売買タイミングが見やすくなるテクニカル指標
移動平均線のように、トレンドを把握したり売買のタイミングをはかったりする際に便利なのがテクニカル指標です。ここでは移動平均線以外の、よく使われる指標を紹介しましょう。なお、ネット証券各社のチャートツールについては、「ネット証券8社の投資ツール「株式チャート」の便利&最新機能を徹底比較!」(https://diamond.jp/zai/articles/-/68436)で紹介しています。
・トレンドライン:ネット証券ツールを使い自分で描画する
ネット証券のトレードツールなどで簡単に利用できるのが「トレンドライン」です。【図表7】の画面右下では、筆者がローソク足のチャートにトレンドラインを描き加えてみました。
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トレンドラインの引き方はローソク足のチャートの高値同士、安値同士をつなぐだけです。トレンドラインはトレンドの把握に役立ちます。トレンドが発生すると、ローソク足の上昇や下降が連続する場合があります。そういったケースでは、支持線(株価の下支えとなっているライン)や抵抗線(株価の頭を抑えているライン)が引けます。
レンジ相場の場合にはトレンドラインが水平に近くなります。そこで、「高値同士を結んだラインを突破してきたら(上昇力が発生したと見て)買おう」という使い方が考えられます。
また、買った株に含み益ができた時には、どこで利食ったら良いか迷うものです。そこで「トレンドライン(支持線)上に株価があるうちは買い持ちを続け、トレンドライン(支持線)を割り込んだら利食い」とする手もあるでしょう。
このようにローソク足のチャートにトレンドラインを書き加えれば、相場の方向性や強さを見たり、売買のきっかけを確認したりする際に役立ってくれます。
・「順張り系」と「逆張り系」
テクニカル指標はたくさんの種類が存在しますが、「順張り系」と「逆張り系」の2種類に大別できます。順張りとはトレンドが出た方向、つまり、上昇トレンドが出たら買い、下降トレンドが出たら売る方法です。
順張り系の指標の代表が移動平均線や一目均衡表です。順張りですから、前にも述べましたが、移動平均線を上抜けたら買い、あるいは、長期移動平均線を短期移動平均線が上抜けたら(ゴールデンクロス)買いと見ます。
逆張り系の指標は、「下がったら買い、上がったら売り」のサインが出る指標です。【図表7】右上、リコー(7752)の「ボリンジャーバンド」というテクニカル指標は、順張り、逆張り両方の見方ができるテクニカル指標です。
上記リコーのチャート上には、5本のラインが表示されています。ラインは移動平均線とその標準偏差(σ)です。正規分布で平均値±標準偏差の2倍(±2σ)内にデータが入る確率が約95%と言われています。5本のラインの一番上のラインが(+2σ)、一番下のラインが(-2σ)です。
だいたいこのライン内に値動きが収まるとすれば、逆張り手法では、株価が-2σライン付近で買い、+2σライン付近で売りと考えます。実際、【図表7】のリコーのチャートでもローソク足はほとんど±2σのライン内で値が動いていることがわかります。
一方でボリンジャーバンドは、トレンドが出ている時は、移動平均線のように、ラインを上抜けたら買い、下抜けたら売りという風に順張り系の指標としても使えます。
また、【図表7】では、ローソク足の最後に長い陽線(大陽線)が現れて+2σのラインを上抜けています。逆張り的発想ではここで売りとなりますが、+2σを突破するような強い波動では、そのまま上昇トレンドが発生するケースもあるので注意が必要です。
つまり、逆張り系指標はトレンドがあまり強くない時、株価がもみあっているような場合に有効。順張り系指標はトレンドが発生した時には有効となる場合が多いのです。
上記のボリンジャーバンドの例のように、逆張り系指標では「売り」に見えるポイントで、順張り系指標では「買い」のサインになるケースがあります。千変万化する相場のすべての局面に対応できるテクニカル指標はありません。そうしたことを踏まえながら、指標を使っていく必要があるでしょう。
今すぐ役立つ!ネット証券のお役立ちチャート分析情報
移動平均線のゴールデンクロスなど、テクニカル指標には売買のタイミングを知らせるポイントがあります。そういったポイントを通知する情報を掲載しているネット証券もあります。
特に銘柄ごとの過去の値動きを検証して、これまでに効果のあったテクニカル指標とその売買サインを提示しているのが、カブドットコム証券の「kabuカルテ」やライブスター証券の「livestarQUICK情報」【図表8】です。
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過去2年間にそれぞれのテクニカル指標で売買したケースで総損益が表示されています。過去に成績が良かったテクニカル指標の売買シグナルに従えば、将来的にも有効かもしれない、というわけです。【図表8】のケースでは、移動平均乖離率(25日が-10%以下で買い、25日が10%以上で売り)とすると、総損益が+53.74%で過去の成績が良かったことがわかります。もちろん未来の利益を保証するものではありませんが、参考になるデータだと思います。
もうひとつネット証券のアナリストが定期的に分析結果を掲載しているおすすめのテクニカルレポートを紹介しましょう。
ひとつはSBI証券の「福永博之氏のテクニカルレポート」です。このレポートでは、毎週今が旬の銘柄など、テーマを決めて、特定の銘柄のテクニカル分析を行っています。
たとえば、9月14日掲載分では、「過去60日ボラティリティーが大きい5銘柄分析」が行われていました。ボラティリティとは値動きの激しさを意味しています。
具体的に分析されていた銘柄のひとつがラオックス(8202)です。短期的には下降トレンドと見ており、25日移動平均線を越えられるかどうかに注目しています。その他、ディップ(2379)、ペプチドリーム(4587)、ネクソン(3659)、コーセー(4922)についても分析が行われました。分析内容を読めば、テクニカル分析の考え方の勉強にもなるでしょう。
また、SMBC日興証券のテクニカルレポートもおすすめです。たとえば、9月1日に掲載された「チャートは語る(テクニカルアナリストのつぶやき)」では、8月下旬の短期急落局面の動向を踏まえた上での主要銘柄の株価についてテクニカル的な視点で銘柄分類が行われています【図表9】。
