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米国のグーグルは7月27日、全世界の従業員を対象に在宅勤務を認める期間を延長することを明らかにしました。これまでは、2021年初めから通常体制に戻す予定でしたが、スンダー・ピチャイCEOが「在宅勤務を選択できる期間を2021年6月30日まで延長する」と通知したようです。
こうした動きの背景には、言うまでもなく、新型コロナウイルスの新規感染者数が再度増加している状況があります。
国内の新型コロナウイルスの感染状況は依然として増加傾向に!
株式市場でも「感染第2波」に対する警戒感が高まる
日本国内でも、下のグラフのように、7月に入ってからの新規感染者数は増加傾向にあります。6月1日の新規感染者数37人と比較すれば、何十倍もの増加です。
最近では、良くも悪くも話題となった「Go Toトラベルキャンペーン」の効果もあり、7月23日〜26日の4連休に旅行や外出をした人も多かったと思われます。4連休における感染状況は未だ不明ですが、東京都の感染者数の発表は「おおむね3日前の検査結果」に基づいているため、今週末から来週にかけての新規感染者数に対して市場の警戒感が高まっています。
西村経済再生担当相は7月26日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が再拡大しつつある状況を踏まえ、テレワーク率70%を目指すよう、改めて経済界に要請する考えを明らかにしました。こうした政府の方針に呼応するかのように、NTTは7月27日、国内のグループ約280社に対して、在宅率を従来の5割から7割に引き上げる方針を伝えたと報じられました。
そうした新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、今回は、改めて「医療用高機能マスク」関連銘柄に注目したいと思います。
一般用のマスクは市中に行き渡っているが、
「高機能医療用マスク」の不足は依然として深刻な状況が続く
2020年1月、マスク不足を背景に、株式市場では「マスク」関連銘柄が大いに盛り上がりましたが、現在は街中でいつでもマスクが買える状況なので、「今更、マスク関連が盛り上がるのか?」といった疑問もあるでしょう。しかし、街中で販売されているマスクはあくまでも家庭用であり、医療機関などで使用される「医療用高機能マスク」とは異なります。
医療従事者などが使用する「医療用高機能マスク」の不足は依然として深刻な状況にあります。今後、新型コロナウイルスの感染第2波に対する警戒感が高まった場合、「医療用高機能マスク」の需要が急速に増加することが予想されます。
具体的な銘柄選びですが、今回は1月に「マスク」関連銘柄が物色された際、中核的な銘柄だった医療向けマスクや衛生材料などを手掛けている企業をピックアップしました。後発でさまざまな企業がマスク製造に参入しましたが、特に「医療用高機能マスク」に強みがある企業に注目しています。
【興研(7963)】
感染対策マスク「ハイラックス」を製造
興研(7963)は、防塵・防毒マスクなどのマスク関連事業が主力で、一般用のマスクから医療施設用マスクまで展開しています。なお、興研の感染対策マスク「ハイラックス」は、インフルエンザウイルスA型捕集(除去)性能が99.99%以上となっています。
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【川本産業(3604)】
米国標準規格に対応したサージカルマスクに強み
川本産業(3604)は、医療・衛生材料の総合サプライヤーで、マスクのほかに手指消毒剤や滅菌用製品などを販売。医療用マスクとしては、米国標準規格に対応した液体防護性サージカルマスクに強みを持っています。
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【アゼアス(3161)】
「感染症防護対策キット ICK-3」を手掛ける
アゼアス(3161)は、感染症防護服を中心とした「感染症防護対策キット ICK-3」などを展開しています。デュポン製「タイベック」を生地に使用した防護服は、医療現場のみならず救急隊などでも使用されています。アゼアスは防護服メーカーなので、正確には「マスク」関連銘柄ではありませんが、「新型コロナウイルス」関連銘柄の一角として値動きがある程度連動するため、今回取り上げました。
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【中京医薬品(4558)】
二酸化塩素を利用した「エアーマスク」を展開
中京医薬品(4558)は、医薬品の入った赤い箱を家庭などに配置して使用した分だけ清算する配置販売業、いわゆる「置き薬」で知られる企業です。「マスク」関連事業としては、二酸化塩素を利用した「エアーマスク」を展開。「エアーマスク」は患者と至近距離で接する機会が多い医療機関などで使用されています。
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ただし、「医療用高機能マスク」関連銘柄をトレードする際の注意点として、実際に物色が始まったとしても「過度な期待は禁物」です。2020年1月に「マスク」関連銘柄が注目された際の過熱感は凄まじく、短期間で株価が何倍にも急騰した銘柄が続出しました。こうした激しい物色をすでに一度こなした分、1月と同レベルの爆発力は期待しないほうがいいでしょう。
多くの「マスク」関連銘柄は、1月の急騰後に大きく下落し、ここ数カ月間は底値圏での推移が続いています。そのため、急騰時に売買していた投資家の需給整理は一巡しており、ここからさらに下落するリスクは低いと思われます。まずは、高値から安値までの下落幅の「1/3戻し」「半値戻し」「2/3戻し」をターゲットとしてトレードするのがおすすめです。
なお、興研は下落後に再び上昇に転じ、現在「半値戻し」の水準まで来ていますが、その他の3銘柄については安値圏で推移しながら下値を固めている状態です。チャート形状としては、上値を切り下げる形で「三角もち合い」を形成しているので、テクニカル的に見てトレンド転換が意識されるタイミングと言えます。先行して値上がりしている興研が、ここからさらに一段上昇してくると、他の「医療用高機能マスク」関連銘柄への波及も期待できるでしょう。
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