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新型コロナウイルスの南ア変異株「オミクロン株」の感染拡大で、
S&P500指数や日経平均株価など世界中の株式指数が急落!
先週の11月26日、新型コロナウイルスの南アフリカ変異株B.1.1.529「オミクロン株」に対する不安が世界の金融市場を駆け巡りました。その影響により、日経平均株価は前日比-2.53%、香港ハンセン指数は同-2.67%、英国FT100指数は同-3.64%、ドイツDAX指数は同-4.15%、米国のS&P500指数は同-2.27%という惨憺たる状況でした。
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オミクロン株は2週間前に始めて認識され、急速に感染が拡大していると見られる新型コロナウイルスの変異株で、欧州に到着した旅行者からも検出されています。このためアフリカ大陸だけではなく、すでに欧州や米国にも入り込んでいると考えるのが自然です。
オミクロン株の特徴は変異の箇所が多いという点で、デルタ株の変異が10カ所なのに対し、オミクロン株は50カ所とも言われています。しかも、そのうち30カ所は、現在使用されている新型コロナウイルス向けワクチンの主なターゲットである「スパイクたんぱく質」で観察されています。
「オミクロン株」は現行のワクチンで対応できる可能性も!
もし効かなくても、すぐにワクチンのバージョンアップは可能
ただ、変異が多いからといって、現行のワクチンが効かないとは限りません。現行のワクチンで十分、オミクロン株に対応可能かもしれません。
ワクチンの製造元であるファイザー(ティッカーシンボル:PFE)は、現在、自社のワクチンがオミクロン株に有効かどうかを調査中であり、2週間以内に結果を出すようです。もし、現行のワクチンに手直しが必要な場合でも、ファイザーは1カ月半でバージョンアップされたワクチンを完成させ、約3カ月で出荷できるとしています。
一方、ライバルのモデルナ(ティッカーシンボル:MRNA)も、必要に応じてワクチンをバージョンアップすることは可能だと発表しています。
両者が開発したmRNAに依拠したワクチンは、ちょうどソフトウェアをプログラミングするような形でデザインできるため、変異に対する対応がとても容易なのです。
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オミクロン株がアメリカや欧州で蔓延するのは、早くても来年の4月くらいだと予想されます。その頃にはオミクロン株に対応したワクチンも完成しているはずですので、慌てる必要はないでしょう。
3回目のワクチン接種を大急ぎで行う必要はあるものの、
「オミクロン株」への対抗手段はあるので必要以上に慌てない
次に「オミクロン株に罹った患者はどうなる?」という点ですが、従来の新型コロナウイルスより重篤になるという情報は今のところ報告されていません。症状についてはおそらく同程度だろうと言われています。
「オミクロン株のほうがデルタ株より伝染力が強いのか?」については、まだわかっていません。ただ、普通は変異の数が多くなると伝染スピードが弱まるため、オミクロン株の伝染力が特別強いと予想する根拠はないと思います。
より大きな問題は、これまでにファイザーやモデルナのワクチンを接種した人の多くが、接種からかれこれ6カ月を過ぎて効き目が落ちてきている点です。そこで、ブースターとして3回目の接種をすることが急務です。
一方、飲み薬のほうへ目を転じると、メルク(ティッカーシンボル:MRK)ならびにファイザーの新型コロナウイルス向け経口薬は、スパイク・プロテインに働きかけるのではなく、別の作用で症状を和らげます。したがって、オミクロン株のように多くの変異が認められる変異種だから効き目が薄まるということはないと思います。
つまり、慌てなくてもオミクロン株に対抗する手立てはあるということです。
債権利回りが急低下したことで株式の上昇余地が拡大!
今週中に「株式が見直される局面」が到来する可能性も
11月26日は、久しぶりに市場参加者が一目散にリスクオフ、すなわちリスク回避の行動を取りました。このため安全資産である債券が急騰し、債券利回りは急低下しています。
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債券利回りと株式バリュエーションはシーソーの関係にあると言えます。すなわち、債券利回りが急低下しているということは、株式は理論的にはもっと買われていいということです。
そのような理由から、今週のある時点で株式が見直される局面が到来すると予想されます。ましてや冒頭で説明したようにオミクロン株が大して脅威とはならない可能性も未だ残っており、リスク・リワード(損失と報酬のバランス)は、買い方に有利な構図になっていると思われます。
世界同時株安だからといって不必要に慌てることなく、冷静に相場にのぞみましょう。
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