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日米の株式市場で「底打ち機運」が高まるものの、
一時的な上昇のあとに下落する「ブルトラップ」の可能性も!
日米の株式市場で「底打ち機運」が高まりつつあります。
まず米国では、5月27日のNYダウが6日続伸し、前日比575.77ドル高の3万3212.96ドル、週間では9週ぶりに上昇しました。また、ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同390.481ポイント高の1万2131.131ポイントでした。こちらは、週間では8週ぶりの上昇でした。
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4月のPCE物価指数において、変動が激しい食品とエネルギーを除く「コア指数」が前年同月比4.9%上昇と、前月の5.2%上昇から伸びが鈍化したことで、市場ではインフレがピークアウトしたとの見方が強まりました。これを受け、米国10年債利回りが前日比0.01%低い2.74%で終えるなど、長期金利の上昇に一服感が出ました。この結果、株式が買われたのです。
一方、5月31日の日経平均株価は、前日末比89.63円(0.33%)安の2万7279.80円でした。
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テクニカル的に見れば、5日移動平均線(31日時点で2万6942.71円)、25日移動平均線(同2万6704.21円)、75日移動平均線(同2万6800.56円)、100日移動平均線(同2万7072.10円)を上回っています。一方、200日移動平均線(同2万7942.71円)は下回っています。
基本的に、日経平均株価が200日移動平均線も上回り、かつ、25日・75日・100日・200日移動平均線が上から順番に並ぶ「パーフェクトオーダー」が実現するまでは、中長期の上昇トレンドへの回帰は確認できません。よって、現在の「底入れ」は、ショートカバー(売り方の買い戻し)で相場が反発するとの安心感から新規の買いは入るものの、その後は再び下落する「ブルトラップ(強気のワナ)」の可能性が高いと見ています。
なお、現時点での戻りメドは、4月21日の高値2万7580.64円、200日移動平均線、そして、3月25日の高値2万8338.81円あたりを想定しています。
このような状況下、目先は日米ともに「リターン・リバーサル効果」が発揮されることになると見ています。「リターン・リバーサル効果」とは、これまでパフォーマンスの低かった株式が一転して高いパフォーマンスを出すようになり、反対に、パフォーマンスが高かった株式が低いパフォーマンスになってしまう現象のことです。
つまり、これまでパフォーマンスの悪かったグロース株が高パフォーマンスを叩き出し、パフォーマンスの良かったバリュー株のパフォーマンスが低下することになると見ています。
「国民皆歯科健診」のニュースで「歯科関連」が盛り上がるなど、
足元の東京株式市場では材料株の短期的な物色が活発化!
話変わって、足元の東京株式市場では、材料株の物色が活発化しています。例えば、5月30日には、「歯科関連」「バイオ関連」「ゲーム関連」の一角が賑わいました。
政府が6月上旬にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に、全国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入に向けた検討を始める方針が明記されることが、5月29日の産経新聞で報じられました。歯の健康を維持することで他の病気の誘発も抑え、医療費全体を抑制する狙いで、政府・自民党では2025年頃の導入を目指すとのことです。
このニュースを受け、5月30日の株式市場では、歯科関連銘柄が値を飛ばしました。具体的には、「歯医者さんネット」や「インプラントネット」「矯正歯科ネット」など、インターネットを活用したサービスを提供しているメディカルネット(3645)が、前週末比76円(18.31%)高の491円に上昇。また、デンタルケア製品の開発・製造・販売を中心にさまざまな事業を展開している歯愛メディカル(3540)は、同510円(9.71%)高の5760円に。さらに、歯科統合電子カルテシステムの開発・販売メーカーの東和ハイシステム(4172)は、同187円(9.70%)高の2115円に上昇しました。
また、「バイオ関連」としては医薬品開発などを行うメディネット(2370)が、5月23日に「自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の自社加工技術を確立」、24日に「第三者割当による第18回新株予約権(行使価額修正条項付)の大量行使に関するお知らせ」、27日に「岡山大学と共同研究中のMUSCAT-assayに関する論文が掲載されました」、30日に「Ocugen社が自家細胞培養軟骨『NeoCart』に関して米国食品医薬品局(FDA)より再生医療先端治療(RMAT)指定を受けたことを発表」、そして「第三者割当による第18回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況及び行使完了に関するお知らせ」などのリリースを次々と出したことで、出来高が5月23日の46万6500株から24日には2884万1100株に急増し、株価も5月23日の終値49円が5月30日には95円まで上昇しました。
そして「ゲーム関連」では、オンラインゲーム事業を展開するガーラ(4777)が5月19日、「HTML5ゲーム『Flyff Universe (フリフユニバース)』東南アジアにおけるサービス提供開始のお知らせ」の発表を機に人気化しました。「Flyff Universe」は、今後Play To Earn(P2E:ブロックチェーン技術を活用し、ゲームをプレイすることで暗号資産を稼ぐこともできる)機能を実装し、NFTゲーム/ブロックチェーンゲームとしてサービス提供を予定しているとのことです。このニュースが好感され、ガーラは来高が5月18日の27万9700株から19日には420万700株に急増し、株価も5月18日終値201円が5月30日には一時377円まで買われました。
さらに、日本経済新聞が5月27日に「クラスターテクノロジー、植物由来でエンプラの代替材」と報じたことをきっかけに、クラスターテクノロジー(4240)は5月27日、30日の2営業日連続のストップ高買い気配で取引を終えました。ヒマシ油からつくったポリアミドに竹炭を加えることで、ほぼ完全な植物由来ながら耐摩耗性が高く、ギアやベアリングなどに使えるバイオマス素材を開発したとのことです。
リスクの高い「材料株の短期売買」が向いてない人は、
「値動き良好な銘柄のスイングトレード」がおすすめ
基本的に、この手の急騰銘柄を弄るのは、信用取引を活発に活用し、短期回転売買を好む「マネゲ(マネーゲーム)大好きスペキュレーター(投機筋)」と思われます。ここ最近までの東京株式市場では、多くのスイングトレーダーが大苦戦していた一方で、デイトレーダーの達人は勝ちまくっていたようです。主要な株価指数が中長期の下落トレンドを継続している間は、このような材料株の回転売買で日銭を稼ぐことも考えていかないといけないのでしょう。
ちなみに、この手の材料株にスペキュレーター達が集合するお祭りは、ほぼ毎日開催されています。お祭りに参加するには、前日の夜に値上がり率上位のなかで時価総額の小さい銘柄をチェックしておき、当日の朝も新聞やニュースに加え、証券会社のレーティング情報などを確認して、「今日のお祭り会場はどこか?」を寄り付き前に想定しておきましょう。
ただし、ロスカットができない方、また、取引時間中の株価をずっと監視できない方は、リスクが大きすぎるので「マネゲ」をやるべきではありません。なぜなら、急騰銘柄は、あっという間に急落することが多々あるからです。やれば短時間でボロ儲けできる可能性は高い一方で、短時間で大きな損失を被るリスクも同程度あることを覚悟しないといけません。
ですので、「マネゲ」ができない、または、したくない方は、足元で年初来高値を更新している銘柄群(値動きの良好な銘柄群)の中から、比較的ボラティリティの小さいものを選んで、スイングトレードすることをおすすめします。
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