半導体 最後の賭け#予告Photo:Yuichiro Chino/gettyimages,simonbradfield/gettyimages

日米半導体摩擦から40年。世界一の座から陥落した国内半導体産業に、千載一遇のチャンスが訪れている。敗者から一転、日本陣営が国際連携の鍵を握る主役に躍り出ているのだ。その枠組みの第1弾が、米国・台湾と連携する「国策半導体プロジェクト」である。いまや産業のコメから社会の頭脳となった半導体は、国家の安全保障を担保し、産業政策を切り開くために欠かせない“戦略物資”である。特集『半導体 最後の賭け』では、主要国・企業の猛者がうごめく半導体産業で、日本が再びプレゼンスを発揮するための課題に迫った。2月6日配信スタート、19回以上連載。

#1 2月6日(月)配信
ローム・東芝連合が主役!経産省が2300億円投下でパワー半導体7社に「再編強要」後の業界地図

半導体 最後の賭け#1写真提供:ローム

 日系が強いとされてきたパワー半導体メーカーがグローバル競争からの脱落危機に瀕している。次世代パワー半導体の商品化で欧米勢に劣後している上に、中国勢の追い上げも激しい。難局を打開するには、ローム、三菱電機、富士電機など7社が結集する必要があるが、再編は一向に進まなかった。業を煮やした経済産業省が打ち出したのが、対象を1件に絞った巨額の補助金だ。この補助金をきっかけに進む業界再編の構図を大予想する。

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#2 2月6日(月)配信
国策半導体会社ラピダス設立とTSMC誘致の舞台裏、暗躍した日米台「黒幕30人リスト」全公開

半導体 最後の賭け#2Photo:123RF

 日本勢の復権に向けた「国策半導体プロジェクト」が本格始動した。台湾積体電路製造(TSMC)の国内進出に続き、世界最先端の半導体の国産化を目指す新会社ラピダスが発足。日本の半導体政策の “逆襲”が始まった。その舞台裏を探ると、政治家、官僚、学界、産業界のキーマンの存在が浮かび上がった。舞台裏で暗躍した日米台のキーマン30人を全公開する。

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#3 2月7日(火)配信
三菱、東芝、日立のパワー半導体事業に「3つの凋落危機」!中国企業が前年比2倍成長で猛追

半導体 最後の賭け#3Photo:Bloomberg/gettyimages

 国内のパワー半導体産業は、日本のお家芸である自動車やロボットなどの部品として使われ、高い世界シェアを誇ってきた。だが、三菱電機や東芝といった日系パワー半導体メーカーに三つの凋落危機が迫っている。半導体メーカーが抱える価格競争力の低下や新技術の出遅れといったリスク要因に迫る。

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#4 2月7日(火)配信
国策半導体会社ラピダスに出資者のソニーやトヨタより強い影響力を持つ米巨大企業の思惑

半導体 最後の賭け#4Photo:David Wall/gettyimages

 日本を代表する8社が出資し、世界最先端の半導体の国産化を目指す国策会社ラピダスが始動した。30年までに5兆円を要する巨大プロジェクトの成否は、半導体を使う”顧客”を確保できるかどうかにかかっている。出資者以上に影響力を持つ顧客企業の正体を明らかにしつつ、日米韓台の経済安全保障の構図からラピダスの先行きを展望する。

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#5 2月8日(水)配信
「半導体10兆円投資を完遂する!」経済安保のドン・甘利明氏、予算獲得に鼻息

半導体 最後の賭け#5Photo by Masato Kato

 政府・自民党は、戦略物資としての半導体の重要性を踏まえ、米IBMと提携して先端半導体の製造を目指すラピダスの創設を強力に後押しした。キーマンである自民党の甘利明・半導体戦略推進議員連盟会長に今後の課題などを聞いた。

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#6 2月8日(水)配信
ソニー半導体1兆円超え投資の全貌、ホンダ合弁EVは「アップル依存解消」の鍵となるか

半導体 最後の賭け#6Photo:Construction Photography/Avalon/gettyimages

 スマートフォンのカメラやデジタルカメラに用いられるイメージセンサーで世界シェアトップをひた走るソニーグループ。イメージセンサーの需要は一段と拡大しており、ソニーが今のペースで増産を続けていけば、次期中期計画の3年間(2024~26年)で設備投資額が1兆円を突破するのは確実な情勢だ。ところが、米アップルに依存した現状のビジネスモデルは危険をはらんでいる。本記事では、各種データや関係者の話から見えてきた「アップル依存」解消の鍵に迫る。ソニーが手を組むホンダは、ソニーのイメージセンサー事業“第二の柱”となれるのだろうか?

