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5月16日に提示された「骨太の方針」の骨子案では、
「人」「DX」などの5つが計画的な重点投資として挙げられる
政府は5月16日の経済財政諮問会議で、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」の骨子案を提示しました。6月上旬の閣議決定を目指しているそうです。
「骨太の方針」では、計画的な重点投資として、以下の5つが挙げられています。
○「人」への投資
○「科学技術・イノベーション」への投資
○「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への投資
○「スタートアップ」への投資
○「グリーントランスフォーメーション(GX)」への投資
しかし、これらの5つを投資テーマへの広がりとして見ると、実際のところ目新しさは感じられません。
「人」への投資からは「IT人材」や「リカレント教育」「NISAの拡充」などの投資テーマが考えられますし、「科学技術・イノベーション」への投資からは「人工知能(AI)」「バイオ技術」などが連想できます。また、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への投資は「5G」など、「スタートアップ」への投資は若い人への起業支援や資金調達のための「規制緩和」など、「グリーントランスフォーメーション(GX)」への投資は「再生可能エネルギー」や「脱炭素ガス」「カーボンニュートラル」などが関連銘柄となりますが、いずれもこれまで何度か物色が行われてきた分野となります。
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「骨太の方針」で「国民皆歯科検診」の導入が取り上げられることで、
「デンタル」関連が重要な投資テーマとして注目を集める!
そんななか、今回の「骨太の方針」に関わる投資テーマとして注目したいのは「デンタル」関連です。
5月30日、政府は、すべての国民に毎年の歯科検診を義務づける「国民皆歯科検診」の実現に向け、具体的な検討を進める方針であることを各メディアが一斉に報じました。政府関係者によると、「骨太の方針」に「国民皆歯科検診」の導入に向けた検討の実施が盛り込まれるとのことです。
「国民皆歯科検診」は、歯の健康を維持することで他の病気の誘発を防止し、「医療費抑制」という日本の大きな課題の解決に繋げることを目的にしています。
厚生労働省では、「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」という「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動を1989年から進めています。歯周病の悪化はほかの病気につながる可能性が指摘されており、歯周病を予防することは、誤嚥性肺炎や糖尿病、心臓病、脳梗塞、早産といった病気予防にもつながると言われています。
なお、政府の「骨太の方針」には、これまでにも「生涯にわたって歯科検診を強化すべき」という内容が盛り込まれていましたが、今回、新たに「国民皆歯科検診」という表現になったことで、実現に向けて、より一歩踏み込んだ格好と言えるでしょう。
ちなみに、現在は1歳半、3歳半、学校に通う子ども(大学を除く)に対して、歯科検診の実施が義務付けられています。一方、大人に関しては、40歳から70歳を対象に10年に1度の歯周病の検診を行っている自治体もありますが、義務化されてはいないようです。
こうした「国民皆歯科検診」の実現に向けた流れを背景に、今回は「デンタル」の関連銘柄に注目しました。関連銘柄の数はそれ程多くはないので、「デンタル」関連として押さえておくべき中心的な銘柄を紹介したいと思います。
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【ローランド ディー.ジー.(6789)】歯科用のミリングマシンや3Dプリンターを手掛ける
ローランド ディー.ジー.(6789)は、業務用インクジェットプリンターやカッティングマシンを主力事業とする企業で、デンタル分野では、歯の詰め物や被せ物を削り出す装置である歯科用ミリングマシンや歯科用3Dプリンタなどを手掛けています。株価は5月13日にマドを空けて急落。しかし、その後は緩やかなリバウンドを見せ、足元で25日・75日移動平均線を突破してきたので、上昇トレンドへの転換に期待したいところです。
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【歯愛メディカル(3540)】
歯ブラシ販売本数や歯科通販売上高がトップクラス!
歯愛メディカル(3540)は、デンタルケア製品の開発・製造・販売を中心に事業を展開しています。全国およそ6万軒の歯科医院に製品を納品しており、歯ブラシ販売本数や歯科通販売上高ではトップクラスの数字を誇っています。株価は、5月30日に強い上昇を見せて年初来高値を更新。そのため過熱感も警戒されるので、押し目狙いがおすすめです。上値メドとしては、2021年7月の高値水準である7700〜7800円辺りが意識されます。
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【ナカニシ(7716)】
「超高速回転技術」を強みに、広範な歯科治療機器を手掛ける
ナカニシ(7716)は、「超高速回転技術」に強みを持つ企業で、歯科治療用ドリルやインプラント用機器など、広範な歯科治療機器の開発・製造・販売を行っています。また、この技術を応用し、一般産業分野や外科医療分野へと事業領域を拡大しています。株価は、足元で強いトレンドを見せており、短期的には過熱感が警戒されます。しかし、2021年11月の高値2699円に接近してきており、ここを突破して来るようだと、さらなる株価上昇が期待できます。
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【マニー(7730)】
歯科用の根管治療機器や研削・研磨機器、針付縫合糸などを扱う
マニー(7730)は、医科と歯科の医療機器メーカーで、歯科用治療機器としては根管治療機器や研削・研磨機器、針付縫合糸などを扱っています。また、その他に、外科用や眼科用の治療機器も手掛けています。株価は長らく下落トレンドが継続していますが、足元で13週移動平均線を突破し、リバウンドの兆しを見せています。このまま26週移動平均線を捉えてくるようだと、中長期の上昇トレンドへの転換が見込めます。
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【松風(7979)】
歯科材料・機器を創立以来の中核事業に
松風(7979)は、歯科材料および歯科用機器の製造・販売を手掛けています。人工歯や研削材、化工品、セメント、金属、機械器具などの歯科材料・機器が、創立以来の中核事業です。株価は長らく弱いトレンドが続いていましたが、5月12日につけた安値1429円を底に足元でリバウンドの動きを見せています。13週移動平均線を突破し、26週移動平均線に接近しているため、ここから上昇トレンドが一段と強まる展開が期待できます。
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【メディカルネット(3645)】
歯科分野に特化したポータルサイト運営や経営支援
メディカルネット(3645)は、「歯医者さんネット」や「インプラントネット」「矯正歯科ネット」など、歯科治療に関わる情報を提供するポータルサイトを運営。インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻くすべての需要に対して課題解決を行っています。株価は直近で乱高下を見せ、一時は4月の高値569円に接近する場面も見られました。値動きの荒さが警戒されますが、この乱高下によって需給整理が一気に進んだと見られますので、押し目狙いのスタンスで再度の上昇に期待したいところです。
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以上、今回は「デンタル」関連の中心的な銘柄を紹介しました。
6月上旬にまとめられる「骨太の方針」に「国民皆歯科検診」が明記されることで、「デンタル」関連への注目が高まることは十分に考えられます。ただ、「デンタル」関連は、これまで目立った物色がなかった投資テーマのため、株価上昇が期待できる一方、流動性の問題から出来高が細ってくると活発な売買ができなくなり、次第に物色意欲が後退してくる可能性もあります。そのため売買の際には、株価の動きだけではなく、出来高の変化も注意して見ておきましょう。
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