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新型コロナウイルスの感染拡大によって業績が下がる中、
「IT投資」で業務の効率化や競争力の向上を図る企業が急増!
日本経済新聞社は8月10日、2020年度の「日経設備投資動向調査」を発表しました。「日経設備投資動向調査」は、上場企業や資本金1億円以上の有力企業の計948社を対象に日本経済新聞社が調査を行ったもので、これによると、2020年度における全産業の設備投資計画額は、前年度比1.2%減の19兆2395億円となる見通しのようです。
コロナ渦の影響もあって設備投資計画額の前年割れという結果自体は特段驚くべきものではありませんが、それよりも注目すべきなのは、IT投資額(対象は765社)が15.8%増の4718億円で、2年連続の2ケタ増が見込まれる点です。この調査結果から、新型コロナウイルスの感染拡大による業績ダメージがある中、限られた資金をIT投資に集中し、可能な限り業務の効率化や競争力の向上を目指すことで、収益を確保する糸口を模索している企業の姿勢が読み取れます。
「テレワークへの移行」や「オンライン会議の導入」に留まらず、
コロナ禍における事業継続の対策としての「IT投資」が増加!
例えば、三越伊勢丹ホールディングス(3099)は、新型コロナウイルスの影響で当初非開示としていた2021年3月期の業績予想を7月29日付で発表し、営業損益が380億円の赤字(前期は156億円の黒字)に転落することが明らかになりました。一方で、2020年6月には新しいオンラインサイトやアプリをリリースするなど、遅ればせながらもオンライン販売(EC)のための「IT投資」に注力を始めています。
コロナ禍における「IT投資」が活発化する流れとして、最初に顕著に表れたのがオンライン会議やテレワークを行うための「IT投資」でした。しかし今後は、単純に社員の業務をテレワークに移行するだけに留まらず、三越伊勢丹ホールディングスのように、コロナ禍における事業継続の対策としてITを活用した新たな分野での成長を目指す取り組みが増えてくると考えられます。
多くの企業はデジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性を感じており、IT関連への設備投資については、業績が思わしくない状況においても積極的に続けていくことが考えられます。
【※関連銘柄】
⇒米国株の「デジタル・トランスフォーメーション」関連銘柄を紹介! 「テレワーク」など“デジタルによる変革”はアフターコロナで需要増が間違いない注目のテーマ!
今回は、そうしたコロナ禍でも変わらない企業の「IT投資」への意欲を背景に、その恩恵を受ける可能性がある「IT投資」関連銘柄に焦点を当てました。具体的な銘柄としては、「中小型株」「“金融業界向け”など特定分野に強みを持つ」「中長期的な上昇トレンドが継続している」という条件を重視して選別しました。
【TDCソフト(4687)】
クラウド型セキュアアクセスサービス「Tegata」の販売を開始
TDCソフト(4687)は、特に金融業界向けに強みを持つ独立系のシステムインテグレーターです。8月6日に、リモートワークユーザーの増大にも対応可能なクラウド型セキュアアクセスサービス「Tegata」の販売を8月17日から開始すると発表しました。株価は、6月30日に付けた高値1070円をピークに現在は調整中ですが、直近では25日移動平均線が下値支持線として機能しており、底堅い値動きを見せています。
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【アセンテック(3565)】
Atrust社と共同開発した「リモートPCアレイ」が好調
アセンテック(3565)は、仮想デスクトップを中心に事業を展開。新型コロナウイルス対策として急速にテレワークが広がる一方で、利用者の増加によりさまざまな課題も浮き上がっていますが、アセンテックはそうした課題の解決に挑み続けています。製品では、Atrust社との共同開発商品である「リモートPCアレイ」などが好調です。株価は、上昇する75日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、直近では25日移動平均線を上抜けしています。
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【キューブシステム(2335)】
宅配事業会社向けのシステム構築案件などが順調に拡大
キューブシステム(2335)は、独立系のソフトウェア企業。不採算案件の解消および出張旅費などのコスト抑制を背景に、第1四半期の業績は大幅な営業増益となりました。宅配事業会社向けのシステム構築案件や、教育事業会社向けのシステム構築案件などが順調に拡大しています。株価は、上昇する25日移動平均線を下値支持線とした強い上昇トレンドが継続。直近は多少の調整局面となっていますが、それでも25日移動平均線での底堅さが高評価です。
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【テクノスジャパン(3666)】
関西を中心にビジネス展開するアックを吸収合併
テクノスジャパン(3666)は、企業のデジタルトランスフォーメーションを後押しするIT企業。7月10日に、クラウドインテグレーターとして関西を中心にビジネス展開するアックを、2020年10月1日付で吸収合併すると発表。今後の事業展開に一段の加速が期待できます。株価は、上昇する25日移動平均線を下値支持線とした上昇基調が続いています。
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【SCSK(9719)】
ビジネスに求められるITサービスを包括的にサポート
SCSK(9719)は、コンサルティングやシステム開発、ITインフラ構築、ITマネジメント、ソフト販売など、ビジネスに求められるITサービスを包括的に提供する企業。株価は、緩やかな上昇トレンドが継続しており、足元で上昇する25日・75日移動平均線が下値支持線として機能しています。
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IT関連の銘柄は数多く存在するため、そこから銘柄を絞り込むのは非常に大変で、今回も「IT投資」関連の銘柄のうち、ごく一部の紹介に留まっています。そのため、上記の銘柄を参考にしつつ、読者の方が自分自身でも「IT投資」関連銘柄を調べてみると、より期待が持てる「隠れ銘柄」が見つかる可能性も十分にあります。
外出自粛が続く今だからこそ、銘柄分析に費やす時間もあると思うので、ぜひ楽しみながら多くの企業の情報を集めて自分なりに分析してみてください。
【※今週のピックアップ記事はこちら!】
⇒日経平均株価は75日移動平均線を割らない限り“強気”で、下落局面は「押し目買い」の好機! 25日移動平均線を抜けて「上昇トレンドへ回帰」がメインシナリオ!
⇒米国株に米大統領選挙が及ぼす影響と選挙の見通しを解説! トランプ氏にバイデン氏が勝った場合、貿易の活発化で恩恵を受ける「ダナオス」などが狙い目に!
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