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#7 2月9日(木)配信
国策半導体会社ラピダスの最先端工場に経産省が3000億円投下へ、東北・中部など3候補地浮上

半導体 最後の賭け#7Photo by Reiji Murai

 世界最先端の半導体の国産化を目指す国策会社ラピダス。その量産工場を建設する立地の選定作業が大詰めを迎えている。2023年度内に試作ラインの用地を確保し、それと同じ場所に27年稼働予定の量産工場を建設する予定だ。経済産業省は、立地コストから初期の設備投資を含めて3000億円規模の補助金を投下する方向で調整に入った。本稿では、巨額の国費が投じられるラピダスの生産拠点の立地候補を大胆に推測する。有力視されているのは3つの候補地だ。

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#8 2月9日(木)配信
韓国サムスンとSKが日米台半導体共闘「仲間外れ」に焦り!窮余の策はキオクシア買収提案

半導体 最後の賭け#8Photo:NurPhoto/gettyimages

 日米台が半導体の国際連携強化を一気に進めたことで、割を食った国がある。韓国だ。国際的な枠組みから脱落しかねない状況に焦燥感を深めた韓国陣営は、なりふり構わぬ方策に打って出ようとしている。その一つが、東芝からメモリー事業を分社してできたキオクシアホールディングスへの買収提案である。韓国半導体メーカーがキオクシア争奪戦で繰り出す衝撃の一手を、メモリー業界の再編図と共に予想する。

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#9 2月10日(金)配信
キヤノンとニコンで明暗!半導体製造装置「世界一強」の蘭ASMLに挑む策で差がついた理由

半導体 最後の賭け#9Photo:PIXTA

 半導体の製造には、電子回路パターンをウエハーに焼き付ける露光装置が不可欠だ。現在、この半導体露光装置市場はオランダのASMLホールディングの独壇場となっており、とりわけ最先端のEUV(極端紫外線)露光装置ではシェア100%を誇る。ところがここにきて、かつて業界をけん引した日本勢が反撃に出ようとしている。キヤノンとニコンが、それぞれ独自の路線に光明を見いだしているのだ。最先端装置を持たないキヤノンとニコンの“勝ち筋”を解説するとともに、各社に忍び寄る地政学リスクに迫る。

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#10 2月10日(金)配信
日立、富士通、ルネサスが国策半導体会社ラピダスから距離を置いた理由

半導体 最後の賭け#10Photo:Bloomberg/gettyimages

 いよいよ日本の半導体再興を目指す国策会社、ラピダスが始動した。出資者には、トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど日本を代表する企業8社が名を連ねる。それでも、要請があったにもかかわらず出資を見合わせた企業や、そもそも声が掛からなかった企業もある。本稿では、日立製作所、富士通、ルネサスエレクトロニクスなどの企業が国策プロジェクトと距離を置いた理由を明らかにする。

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#11 2月11日(土)配信
国策半導体会社ラピダス首脳作成「トップ技術者100人リスト」の中身と業界の給与・転職事情

半導体 最後の賭け#11Photo:Mario Tama/gettyimages

 1980年代、世界市場の過半のシェアを握り、栄華を極めた日本の半導体。だがその後、日本陣営は凋落し、半導体の技術者たちは、リストラされたり、人によっては5000万円もの年収を提示されて外資企業に転職したりして散り散りになった。半導体の再興を目指す国策会社であるラピダスは、採用予定の日本のトップ技術者が並ぶ「100人リスト」を作成し、エンジニアの再結集を目指しているが、可能なのか。半導体技術者の転職事情や外資メーカーとの給与格差などを明らかにする。

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#12 2月14日(火)配信
トヨタ、ソニーに国内で最先端半導体「量産」が必須な理由、国策半導体会社ラピダス会長激白

半導体 最後の賭け#12Photo by M.K.

 日本の半導体復活の切り札として、最先端半導体の国産化を目指すラピダス。その設立に奔走した会長の東哲郎氏に、巨額の国家予算を投じて半導体メーカーを日本に立ち上げる理由について聞いた。

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#13 2月15日(水)配信
半導体・部品「市場減速でも生き残る142社」ランキング!4位ソニー、2位は東エレク、1位は?

