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日経平均株価は、3月12日の「メジャーSQ」まで調整が
続く可能性も!「日銀のETF買いの条件判明」と「米国の
長期金利のピークアウト」が相場が転換するサインに!

2021年2月23日公開(2022年9月20日更新)
藤井 英敏
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 日経平均株価と米国株式市場(特にナスダック総合株価指数)は調整入りしたと見ています。その主因は、米国の長期金利の上昇です

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 長期金利上昇の背景には、大型の経済対策のための国債増発に伴う、米債券市場の需給悪化懸念の高まりがあります。また、その経済対策による景気押し上げ効果と、さらに新型コロナウイルスのワクチン普及による経済正常化期待を主因にした物価の上昇、すなわちインフレ期待の高まりも、長期金利の押し上げ要因となっています。

 この長期金利の上昇が、米国の高PERのハイテク株の売り材料となっています。その結果、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が、足元で調整色を強めているのです。そしてそれを反映して、日本でもハイテク株の上値が重くなり、日経平均株価も調整色を強めているのです。

米国では、アップルやテスラなどのハイテク株が売られ、
ディズニーやキャタピラー、アメックスなどの景気敏感株が買われる

 ただし米国では、経済対策やワクチン普及後の「アフターコロナ経済」で業績が回復するであろう「シクリカルバリュー株(景気敏感系の割安株)」が堅調です。このため、ナスダック総合株価指数に対して、NYダウは相対的に堅調です。実際、2月22日のNYダウは、前週末比27.37ドル(0.1%)高の3万1521.69ドルでした。一方、ナスダック総合株価指数は大幅反落し、同341.415ポイント(2.5%)安の1万3533.048ポイントでした。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 この日は、景気敏感株のウォルト・ディズニー(DIS)が4.42%上昇してNYダウを53.36ドル、キャタピラー(CAT)が3.88%上昇してNYダウを53.62ドル、アメリカン・エクスプレス(AXP)が3.22%上昇してNYダウを27.89ドル、それぞれ押し上げました。また、NYダウ構成銘柄ではありませんが、クルーズ船のカーニバル(CCL)アメリカン航空グループ(AAL)など、旅行・レジャー関連株が軒並み買われました。

 一方、NYダウ構成銘柄では、アップル(AAPL)が2.98%下落してダウを25.45ドル、マイクロソフト(MSFT)が2.68%下落してダウを42.49ドル押し下げました。NYダウ構成銘柄以外では、テスラ(TSLA)が8.55%下落しました。このように「ハイテク株売り・シクリカルバリュー株買い」が顕著です。

「許容できないレベル」になるまで米国の長期金利は上昇し、
「債券安・ハイテク株安」が継続する可能性は高い

 なお、2月22日の米国10年物国債利回りは前週末比0.02%上昇し、1.36%で取引を終えました。利回りの上昇(債券価格の下落)は3日連続です。

■米国10年債利回りチャート/日足・3カ月
米国10年債利回りチャート/日足・3カ月米国10年債利回りチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 民主党が今週中に下院で1.9兆ドルの追加経済対策の法案を成立させる見通しと伝わったことや、寒波の影響でワクチンの流通に一部で支障が出ていた米南部に関して、サキ米大統領報道官が2月21日に「今週中に配送の遅れを取り戻す」と述べたことが、債券の売り材料になったようです。

 また、2月19日に発表された2月の米国のPMI(総合購買担当者景気指数)が5年11カ月ぶりの高水準となり、投入コストや販売価格が過去最高の伸びとなったことや、18日に発表された1月の輸入物価指数が前月比1.4%上昇と市場予想の1.0%上昇を上回り、8年10カ月ぶりの高い伸びだったことで、市場ではインフレ期待がやや強まっています。これらの指標も、ここ最近の債券の売り材料になっていることは間違いないでしょう。

 しかも、このような状況で、2月19日にはNY連銀のウィリアムズ総裁が「金利上昇は良好な経済見通しに伴うもので懸念していない」との見方を示しました。つまり、足元の長期金利の上昇をFBRは容認しているということです

 ただし、FRBが2月17日に公表した1月のFOMC議事要旨では、政策の目標達成は「ほど遠い」との認識で一致しています。このため、今後、FRBが許容できないレベルに長期金利が上昇する局面では、FOMCメンバーなどから強い牽制発言などが相次ぐはずです。

 それまでは、米国の長期金利はその「許容できないレベル」まで上昇し、「債券安・ハイテク株安」は継続する可能性が高いと考えます。そして、FOMCメンバーからの長期金利上昇への牽制発言が、「債券安・ハイテク株安」の悪循環を止めるきっかけになると見ています

 ただ、米国の長期金利上昇が世界的な株式の相場急落を引き起こした2018年10~12月には、実質金利(名目金利から物価変動の影響〈予想物価上昇率〉を差し引いた金利)がプラス1%を超えていました。しかしながら、足元では米国の実質金利は依然としてマイナス圏で推移しているため、現状程度の名目金利の上昇なら株式相場急落リスクは低いと見ています。なお、私は、現在の経済状況で実質金利がプラス転換することを、FRBは決して許容するはずがないと考えています。

日銀のETF買いの条件に変更の兆しが!
変更点が明らかになるまで日本株の調整は続く

 一方、日銀のETF(上場投資信託)買い入れ基準に変化の兆しが出ており、東京株式市場での投資家の最大の関心事となっています

 2月18日、TOPIXは0.54%安で前場を終えました。また、19日も前日比0.76%下落していました。しかし、日銀は18日に続いて19日もETFの購入を見送りました。これまで、市場では「日銀のETF買い入れ発動の目安は、前引け段階でTOPIXが前日比0.5%超下がること」と観測されていました。

 ちなみに、日銀は3月19日の金融政策決定会合を目処に金融緩和政策の「点検」を公表し、ETF購入スタンスに関しては、「リスクプレミアム(リスクのある資産の期待収益率から無リスク資産の収益率を引いた差)が低下した株高局面」での買い入れはできるだけ控えるなど、抑制的なものに修正すると見られています。

 日銀のETF購入の目的は「株式市場のリスクプレミアムに働きかけることを通じて、企業や家計の前向きな経済活動を支援していくこと」です。このため、日本株のリスクプレミアムが高まれば日銀は引き続きETFを積極的に購入する一方で、現在のようなリスクプレミアムが低位で安定した株高局面では、従来のような機械的なETF買いは行わないことにするのでしょう。

 ですが、ご存じのように、市場は不透明感を嫌います。このため、3月19日の金融政策決定会合で日銀のETFへのスタンスが正式に公表されるまでは、日本株のリスクプレミアムは一時的に上昇する可能性が高そうです。そして、予想通りリスクプレミアムが上昇するようならば、やはり、日本株の調整色は強まる見通しです

3月12日のメジャーSQを通過するまでは、
資金管理を厳格化してリスク回避的な運用を心がけよう!

 以上、ここまで説明してきたように、日本株の調整が一巡するための条件は、「米国の長期金利のピークアウト」と「日銀によるETF買いの条件の変更点が明らかになること」の2つと考えています

 スケジュール的には、3月12日が3月限の先物・オプションのメジャーSQです。ザックリベースですが、このSQ前後までは、日本株の調整は続くと見ています

 従って、当面は資金管理を通常よりも厳格化して、リスク回避的な運用を心掛けることをお勧めします。特に、信用取引などで高レバレッジを効かせている投資家の方は、万が一、短期的な相場急落が発生しても致命傷を負わないことを最優先にして相場に臨みましょう。

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