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米国では、米国版5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の掲示板サイト「レディット」に不特定多数の個人トレーダーが集結し、ターゲットを絞って株価を急騰させる「レディットバブル」が発生しています。
レディットに書き込まれた「○○の株を全員で買え」「ヘッジファンドを締め上げろ」といった呼びかけを受け、ロビンフッダー(スマホで取引でき、手数料も無料の米国のネット証券「ロビンフッド」を利用する個人投資家)たちが、レバレッジを効かせることのできる証拠金取引やオプション取引を多用し、ショート・スクイーズ(空売りの締め上げ)を行いました。その結果、空売りを仕掛けていた投資のプロである機関投資家のヘッジファンドを締め上げて、高値での買い戻しに追い込みました。
その象徴的な銘柄が「ゲームストップ(GAmeStop:GME)」です。ゲームストップは業績が赤字のビデオゲーム販売店で、2020年12月31日における株価は18.84ドルでしたが、特に材料が出たわけでもないのに、2021年1月28日には一時483.00ドルまで急騰しました。なお、同日の安値は112.25ドルで、終値は前日比153.91ドル(44.29%)安の193.60ドルだったので、驚異的な上昇をした直後に急落したわけです。
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この急落は、ロビンフッドなどのネット証券が、ゲームストップを含む一部銘柄の取引に制限をかけたことが影響しました。
しかし、ロビンフッドは1月28日の夕方には一転して、翌日29日からは市場の状況を見ながら限定的に制限を解除すると発表しました。これを受けて29日には、ゲームストップの株価は一時、前日の2倍以上に急騰し、終値は前日比65%高の325.00ドルと再び高騰しました。
ロビンフッダーによる株の買い占め騒動に端を発した
今回のウォール街の混乱は、SECを巻き込んだ政治問題に発展!
こうした騒動を受け、SEC(米証券取引委員会)は1月29日、個人投資家を主要顧客とする一部の証券会社が個別株の取引を一時停止した問題に関して調査を始めると発表しました。また、米民主党のエリザベス・ウォーレン議員は29日、SECに対して、状況報告や相場操縦の防止策について2月5日までに返事するよう求めたということです。このように、今回のウォール街の混乱は政治問題化しつつあります。
なお、ロビンフッドのブラッド・テネフCEOは、1月28日に実施した一部銘柄の株式の取引制限について、取引を決済する清算機関から通常よりも桁違いの多額の預託金を求められたため「規制上の資本要件に適合しなければならず、今回は選択の余地がなかった」と釈明したそうです。
【※関連記事はこちら!】
⇒【米国株】ロビンフッダーが「ゲームストップ(GME)」の株価を急騰させた事件の裏側を解説! 再び注文停止になる可能性も高く、日本の投資家は手出しは無用!
「レディットバブル」による損失の埋め合わせの影響で、
NYダウや日経平均株価は一時大幅に下落!
それはさておき、ゲームストップの株価急騰や乱高下により、安値で空売りしていた一部のヘッジファンドは高値での買い戻しを余儀なくされ、多額の損失を被りました。そして、その損失を埋めるための「合わせ切り」として、利益が乗っている買い持ちの主力株の売却を急いだようです。
その結果、1月27日のNYダウは前日比633.87ドル安、28日は同300.19ドル高、29日は同620.74ドル安、そして2月1日は同229.29ドル高と乱高下し、非常に不安定な状況に陥りました。とは言え、2月1日の上昇を見る限り、ゲームストップ株の急騰によって損失が膨らんだヘッジファンドの主力株に対するポジション調整の売りは、一巡した可能性が高そうです。
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当然のことながら、米国株が不安定な動きとなったことで、日経平均株価も影響を受けました。1月28日は437.79円安、29日は534.03円安と、2日間に終値ベースで971.82円(3.39%)も下落しました。
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ただし、前週末の1月29日にNYダウが620.74ドル安と下落したにもかかわらず、週明け2月1日の日経平均株価は、427.66円高の2万8091.05円と3日ぶりに大幅反発しました。そして、1日のNYダウの229.29ドル高を受け、2月2日の日経平均株価は前日比230.04円(0.82%)高の2万8321.09円と2日続伸し、落ち着きを取り戻しつつあります。
当面の日経平均株価は上値も下値も重いため、
±1σの間を推移する「バンドウォーク」がメインシナリオ
当面の日経平均株価に関しては、25日移動平均線(2月1日現在2万7954.98円)を上回って推移する限り、堅調に推移するでしょう。
しかし、米国では、2月1日のVIX指数(恐怖指数)が30.24と、不安心理が高まった状態とされる「20」を大幅に上回っています。このように米国株式市場では下値不安が依然として根強いので、日経平均株価の上値は重そうです。一方で、米国株が急落するような事態に陥らない限り、日経平均株価の下値も堅いと見ています。
以上のことから、当面の日経平均株価は25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの-1σ(2月2日前引け時点2万7361.30円)と+1σ(同2万8647.82円)との間を推移する「バンドウォーク」を続けることになるというのがメインシナリオです。なお、現時点では、ボリンジャーバンド自体がエクスパンション(拡大)しておらず、むしろ、スクイーズ(収縮)しつつあるので、短期的には、下方向にも、方向にもトレンドが出る可能性は低いでしょう。
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東証マザーズ指数が今後5日移動平均線を上回ってくると、
個人マネーを中心とした短期資金の流入が期待できる!
大型株の株価動向を示す日経平均株価が「揉み合い」想定のため、短期的な期待はやはり小型株ということになります。
2月1日の東証マザーズ指数は前日比25.38(2.10%)高の1234.34ポイントと、3日ぶりに大幅反発しました。5日移動平均線(2月1日現在1244.57ポイント)は下回っていますが、25日移動平均線(同1227.21ポイント)と75日移動平均線(同1224.04ポイント)はともに上回っています。今後、終値で5日移動平均線を上回ってくるようなら、個人マネー中心に短期資金の流入の加速が見込めるでしょう。
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小型株に関しての投資戦略としては、3月決算企業なら、すでに第3四半期決算を発表済みの銘柄を狙いましょう。
もちろん、自分で十分に調べ上げて、投資先の業績に自信を持っているのなら、決算発表前に買う「決算跨ぎ」もありです。しかしながら、ここ最近もそうですが、決算発表直後の小型株の値動きを見ると、よほどのサプライズがない限りは好材料出尽くしで売り込まれることも珍しくなく、たとえ好決算でも多少のサプライズ感だと「寄り付き天井」となるケースも少なくありません。ましてやコンセンサスを下回るケースでは、容赦ない売り物が降ってくることが多いのです。
だからこそ、ここは慎重になって、決算発表済みであることを前提に、好業績・高進捗率が確認できた銘柄や、高成長が今後も見込める銘柄に狙いを絞って投資しましょう。
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