半導体 最後の賭け#13Photo:Yuichiro Chino/gettyimages,simonbradfield/gettyimages

 我が世の春を謳歌してきた半導体産業に陰りが見え始めている。2023年の半導体市況が4年ぶりのマイナス成長となることに加えて、米国による対中規制の強化が半導体製造装置・部材メーカーの業績悪化要因となりつつあるからだ。市場減速でも生き残る余力のある半導体・電子部品メーカーはどの企業なのか。七つの独自指標を用いて「生き残り力ランキング142社」を作成し、お宝企業を発掘した。

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#14 2月16日(木)配信
トヨタとデンソーが米テスラに勝つ秘策とは?国策半導体会社ラピダス社長「20年計画」の全貌

半導体 最後の賭け#14Photo by M.K.

 米IBMの技術供与で最先端半導体の国産化を目指すラピダスは難航必至のプロジェクトだ。それでも小池淳義社長はビジネスの成功に自信を示す。根拠とするのが「ラピダス20年計画」。その戦略を聞いた。

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#15 2月17日(金)配信
ホンダとトヨタ「半導体買い負け」解消せず!4年ぶり市場縮小でも日系が苦戦する3つの理由

半導体 最後の賭け#15Photo:123RF

 2023年の世界の半導体市場は4年ぶりに縮小する見通しだ。それにもかかわらず、ホンダやトヨタ自動車ら自動車メーカーの半導体不足が正常化する兆しが見えない。日系自動車メーカーがそろって苦戦しているのはなぜなのか。海外メーカーに比べて日系メーカーが買い負ける「三つの理由」を解き明かす。

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#16 2月18日(土)配信
年収増加率が高い半導体・電子部品企業ランキング【全50社】4位レーザーテック、1位は?

半導体 最後の賭け#16Photo:sorbetto/gettyimages

 世界一の座から陥落した国内半導体産業に、千載一遇のチャンスが訪れている。敗者から一転、日本陣営が国際連携の鍵を握る立場に躍り出ているのだ。それでは、日本の半導体・電子部品業界に従事する人材の年収の実態はどうなっているのか。海外メーカーとの人材争奪戦で勝てるレベルにまで年収は上がっているのか。半導体関連企業を対象にした「年収の増加率ランキング」を大公開する。

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#17 2月19日(日)配信
日本と桁違い!海外半導体企業の売上高ランキング【全30社】4位インテル、3位TSMC、1位は?

半導体 最後の賭け#17Photo:Bloomberg/gettyimages

 与党・自民党は半導体産業に10兆円を投下する目安を示した。国内半導体産業が復権するための原資を国費に依存せざるを得ない状況なのだ。それでは、日本勢を迎え撃つ海外の半導体関連企業の実力はどの程度なのか。半導体事業を展開する世界の主要企業の「売上高ランキング30」を公開するとともに、設備投資額と研究開発費のデータも明らかにした。海外企業の旺盛な投資意欲をまざまざと見せつけられる結果が炙り出された。

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#18 2月21日(火)配信
4500億円の半導体工場補助金、TSMC熊本に続く「投下先」は?有力3工場を大予想!

半導体 最後の賭け#18Photo:REUTERS/AFLO

 日本政府は2023年度以降も国内の半導体工場に巨額の補助金を投入する見通しだ。すでに22年内に、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場を筆頭に、キオクシアホールディングスの四日市工場、米マイクロン・テクノロジーの広島工場の3カ所を対象に総額6170億円の投下を決めた。さらに政府は、追加で補助金4500億円を積み増しており、国内半導体工場の増産に向けて設備投資を一段と加速させている。TSMCに続く巨額支援の「投下先」を予想する。

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#19 2月23日(木)配信
半導体復活「10兆円投資でもまだ足りない!」自民半導体議連の参謀が血税投下の根拠を激白

半導体 最後の賭け#19Photo by M.K.

 台湾積体電路製造(TSMC)の国内誘致に続き、世界最先端の半導体の国産化を目指すラピダスの設立という経済産業省の半導体戦略を後押ししたのは政治の力だ。自民党の半導体戦略推進議員連盟の事務局長を務める関芳弘衆議院議員に聞いた。

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番外編 2月24日(金)配信
ソニーTSMC熊本半導体工場で台湾人と日本人に待遇格差、日本は「安い工場」に成り下がった

半導体 最後の賭け#番外編写真:読売新聞/アフロ

 台湾積体電路製造(TSMC)の国内誘致が決まり、量産工場が新設される熊本県や周辺の九州エリアは久方ぶりの活況に沸き立っている。だが、地元の熊本県ではその活況を手放しでは喜べない事態になっている。TSMCの日本上陸が国内人材市場に大きなネガティブインパクトを与えつつあるからだ。日本の半導体人材が抱える「二つの重大懸念」を解き明かす。

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Key Visual by Noriyo Shinoda