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【米国株】「デルタ・エアラインズ」と「トーム」に注目!米国人がもっとも旅行に出かける“感謝祭”の前に新型コロナが沈静化したことで、旅行需要の急回復に期待

2021年11月8日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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来たるべき感謝祭とクリスマスを前にして
米国の消費者の家計は健全であり消費マインドは強い

 これから米国は、サンクスギビング(感謝祭、11月25日)とクリスマスのシーズンに入って行きます。

 米国の家計部門は、1)リーマンショック後に借金を圧縮したこと、2)折からの低金利、3)新型コロナで外出できなくなったことで貯蓄が進んだこと、という理由から、下のチャートのように債務返済比率(借金の利払いや返済負担)が小さくなっています

 これは、米国の家計部門は健全であり、雇用市場の改善と相まって、これからクリスマスに向けて積極的に消費を行えることを示唆しています

新型コロナウイルスのデルタ株が沈静化したことで、
航空会社やホテル、民泊などの強烈な需要増加が予想される

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、モノの消費はサービスの消費より先行してきました。その理由は、密を避けるために外食や旅行が控えられ、その分、モノを買うことで我慢するしかなかったからです。

 ようやく新型コロナウイルスのデルタ変異株が鎮静化したことから、1年で最もアメリカ人が旅行するサンクスギビングの前後は、例年以上の活況が予想されます。それに加え、米国政府は、いよいよ11月8日より欧州などからの観光旅行を解禁します。

 これらのことから、航空会社やホテル、民泊などの商売が繁盛することが予想されます。旅行業界では、このような堰を切ったような旅行需要を「リベンジ・トラベル」と呼んでいます。

「デルタ・エアラインズ」は三大エアラインのひとつで、
「リベンジ・トラベル」の恩恵を受ける銘柄の筆頭

 こうした旅行需要の恩恵を被る銘柄としては、まず、デルタ・エアラインズ(ティッカーシンボル:DAL)を挙げることができます。

 デルタ・エアラインズは、米国の三大エアラインのうち最も財務内容が良いことで知られていますデルタ・エアラインズのハブならびに本社があるハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港は、発着回数で世界最多です。

⇒デルタ・エアラインズ(DAL)の最新株価・チャートはこちら!

デルタ・エアラインズ(DAL)チャート/日足・6カ月デルタ・エアラインズ(DAL)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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「トーム」は石油精製品を運ぶプロダクトタンカーの会社。
ジェット燃料の需要増加などにより、業績アップが期待できる!

 次に、少し奇抜なアイデアですが、トーム(ティッカーシンボル:TRMD)が面白いと思います。

 トームは、ジェット燃料や船舶燃料などを運ぶプロダクト・タンカーの会社です。「プロダクト」とは石油精製品のことで、「原油を精製した後の完成品」と考えておけばいいでしょう。

 新型コロナウイルス以降、航空会社の大幅減便が長期化したことでジェット燃料の消費が落ち込み、その輸送が途絶えました。それが、このところの実際に消費される石油製品よりずっと少ない量しか運搬されない状況を招き、石油製品の在庫がどんどん取り崩されている状況を生み出すとともに、在庫の偏在をもたらしました。

 最近になって突然、空の旅が活況となり、ジェット燃料の補給をしなければならなくなったので、今後、プロダクト・タンカーが忙しくなることが予想されます

 先進国では、住民の反対などで新規の精油所がつくられにくい状況です。そこで近年、産油国に新しく石油精製工場を建て、精製された最終製品をプロダクト・タンカーで消費地に運ぶというニーズが増えています。実際に先進国の精油所はどんどん閉鎖され、その代り、クウェートやガーナなどに巨大な精油所が新設されています。

 この関係で、これまでタンカーは精製前の原油を運ぶのが通例だったのですが、最近では精製品を運ぶことが増えてきています。

 さらに近年は、タンカーが排出する地球温暖化ガスを規制しようという動きがあり、旧式で環境基準をクリアできないタンカーはどんどんスクラップにされています。その一方で、タンカーの新造船の供給は過去最低となっています。これはタンカーの需給関係が引き締まることを意味します。

 こうした状況は、すべてトームにとって強い追い風となります。

⇒トーム(TRMD)の最新株価・チャートはこちら!

トーム(TRMD)チャート/日足・6カ月トーム(TRMD)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【今週のまとめ】
新型コロナウイルスの沈静化により復活した
米国の旺盛な旅行需要の恩恵を受ける銘柄を狙え!

 米国の消費者は、旅行に行きたくてウズウズしているため、新型コロナウイルスのデルタ変異株がようやく沈静化したことで、今年のサンクスギビングは空前の旅行ブームになると予想されています。

 その恩恵を期待できるデルタ・エアラインズトームの動向は、要注目です。
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