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米国では第2四半期決算発表シーズンが佳境!
アナリストの予想を上回る好決算が続く
米国では、第2四半期の決算発表シーズンが佳境を迎えています。結論から言えば、第2四半期の決算はアナリストたちが懸念したほど酷い数字にはなっておらず、むしろ予想を上回る好決算が続いています。
すでに、S&P500採用企業の63%が決算発表を終えているのですが、そのうち84%の企業がEPS(1株当たり利益)で予想を上回り、69%の企業が売上高で予想を上回りました。このため、2020年通年のコンセンサス予想は先週に比べて少し上昇し、129.03ドルになりました。
下のグラフは、2020年のS&P500のEPSに対するコンセンサス予想がどう推移してきたかを示していますが、すでに下げ止まっていることが読み取れます。
業種別で見ると、情報通信(IT)産業の決算が最もコンセンサスを上回る確率が高かったです。具体的には、EPSで94%の企業が、売上高で86%の企業が予想を超えました。
中でもGAFA(グーグル[アルファベット]、アマゾン、フェイスブック、アップル)が揃って良い決算を発表したことで、「いま米国株買うなら、ゴチャゴチャ難しい投資手法を使わず、大手ハイテク株の中から馴染みの深い、愛されたブランドを買っておけば十分」ということが証明されました。
そんなGAFAの決算内容を、具体的に見ていきましょう。
【アルファベット】
GAFAの中では最も新型コロナの悪影響を受けたものの、
EPS、売上高ともに予想を上回る結果に!
グーグルの運営会社であるアルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)は、GAFAの中では一番、新型コロナウイルスの悪影響を受けました。
第2四半期決算は、EPSが予想8.23ドルに対して10.13ドル、売上高が予想373.4億ドルに対して383億ドル、売上高成長率が前年同期比-1.7%でした。
2020年6月時点における検索関連の売上高は、前年同期とほぼ±0%でした。一方、広告に関しては、「広告の出稿はゆっくり改善しているものの、そのトレンドが維持可能かは判らない」というコメントでした。また、クラウドやYouTubeサブスクリプション、グーグル・プレイは好調でした。
なお、アルファベットは、オフィス費用の縮小により、今年の設備投資額を少し絞り込む見込みです。
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【アマゾン】
新型コロナによるネットショッピングの好調もあり、
売上高成長率は前年同期比+40.2%!
アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)は、新型コロナウイルスにより外出できない人たちがネットショッピングへ向かったことで恩恵を被りました。
第2四半期の決算は、EPSが予想1.62ドルに対して10.30ドル、売上高が予想812.7億ドルに対して889.1億ドル、売上高成長率が前年同期比+40.2%でした。
営業利益は+89.5%の58.4億ドルでした。ガイダンスは-15億〜+15億ドル、コンセンサス予想は11.3億ドルでした。
AWS売上高は+29%の108.1億ドルでした。AWS営業利益率は31.1%で、前年同期の25.3%より改善しました。
部門別の売上高成長率と総売上に占める比率は以下の通りです。
■アマゾンの部門別の業績 | ||||||
部門 | 売上高成長率 | 総売上に占める比率 | ||||
北米 | +43% | +61% | ||||
海外 | +38% | +26% | ||||
AWS | +20% | +13% |
今期の配達コストは136.5億ドルで、前年同期比+68%。配達小包数は+57%でした。従業員数は87.7万人で前年同期比+34%でした。
また、営業キャッシュフローは512.2億ドルで、前年同期比+42%。フリー・キャッシュフローは318.5億ドルで、前年同期比+27%でした。
第3四半期に関して、売上高は予想863.6億ドルに対して新ガイダンス870億〜930億ドルが、営業利益は予想29億ドルに対して新ガイダンス20億〜50億ドルが提示されました。
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【フェイスブック】
外出自粛の影響でユーザー・アクティビティーが増加!
