こんにちは、個人投資家の立川です。前回のコラムでは「配当」のことを詳しく解説しましたが、日本には3月決算の上場企業が多く、6月は一年でもっとも配当がもらえる月となっています。ですので、私の口座にも先月末に今年の予想受取金額の約半分が振り込まれました。
以前は配当をもらうたびに思いっきり好きなことに使ったり、受取額が増えてからは再投資にあてたりしていましたが、今年は税金の支払いや車検、実家の修繕など現実的な出費が多かったですね。とはいえ、サラリーマンにとってこの時期に配当金でまとまったお金が入るのはボーナスを二回もらっているようなもので、非常にうれしく、ありがたいものです。
さて、今回は私が特に注目している「増配」のすごさについて、さらに掘り下げて解説してみたいと思います。
【※連載2回目の記事はこちら!】
⇒定期預金の金利より「株の配当」は数百倍もお得! 増配銘柄を選べば、自動的に株価下落リスクが低く、優れたビジネスモデルの超優秀な銘柄に投資できる!
銀行預金の利息を1割増やすには、元本を1割増やす必要があるが、
「増配株」なら投資資金を増やさなくても配当がどんどん増えていく!
まず、ある会社の株を株価が1000円のときに購入したとしましょう。1株当たりの配当が年20円だったとすれば、配当利回りは2.0%となります(前回の「配当利回り」の説明を参考にして下さい。また、下記の記事でも「配当利回り」について詳しく説明されています)。
【※関連記事はこちら!】
⇒「配当利回り」を株初心者にわかりやすく解説! 継続して高い配当金がもらえて、株価も安定しやすい「高配当株」に投資して、堅実な資産形成を目指そう
この会社の株を継続して保有し、翌年には配当が1株あたり20円から22円になったとしましょう。これくらいの増配はよくあることで、このときに「自分の投資金額に対してもらえる配当が2.0%から2.2%に増えたんだな」と考えればそんなに大きな差は感じないかもしれません。
しかし、次の問いを考えてみてください。
(問①)
あなたが満期一年の定期預金を保有していたとします。来年の受取利息を今年より1割増やしたい場合、どうすればよいでしょうか(今年と来年で預金金利は同じとします)。
(答①)
預貯金の利息を1割増やすには、元金を1割増やす。
「そんなの当たり前だろ!」と怒る方もいらっしゃるかもしれません。銀行の定期預金で考えれば、受取利息を1割増やすためには、元本を1割増やさないといけないのは当たり前です。
しかし、受取“配当”が1割増える「増配株」では、元金(投資資金)を増やす必要はありません。配当を年20円から年22円に増配する会社の株を保有するということは、「もらえる配当が1割増える」ということですが、その際に投資資金を増やしたり、その会社の株を買い増ししたりする必要はないのです。会社が勝手に配当を増やしてくれることで、投資家は何も追加投資をすることなく、もらえる配当が1割増えるのです。
銀行が毎年毎年、勝手に定期預金の金利を上げてくれるなんてことはありませんし、ましてや口座の元本を増やしてくれることはありえません。しかし、「元本を増やしてくれる」のと同じ効果が得られる「増配株」はたくさんあります。しかも、たいていの銘柄の配当利回りは定期預金よりもいいのです。
さて、続いて、次の問いも考えてみてください。
(問②)
あなたが賃貸アパートを保有していたとします。今後、受け取る家賃を現状より1割増やすにはどうすればよいでしょうか。
(答②)
アパートの家賃を1割増やすには、同じ家賃が取れる部屋の数を1割増やすか、リノベーションなどをして住民に1割増の家賃を支払ってもらう。
問②の答えも、基本的には問①と同じで、投資をしてアパートの部屋数を増やすか、投資をして現在のアパートの部屋の価値を上げるというように、「追加投資」が前提になりますよね。しかし、問①でも説明したように、受取“配当”が1割増える「増配株」では元金(投資資金)を増やす必要はありません。
また、アパートなど不動産の資産価値は、時間の経過とともに低下するのが一般的です。さらに、住人が引っ越した場合には家賃が入らない期間が発生しますし、新しい住人を探すために広告費を支払ったり、エアコンや水回りなどの修繕費が必要になったりと、不動産を管理するには多額のコストがかかります。
しかし、「増配株」の場合、前述のように追加投資は必要ありません。しかも、増配を続ける会社の株は、増配するたびに資産価値が上がる傾向にあります。なぜなら、株価が同じなら増配するたびに「配当利回り」は高くなり、投資家にとっては魅力がアップしますから、株価は上昇しやすくなるのです。しかも、株は不動産と違い、難しい手続きを必要とせずに売ることができるので、いつでも好きなときに現金化できるというメリットもあります。
勝手に元本が増える定期預金や、自動的に部屋が増えたり、お金をかけずにリノベーションできたりするアパートは絶対にありません。一方、それと同じ効果をもたらす(むしろそれ以上かも?)、毎年のように配当金を増やしてくれる「増配株」はたくさん存在しているのです。
インターネットで「連続増配株」などのキーワードで検索してみましょう。あっという間に何年も増配してくれる会社のランキングが現れることでしょう。現在4000社近くの会社が上場していますが、その中には毎年のように増配してくれる会社がたくさんあるのです。また「ダイヤモンドZAi」の特集記事などで「増配株」は何度も紹介されていますので、チェックしてみましょう。
