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米国ではインフレ期待が低下するものの賃金と雇用が好調なため、
当面、FRBによる強烈な金融引き締めが継続される見通し
12月12日に発表されたNY連銀の調査によれば、11月の米・家計消費支出の1年先のインフレ期待は5.2%と、2021年8月以来の水準に低下しました。10月調査の5.9%から低下し、低下幅は2013年の調査開始以来、最大でした。また、12月9日発表の米・ミシガン大学の12月調査では、1年先のインフレ期待は4.6%と前月の4.9%から低下し、15カ月ぶりの低水準となりました。
インフレ期待の低下は、ガソリン価格、食料品価格、住宅価格など、多様な商品・サービスの値上がり幅の縮小が予想されている結果で、当然これは、FRBの強烈な金融引き締めの効果です。
一方で、前述のNY連銀の調査では、世帯収入の伸び率予想は4.5%との見方が示され、前月の4.3%から上昇し、過去最高となりました。このように、消費者が雇用と将来の収入について楽観的な見方を続けているため、これが悲観に傾くまではFRBの強烈な金融引き締めが続く見通しです。
実際、12月2日に発表された11月の米・雇用統計では、平均時給が前月比0.6%増と市場予想の0.3%増を上回り、今年1月以来の大きな伸びを示しました。また、非農業部門雇用者数も26万3000人増と、市場予想の20万人増を上回る増加となりました。そのため、FRBはインフレを完全に封じ込めるために雇用悪化に全力投球することでしょう。
日本時間12月13日早朝のパウエルFRB議長会見により、
「クリスマスラリー」がスタートする展開に期待!
現地時間12月13日〜14日開催のFOMCに関しては、日本時間の15日の午前4時に結果が公表される予定です。利上げ幅は0.5%が市場のコンセンサスですが、今回は利上げ幅よりもドットチャートやパウエルFRB議長の記者会見の発言内容に市場の関心が集中しています。
ドットチャートについては、2023年末の政策金利予想の中央値が9月時点の4.6%から5%超に上方修正される見通しです。ですが、5%程度までの上方修正は、市場はほぼ織り込み済みでしょう。その一方で、議長の記者会見での発言内容が金融引き締めの長期化を強く意識させるタカ派的なものとなれば、リスク資産である株式の売り材料になり得ます。逆に、ハト派とは言わないまでも従来の発言を踏襲するならば、市場は買い材料ととらえる見通しです。
ただし、12月8日の米国株式市場の良好な値動きを見る限り、どうやら市場はそれまでの下落で「FOMC後もFRBがタカ派姿勢を維持すること」をほぼ織り込んだとも考えられるので、たとえ記者会見がタカ派的なものになっても株価の下落は限定的になるのではと期待しています。
ちなみに、12月8日のNYダウは続伸し、前日比183.56ドル(0.55%)高の3万3781.48ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は5日ぶりに反発し、同123.45ポイント(1.13%)高の1万1082.00ポイントとなりました。
また、週明け12月12日のNYダウは反発し、前週末比528.58ドル(1.58%)高の3万4005.04ドル。ナスダック総合株価指数も反発し、同139.12ポイント(1.26%)高の1万1143.738ポイントでした。12月13日の11月の米・CPIや14日のFOMCの結果発表といった重要イベントを直前に控えているにもかかわらず、12日も非常に強い動きとなっています。
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今後に関するベストシナリオは、パウエルFRB議長の記者会見をきっかけに、クリスマスラリー(サンタクロースラリー:クリスマスに向けての株価上昇)が開始されるという展開です。
日経平均株価は「ベアマーケットラリー」が継続中なので、
200日移動平均線を割るまでは「押し目買い・噴き値売り」がおすすめ
一方、日本株ついてですが、12月13日の日経平均株価は前日比112.52円(0.40%)高の2万7954.85円でした。5日移動平均線(13日時点で2万7791.80円)、25日移動平均線(同2万7946.64円)、75日移動平均線(同2万7551.73円)、100日移動平均線(同2万7695.63円)、200日移動平均線(同2万7224.65円)をすべて上回っています。12日まで25日移動平均線だけは割り込んでいましたが、短期・中期・長期のチャートは崩れていないと認識しています。
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今後、私が弱気に転じるとしたら、日経平均株価が200日移動平均線を割り込むケースです。それまでは、日本でも「ベアマーケットラリー(下落相場における上昇局面)」が継続すると見ています。よって「押し目買い・噴き値売り」での市場参加を推奨します。
12月5日に突如発生した「エニカラショック」により、
小型グロース株をメインに取引する個人投資家の懐具合が大幅に悪化
ただし、個人投資家の関与率の高い小型グロース株には注意が必要です。というのは、12月5日に「エニカラショック(ANYCOLORショック)」が発生したからです。
これは12月2日、SBI証券のホームページに、2022年6月にIPO(新規上場)したばかりのANYCOLOR(5032)の「立会外トレード」のスケジュールが掲載されたことがきっかけでした。実施予定日はロックアップ(IPO後、大株主が株式を売却できない期間)が解除される12月5日、取引価格は2日の東証終値の1万520円から5%安い9994円で、株数は100万株と発行済み株数の3%強に相当する大規模なものでした。ロックアップの解除早々に100万株もの大量の株式が売りに出されることは、多くの個人にとってまさに「青天の霹靂」でした。
当然のことながら、ANYCOLORは需給悪化の懸念から急落し、12月5日は前日比1840円安の8680円で取引を終えました。その後も軟調に推移し、8日には一時7250円まで下落する場面もありました。「立会外トレード」の取引価格の9994円から2744円(27.46%)も下落したのです。
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ご存じのように、ANYCOLORは最も人気の高いグロース株の一つです。この人気株が急落に見舞われたので、12月5日は、他の人気株やANYCOLORと同じような直近IPO銘柄も容赦ない換金売りを浴びました。なお、13日のANYCOLOR株の終値は7620円と下げ止まりつつあります。ですが「エニカラショック」で、小型グロース株をメインに信用取引している個人の手の内は大幅に悪化したと推察されます。
クリスマス明けの12月26日~28日辺りに押し目買いを行い、
それを保有したまま年を越す戦略がおすすめ!
また、12月13日のproperty technologies(5527)を皮切りに、29日のスマサポ(9342)までわずか13営業日で25社ものIPOが予定されています。非常に高い確率で、投機マネーはパチンコで言うところの「新台」に集中する見通しです。「新台」は需給面で「シコリ」がないから人気化するのです。
その一方で、全体相場は「ベアマーケット(下落相場)」です。このため、新規の資金が市場に流入する可能性は低いので、信用取引をメインに行う多くの個人投資家は、値動きの鈍い買い建玉や代用有価証券をぶん投げて「新台」の購入資金の確保に走ることでしょう。また、今月は次から次へと「新台」が出てくるので資金が分散され、どれもこれも非常に激しい値動きになることが見込まれます。
よって、腕に覚えがある方はともかく腕に自信がない方には、ハイボラ(値動きの激しい)の「新台」はいじらず、2022年の年末の権利付き最終日である12月28日を意識したうえで、クリスマス明けの12月26日~28日辺りで押し目買いを行い、それを枕に年を越す戦略をおすすめします。
なぜならば、12月28日を過ぎれば「節税売り」や「IPO購入資金捻出のための売り」が出てこないからです。「需給が悪い最終局面で買い出動して、需給好転後の値上がりを狙う」という戦略です。
ベアマーケットでは、可能な限り、リスクを抑えて儲けることに集中することを推奨します。頑張って「波乱の師走相場」を無事に乗り切ってください。応援しています。
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