DAUとMAUはともに前年同期比+12%と好調に推移
フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)は、新型コロナウイルスで家にいることが多くなった関係で一時的にユーザー・アクティビティーが増加しました。
第2四半期決算は、EPSが予想1.38ドルに対して1.80ドル、売上高が予想173.6億ドルに対して186.9億ドル、売上高成長率が前年同期比+10.7%でした。
また、DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー数)は17.9億人で前年同期比+12%、MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー数)は27億人で前年同期比+12%でした。
いま、広告ビジネスは平常にもどりつつあります。さらにユーザー数の成長率やエンゲージメントの指標も平常に戻りつつあります。今後ユーザーが在宅勤務から普通に通勤する生活に戻れば、DAUやMAUの成長は鈍化すると予想されます。
なお、2020年の営業費用は520億〜550億ドル、設備投資は160億ドルを見込んでいます。
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【アップル】
在宅勤務の増加によりMacとiPadの売上が好調!
サービス売上高が予想を超えたことも高評価に
アップル(ティッカーシンボル:AAPL)は、在宅勤務するにあたりパソコンやタブレットを買い求める消費者が多かったことで、MacとiPadの売上が好調でした。
第3四半期(6月期)決算は、EPSが予想2.07ドルに対して2.58ドル、売上高が予想525.6億ドルに対して596.9億ドル、売上高成長率が前年同期比+10.9%でした。
カテゴリー別の売上高と前年同期比は、以下の通りです。
■アップルのカテゴリー別の売上高 | ||||||
カテゴリー | 売上高(前年同期比) | |||||
iPhone | 264.2億ドル(+2%) ※予想220億ドル |
|||||
Mac | 70.8億ドル(+22%) | |||||
iPad | 65.8億ドル(+31%) | |||||
ウエアラブルズ | 64.5億ドル(+17%) | |||||
サービス | 131.6億ドル(+15%) ※予想130億ドル |
サービス売上高が予想を超えたことは、投資家から好感されました。
また、地域別売上高(前年同期)は以下の通りです。
■アップルの地域別の売上高 | ||||||
部門 | 売上高(前年同期比) | |||||
南北アメリカ | 270.2億ドル(+8%) | |||||
欧州 | 141.7億ドル(+19%) | |||||
中国 | 93.3億ドル(+2%) | |||||
日本 | 49.7億ドル(+22%) | |||||
残りのアジア太平洋 | 42.0億ドル(+17%) |
アップルは7月30日、1:4の株式分割を発表しました。これは、株価が4分の1になる代わりに既存株主の持ち株は4倍に増えることを意味するため、アップルの業績に対する影響は何もありません。ただ、NYダウ(ダウ工業株価平均指数)は単純株価平均による算出されるので、株式分割後にアップルがNYダウに占める比率は低下します。しかし、大部分の機関投資家は、NYダウを運用のベンチマークにしておらずMSCI指数を使っているため、需給関係に対する影響は軽微です。
来期に関して言うと、新しいiPhoneは例年9月に発表・販売開始されますが、今年はそのスケジュールより「数週間遅延する」そうです。そのためiPhoneの売れ行きは多少滞る可能性がありますが、それ以外のMacやiPadなどは引き続き好調だと予想しています。また、来期のサービス売上高の成長ペースは、第3四半期の実績と同じだろうとコメントされています。「サービス売上高を倍増させる」という事業計画は、予定より半年早く実現されました。
なお、アップルによる割賦制度や下取り制度により、消費者はアップル製品を買いやすくなっています。
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【今週のまとめ】
結局のところ大手ハイテク企業は不況にも強いので、
それらの銘柄を素直に買って保有し続けるのが正解!
GAFAの第2四半期決算は無難な内容でした。結局、なんだかんだ言ってGAFAのような大手ハイテク企業は財務的にしっかりしており、不況にも強いことが証明されました。奇をてらわず、これらの銘柄をしっかり抱いておけばオッケーだということを覚えておきましょう。
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