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前述したように、増配し続ける会社の株を持っているということは、元本が自動的に増える定期預金、あるいは自動的に部屋が増えるアパートを持っているようなものです。それも、一度きりではなく、何度も何度も配当が増えることもあるのです。
一例として、日本エス・エイチ・エル(4327)を見てみましょう(※「増配株」の例として「日本エス・エイチ・エル」を挙げましたが、私個人が投資を推奨するものではありません)。
日本エス・エイチ・エルは「人材アセスメント」という事業を行っており、企業の採用から人事にいたる適性テストを提供しています。一度、顧客になると継続して使用するケースが多く、売上も利益も小幅ながら順調に伸びており、大きな設備投資も不要なために配当性向も高く、配当を徐々に増やしています。
私が初めて日本エス・エイチ・エルに投資したのは2007年でした。その後リーマンショックなどで株価が大きく下げることもありましたが、好調な業績を背景にほぼ毎年「増配」しています。その結果、配当金も株価も10年で約2倍となりました。2008年の底値から考えれば、株価はなんと10倍近くになっています。また、2017年7月時点での予想配当利回りは2.8%と比較的高く、高利回り株としても遜色ありません。
そして、高利回りな「増配株」は株価も底固いという特徴があります。配当を目的として投資をしていたとしても、長い人生の中で現金が必要になり株式を売却する可能性もあります。そのときに、元本割れという事態はできるだけ避けたいものです。もちろん、マーケットの状況によっては「増配株」といえども株価が大きく影響を受けるでしょう。しかし、「増配株」の株価はさまざまなマーケットの混乱を乗り越え、長い目で見ると上昇傾向にあるケースが多いと感じています。
一方、定期預金は利息を受け取り続ければ元本が増えることはありませんし、アパートも築年数の経過とともに価値が下がっていきます。しかし、「増配株」は年数を経てむしろ価値(=株価)が上がって行く傾向にあるのです。
「増配株」では短期間で資産を大きく増やすのは難しいが、
毎日株価をチェックする手間がいらず、仕事や生活を犠牲にしない!
なお、上の表には配当の「実績」だけでなく、「予想」も一緒に掲載しました。
上場会社は決算の時に次の決算時の「配当予想」を出しますが、増配する会社の傾向として、「配当予想」を後から修正して、当初の予想よりも増やしてくれることがよくあります。これを「配当予想の修正」といいますが、その発表を好感して株価が上がることも多いのです。
ただし、安定した「配当+増配」を目当てにして選んだ銘柄は、どうしても増配の実績と今後の期待をある程度織り込んだ株価がついています。結果として、ほとんどの銘柄の値動きが緩やかであり、短期間で資産を大きく増やすことは難しいと言えます。そういった銘柄に分散投資をすれば、値動きはさらに緩やかになるため、積極的にキャピタルゲインを狙いたい個人投資家には面白みに欠けるかもしれません。
しかしながら、同時にそれはメリットでもあります。つまり、「配当+増配」を目当てにして選んだ銘柄への投資では、日々の株価の変動をそれほど気にしなくてもよく、仕事やプライベートを大切にすることができるのです。そして銘柄によっては、長期的に株価が大きく成長することもあります。中には先ほどの日本エス・エイチ・エルのように、5倍、10倍となる銘柄が発生するので、そのときにあなたの資産を大きく増やしてくれるのです。
それでは、今回のポイントをまとめてみましょう。
【ポイント①】
配当を増やす銘柄を保有することは、自動的に部屋が増える賃貸アパートを持っているのと同じ。
【ポイント②】
配当を増やしてくれる会社は、たくさんある。
【ポイント③】
高利回りな増配株は、株価も比較的底固く、個人投資家の投資対象として安心。
【ポイント④】
増配株は値動きは緩やかで資産急増とはいかないが、長期的には大きく実る銘柄も出てくる。
最後になりますが、定期預金や不動産投資に比べて「増配株」への投資が全面的に優れている、というわけではありません。定期預金は目先の元本の安全性は非常に高いですし、不動産投資はレバレッジを効かせて頭金の何倍もの価格の物件を購入することができます。この連載の読者の皆様には、増配株・預金・不動産のそれぞれにメリットがあることを理解していただいたうえで、「増配株」投資にチャレンジしていただければ幸いです。
さて、次回ですが、「増配株」投資がどれだけリスクが低いかについて解説したいと思います。題して「そんなバカな?『増配株』は預貯金よりもリスクが低い!?」。次回にご期待下さい!
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40代のサラリーマン投資家。中学生のころから株に興味を持ち、2004年から本格的に株式投資を開始。バフェットの本に影響を受け、最初はバリュー投資からスタートしたが、次第に増配株のメリットに気がつき、現在の投資手法を確立する。趣味である楽器演奏の腕前はかなりのもので、週末にはライブ活動も行っているとか。
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