とのダブルボトム(2点底)形成後、リバウンドを見せています。このまま13週移動平均線を上抜けてくると、上昇の勢いが強まりそうです。

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アクセルスペースホールディングス(402A)チャート/週足・1年アクセルスペースホールディングス(402A)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【QPSホールディングス(464A)】
運用終了後に軌道から落とすため、人工衛星にスラスターを装備

 QPSホールディングス(464A)は、九州大学発の宇宙スタートアップです。夜間や雲におおわれが状況でも地表を鮮明に撮影できる小型SAR衛星の開発・運用において、世界トップレベルの技術を有しています。同社が手掛ける人工衛星「QPS-SAR」の設計寿命は5年で、運用終了後は速やかに軌道から離脱して大気圏に突入できるよう、3号機以降にはスラスター(推進装置)を搭載しています。株価は7月29日につけた安値1351円をボトムにリバウンドが続いています。2130円辺りで推移する13週移動平均線を捉えてくるようだと、上昇の勢いが一段と強まりそうです。

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【神島化学工業(4026)】
スペースデブリの除去にも利用可能な「透明YAGセラミックス」を開発

 神島化学工業(4026)は、住宅外壁材などの建材事業、酸化マグネシウムなどの化成品事業、そしてレーザー用セラミックスなどのセラミックス事業の3つを柱に事業を展開しています。同社が開発した「透明YAGセラミックス」は、光学ガラスの10倍以上の熱伝導率を持ち、単結晶では不可能な大型化や自由な形状への加工が可能。こうした特性により、レーザー核融合やスペースデブリ除去といった最先端分野への応用が期待されます。株価は1500円辺りでの底固めの後、足元でリバウンドを見せて13週移動平均線を突破してきました。このまま一段の上昇が続くか、見極めたいところです。

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神島化学工業(4026)チャート/日足・6カ月神島化学工業(4026)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 以上、今回は「スペースデブリ対策」関連銘柄を発掘しました。

 そのほかの「宇宙ビジネス」関連銘柄を考える際は、スペースデブリの除去事業だけでなく、「人工衛星の運用」や「安全対策」「航法」「ロケット」「地上局」など、裾野を広げたいところです。なお「安全対策」は、人工衛星の数が増えるほど反復需要になりやすいうえ、機器販売に加えて監視データや運用支援といった継続収入につながること期待できます。

 なお、一般的に宇宙ビジネスは、開発の遅延や打ち上げ失敗、官需への依存、先行投資負担が大きいなど、多くのリスクを抱える分野です。銘柄を選定する際は、華やかな計画だけではなく、実証の達成度や受注残、資金余力、複数顧客への展開などを確認する姿勢を忘れないようにしましょう。
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