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2月3日、新型コロナウイルスによる感染拡大に歯止めがかからない中、注目されていた旧正月明けの上海市場は、-8%を超える下落で始まりました。しかし、サーキットブレーカー(価格が一定以上の変動を起こした場合に強制的に取引を止めるなどの措置)の発動が警戒されながらもひとまず取引が行われていたことで、過度な警戒感が和らいで買い戻しの流れとなり、日経平均株価は2万3000円を回復。その後もリバウンドを続け、6日には一時2万4000円に迫るところまで回復しました。
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中国人民銀行が、公開市場操作を通じて日本円で18兆円を超える大量の資金を供給したほか、売りを控える措置などの対策による影響も大きかったようです。
このように一見すると上海市場は落ち着きを見せていますが、正常化には時間を要する状況であることは意識しておきましょう。
当面は、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めることができるかどうか、が注目されます。感染は世界的に拡大しており、60カ国を超える国が中国人への査証(ビザ)発給を一時的に停止するなど、何らかの入国制限措置を導入している混乱ぶりです。そのため、株式市場においては、売り方の買い戻しが入ったとしても、積極的な買い方は不在といった需給状況が続くでしょう。
決算を材料視した物色も見られる中、
金融市場が次第に正常化に向かうことに期待
そんな中、米供給管理協会(ISM)が2月3日に公表した1月の製造業景況感指数が、「50.9」と前月の「47.8」から改善して、半年ぶりに判断の分かれ目となる「50」を上回りました。昨年7月以来の高水準です。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されながらも、3日の米国市場では、ISM製造業景況感指数の改善を評価する流れになっています。
新型コロナウイルスの感染拡大のグローバル経済への影響を見極める段階は変わらずとはいえども、金融市場が冷静に戻り、国の経済全体の動きを示す統計などマクロ面に再び焦点が向かうような状況にも備えておく必要があるでしょう。実際、決算発表が本格化し、決算を材料視した物色も見られています。まだまだ楽観視は出来ないものの、金融市場が次第に正常化に向かうことを想定しておきたいところです。
新型コロナウイルスの影響は、暖かくなる春ごろまでには収束すると予測されますので、タイミング的には、その前に株式市場では持ち直しの動きが見られてくると考えられます。
第3四半期決算の発表が一巡した後、
3月末を意識した「高配当銘柄」への関心が高まると予想
現在、第3四半期決算の発表が本格化していますが、来月末は3月決算企業の決算期末になります。現在のように株式市場が混乱している状況では話題に上がりづらいのですが、市場が正常化してくるにつれ、決算発表が一巡した後には次のイベントに関心が集まりやすいと考えられます。その際は3月末を意識した「高配当銘柄」への関心が改めて高まってくるでしょう。
そこで、今回は「高配当銘柄」に注目しました。
具体的には、2月3日時点で「配当利回りが5%を超えている銘柄」を対象に、「今期営業増益を計画している銘柄」や「期中に上方修正を行っている銘柄」を選びました。第3四半期決算を通過している銘柄はおおむね計画が固まっているため、第4四半期での大幅な下振れの確率は低いと見ています。
【新明和工業(7224)】
決算後に売られたが、押し目狙いとして注目!
新明和工業(7224)の予想配当利回りは6.48%です。2020年3月期の営業利益は、前期比7.4%増の115億円を計画しています。また、第2四半期の段階で110億円から115億円に上方修正がありました。第3四半期までの進捗率が70%と市場予想に届かなかったことから決算後には売られましたが、押し目狙いとして注目しました。
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【ソフトバンク(9434)】
KDDIとのネットワーク体制に関する連携効果に期待
ソフトバンク(9434)の予想配当利回りは5.68%です。2020年3月期の営業利益は前期比23.7%増の8900億円を計画しています。第2四半期までの進捗率は62%でしたので、順調な進捗です。低価格を武器とした格安スマホ各社との競争が激化するでしょうが、KDDI(9433)と「5G」の基地局整備などのネットワーク体制に関する連携効果も期待できます。
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【ベリテ(9904)】
第2四半期の回復が安心感につながる
ベリテ(9904)の予想配当利回りは5.68%です。2020年3月期営業利益は、前期比5.3%増の6億2000万円を計画しています。第2四半期までの進捗率は49%でしたので、おおむね計画通りの進捗です。第1四半期では前年同期比で52%減と落ち込んでいたので、第2四半期の回復が安心感につながりました。インバウンド消費への警戒感はありますが、足元の調整を見ると、すでに織り込まれていると考えられます。
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【合同製鐵(5410)】
営業利益と配当が今季2度目となる上方修正
合同製鐵(5410)の予想配当利回りは5.11%。2020年3月期営業利益を、前期比107.3%増の90億円に上方修正しています。期初計画は60億円であり、第2四半期と合わせて、75億円に修正しているので、今期2度目の修正です。また配当についても、今期2度目の増額修正となっています。
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【あおぞら銀行(8304)】
業務純益が36%増の385億円に!
あおぞら銀行(8304)の予想配当利回りは5.08%です。2020円3月期の経常利益は、前期比6.7%増の510億円を見込んでいます。第3四半期が前年同期比0.6%増の422億円だったので、進捗率は82%になります。本業の利益を示す業務純益(単体ベース)も、36%増の385億円と好調でした。
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高配当利回りを狙った銘柄選びでは、どうしても利回りのみに関心が集まりがちですが、やはりそれだけではなく業績面も重視する必要があります。業績不安があると、たとえ配当を手にできたとしても、その後の株価回復が期待しづらいので、「高配当銘柄」を選ぶ際は業績面もチェックするようにしましょう。
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