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6月14日のNYダウは3日ぶりに反落し、前週末比85.85ドル安の3万4393.75ドルでした。15~16日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)を見極めたいとのムードが強く、買い方によるポジション調整の売りが出たようです。
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一方、ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同104.720ポイント高の1万4174.143ポイントと、4月26日以来、1カ月半ぶりに過去最高値を更新しました。また、S&P500種株価指数は同7.71ポイント高の4255.15ポイントと、連日で過去最高値を更新しました。このように米国株は非常に強い動きを続けています。
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6月15~16日に開催されるFOMCの影響で
日米の株式相場が急落する可能性は低い
今回のFOMCに関しては、テーパリング(FRBによる資産購入の段階的縮小)が議論されると思われます。また、会合後に発表される経済見通しでは2021年と2022年以降のインフレ見通しが上方修正され、政策金利見通しでは2023年にゼロ金利の解除が示されると見られているようです。
しかしながら、FRBは金融市場の動揺を引き起こさないように、ゆっくり時間をかけて慎重にテーパリングを行うでしょうし、実施前に時間をかけて丁寧な事前説明を行うはずなので、今回のFOMCの影響で株式相場が急落する可能性は低いと思います。
ただし、私の想定が外れるケースでは、まず米国の長期金利が急上昇するでしょう。
ちなみに、6月10日に発表された5月の米国のCPI(消費者物価指数)は前年同月比で5.0%上昇、エネルギーと食品を除くコア指数は3.8%上昇となり、市場予想(それぞれ4.7%上昇と3.5%上昇)を上回りました。それにもかかわらず、10日の米国10年物国債利回りは前日比0.06%低下の1.43%と、この日の最低水準で取引を終えました。「新型コロナウイルスの影響で前年に物価が落ち込んだ反動によりインフレ率が高まる“ベース効果”は、5月でピークアウトする」との見方から、債券が買われたからです。
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つまり、米国の債券市場が「現在の物価上昇が一時的ではなく、中長期的なものである」と警戒しない限り、米国の長期金利が急上昇することはないでしょう。そして、この米国の長期金利の低位安定は、米国株、特に「高PER・低配当利回りのハイテク株」にはポジティブ材料なのです。
そのため、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は下がりがたく、上りやすくなります。そして、ナスダック総合株価指数との相関性の高い日経平均株価も同様に下がりがたく、上りやすい状況が続く見通しです。
ワクチン接種の加速や東京オリンピック開催が事実上決まったことで、
日本の株式市場は当面「強気スタンス」で問題なし!
ところで、6月14日の日経平均株価は、前週末比213.07円高の2万9161.80円でした。これまでは75日移動平均線(14日現在2万9119.99円)が上値抵抗線となっていましたが、14日の終値でこれを上回りました。さらに15日も続伸し、前日比279.50円高の2万9441.30円まで上昇しました。
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この値動きは、従来の25日移動平均線(同2万8590.91円)と75日移動平均線とで挟まれたゾーンからの「上放れ」のサインと見ています。そのため、今後の日経平均株価のメインシナリオは、「25日移動平均線を押し目限界にして、順調に上値を追う」というものになります。
私が当面の日本株について強気スタンスを維持する理由としては、堅調な米国株以外に、足元で日本国内での新型コロナウイルスのワクチン接種が加速していること、さらに、東京オリンピックの開催が事実上の国際公約になって開催がほぼ決まったと考えていることが挙げられます。
というのは、G7サミットが6月13日午後(日本時間同日夜)に閉幕しましたが、そこで東京五輪・パラリンピックを「新型コロナ克服に向けた世界の団結の象徴」と位置付け、G7として「安全、安心な方法での開催の支持」を表明したからです。
また、ワクチン接種に関しても、菅義偉首相は7月末までに高齢者の接種を完了させるとともに、希望するすべての人への接種を10~11月に終えると表明しています。当然、これらの事象は日本の先行き景気や株式市場にとっての強烈な追い風になると考えてよいでしょう。
海外投資家が今後も日本株を買ってくるようなら、
日経平均株価の「意外高」も十分に期待できる!
さらに、ここにきて海外投資家が日本株(現物)を買い越してきていることも強気材料です。6月第1週(5月31日~6月4日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は605億円買い越しました。買い越しは2週連続です。買い越し額は前週の3738億円から縮小したものの、買い越しは買い越しです。
なお、一部国内証券の集計(集計期間:2021年1月4日~6月11日)によれば、日経平均株価の価格帯別累積売買代金は、2万8500円〜2万9000円が87兆円で最も多いものの、2万9000円〜2万9500円が58兆円、2万9500円〜3万円が62兆円もあります。つまり、2万9000円~3万円で120兆円にも膨らんでいるのです。
この分厚いゾーンの売り物を吸収して上がるためには、「逆張り好きの国内投資家」ではなく「順張り好きの海外投資家」が一段と買い進む必要があると見ています。よって、今後も海外投資家が日本株を買ってくるようなら、日経平均株価の意外高(予想外に相場が高くなること)も十分期待できるはずです。
そのため、投資部門別売買動向には今まで以上に注目しておきましょう。ちなみに投資部門別売買状況は、毎週第4営業日(通常は木曜日、祝日など非営業日がある場合はその分後ろ倒し)の午後3時に日本取引所グループのホームページに掲載されます。
買い残が積み上がってチャートが崩れてしまった銘柄は触らず、
売り長や、信用倍率が低くてチャートが良好な銘柄を狙え!
ところで、6月4日時点の信用買い残(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は、5月28日時点に比べて977億円増え、3兆3054億円でした。この高水準に積み上がった買い残を考慮すると、買い残が積み上がってチャートが崩れてしまった(例えば25日移動平均線が下向きな)銘柄群はアンタッチャブルです。
逆に「売り長(売り残が買い残を上回っている状態)」や、信用倍率が低くてチャートが良好な(例えば25日移動平均線が上向きな)銘柄を積極的に攻めるべきだと考えます。
とにかく、当面は日経平均株価が25日移動平均線(6月14日現在2万8590.91円)を割り込まない限り、日本株全体について「強気」で臨みましょう。そして、期待する上昇相場に上手く乗って、がっつり儲けてください。
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