「底固め」「保ち合い上放れ」「上昇基調」「ダブルトップ」など、チャートパターンによる分類が行われ、多数の銘柄が掲載されています。「調整はやや拡大したが、上昇基調は維持(年内に高値更新の可能性がある)」銘柄の例として、大成建設(1801)、戸田建設(1860)、大林組(1802)など。セクター別に多数の銘柄が紹介されています。
*各種レポートが読める証券会社
●カブドットコム証券
●ライブスター証券
●SBI証券
●SMBC日興証券
(※クリックで公式サイトへ)
最後にこれまで紹介してきたネット証券各社提供のテクニカル指標情報を【図表10】にまとめました。こういったテクニカル分析を駆使して、売買タイミングや銘柄探しに役立てていただきたいと思います。
【図表10】ネット証券各社提供のテクニカル指標情報 【2015年9月16日時点】 | |||
売買サイン自動表示 | チャートフォリオ | テクニカルレポート | 口座開設は コチラ! |
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【掲載欄・備考】レポート充実。「流転」で各種指標の分析。「チャートは語る(テクニカルアナリストのつぶやき)」ではチャート的にチャンスが来ている銘柄掲載。各銘柄のテクニカル分析レポートもある。 | |||
◆SBI証券 | |||
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【掲載欄・備考】個別銘柄欄(詳細表示)で乖離率やサイコロジカルライン表示。売買サインはなし。「チャート形状銘柄検索」機能は口座がなくても使用可能。「福永博之氏のテクニカルレポート」は、毎週話題の銘柄についてテクニカル分析。 | |||
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○ | - | - | |
【掲載欄・備考】「株式投資情報局」で売買サイン点灯銘柄群が見られる。有料トレードツール「岡三ネットトレーダープレミアム」の「クォート(大)」欄に標準的な変数にもとづいた売買サイン表示。 | |||
◆カブドットコム証券 | |||
○ | - | ○ | |
【掲載欄・備考】「kabuカルテ」にて売買シミュレーションにもとづいた自動売買サインと最適指標表示。 「kabu.studio 田中空見子のマーケットポイント」の動画解説はトップページのセミナー欄から誰でも視聴可能。三菱UFJモルガン・スタンレー 証券の株式ストラテジーレポート「エリオット波動マーケット分析」はさまざまな指数の分析。 | |||
◆松井証券 | |||
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【掲載欄・備考】チャート形状銘柄検索「チャートフォリオ」が多機能 | |||
◆マネックス証券 | |||
△ | ○ | ○ | |
【掲載欄・備考】個別銘柄指標欄に移動平均乖離率とRSIの数値表示。週刊「マーケット展望」レポートにて有望銘柄の分析。一目均衡表の雲上抜け・下抜け銘柄一覧。 | |||
◆ライブスター証券 | |||
○ | - | - | |
【掲載欄・備考】「livestarQUICK情報」の個別銘柄欄でテクニカル指標を元にした現在の株価位置表示。23パターンのテクニカル指標による売買シグナル表示。 | |||
◆楽天証券 | |||
○ | - | ○ | |
【掲載欄・備考】個別銘柄の指標欄でテクニカル指標の売買シグナル表示。レポートは、土信田雅之[テクニカル風林火山」(日経平均分析)、出島昇「柴田法則個別銘柄分析」。 |
※本文ではチャートの見方・法則、投資のアイデアなどを紹介していますが、値動きの行方や、投資のリターンを保証するものではありません。
*前回までの「ネット証券を活用した株の初心者入門講座」記事一覧
【第1回】あの株を3年前に10万円分買っておけば600万円に!株式投資の最大の魅力はやっぱり「値上がり益」。「配当」「株主優待」などの魅力と注意点も紹介!
【第2回】株を買うなら証券会社に口座が必要だ!いますぐネット証券に口座を開設する手順と、ネット証券の情報を賢く利用する方法を紹介!
【第3回】株価はなぜ上下するのか?株価を動かす5つの要因と株の仕組みを知ろう!ネット証券で見られる各種投資情報も紹介!
【第4回】株の銘柄はどうやって選んだらいいのか?身近な情報、株主優待、会社四季報、企業業績からネット証券のツールを使って探す方法を紹介!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
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【関連記事】 ◆【楽天証券の特徴とおすすめポイントを解説!】売買手数料が安く、初心者にもおすすめの証券会社! 取引や投資信託の保有で「楽天ポイント」を貯めよう ◆「日経テレコン」「会社四季報」が閲覧できる証券会社を解説! 利用料0円ながら、紙媒体では読めない独自記事や先行情報を掲載し、記事の検索機能も充実 |
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【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
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99円 | 115円 | 275円 | 550円/日 | 1764本 | ○ 米国、中国 |
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【関連記事】 ◆【ネット証券おすすめ比較】株の売買手数料を比較したらあのネット証券会社が安かった! ◆株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券は? 手数料、使い勝手で口座を使い分けるのが桐谷流! |
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【SBIグループに入ってIPO取扱数も急増!】 | ||||||
※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。 |
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