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「デジタル活用」や「地域防災力の向上」などを新たに盛り込んだ
「国土強靭化基本計画」の改定を7月28日に閣議決定!
政府は7月28日、災害に強い国づくりの指針となる「国土強靭化基本計画」の改定を閣議決定しました。今回の改定は、線状降水帯をスーパーコンピューターで予測するなど、デジタル技術の活用を盛り込んでいることが特徴です。
「国土強靭化基本計画」では、「5本柱(基本的な方針)」として以下の5つを定めています。
■国土強靱化を推進する上での基本的な方針(5本柱)
(1)国民の生命と財産を守る防災インフラの整備・管理
(2)経済発展の基盤となる交通・通信・エネルギーなどライフラインの強靱化
(3)デジタルなど新技術の活用による国土強靱化施策の高度化
(4)災害時における事業継続性確保を始めとした官民連携の強化
(5)地域における防災力の一層の強化
このうち(3)と(5)が今回新たに加えられた方針になります。(3)は、デジタル技術を含めて積極的に新技術を活用することで、災害対応力の向上など国土強靱化施策の高度化を図る方針です。また(5)については、地域の特性に応じて、国民一人ひとりの多様性を踏まえた地域コミュニティの強靱化など、地域防災力の向上を図るとしています。
さらに、デジタル技術活用の具体案としては、都市を仮想空間に再現して事前に被害を予測する「防災デジタルツイン」や防災情報の収集・分析・共有を行う「防災デジタルプラットフォーム」などの「防災DX」、マイナンバーカードを活用した避難所の運営、被災現場でのロボット・ドローン・AIなどの活用、災害防止や復興現場におけるICT施工、災害防止を目的とした遠隔監視などを挙げています。
「国土強靭化基本計画」における「デジタル活用」を踏まえ、
「防災DX」関連のなかから「防災学習」や「被災予測」などに注目!
国土強靭化においては、大規模地震や集中豪雨などの発生のたびに甚大な被害を受け、その都度、復旧・復興を図るといった「事後対策」の繰り返しを避けることが必要となります。それには平時から大規模自然災害などに対する備えを行うことが重要なため、今回の「国土強靭化基本計画」の改定をきっかけとして関連企業への注目度が高まることが期待できます。
そこで、今回の「国土強靭化基本計画」の改定におけるデジタル活用を受け、「防災DX」関連銘柄に注目しました。特に、リスクに備えるという視点から「防災DX」関連のなかでも「防災学習」や「被災予測」「計測・情報収集」といった分野にフォーカスしました。
具体的な銘柄としては、デジタル庁の「防災DXサービスマップ」を参考に、関連サービスを提供する企業のなかから株価が上向きの銘柄を中心に選びました。
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⇒「国土強靭化」で必要な“水害対策・治水”の関連銘柄を紹介! 国策テーマの「国土強靭化」では、ゼネコンよりも、受注増が業績に直結する中小型銘柄を狙え!
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<防災学習>
【オリエンタルコンサルタンツホールディングス(2498)】
災害リスクを可視化できる「動く3Dハザードマップ」を提供
オリエンタルコンサルタンツホールディングス(2498)は、「災害が発生した場合に街がどのように変化するのか」「自分自身にどのような被害が想定されるのか」といったイメージを促し、リスクコミュニケーションを推進する「動く3Dハザードマップ~ファーストパーソンビュー(一人称視点)で災害リスクの「我がこと化」~」を提供しています。株価は5月以降、上昇トレンドが強まり、上向きで推移する13週移動平均線が下値支持線として機能しています。8月1日に3270円まで急伸した後は売りに押されたので、押し目狙いのスタンスになりそうです。長期的なターゲットとしては、2021年12月の高値3595円が意識されます。
⇒オリエンタルコンサルタンツホールディングス(2498)の最新の株価はこちら!
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<被災予測>
【構造計画研究所(4748)】
河川水位を15時間先まで予測する「RiverCast」を手掛ける
構造計画研究所(4748)は、15時間先までの河川の水位をリアルタイムに予測するクラウドシステム「RiverCast」を手掛けています。豪雨時に「いつ、どこで、どのくらい危険が迫っているのか」を見える化することで、避難するべきかどうかなどの意思決定を支援します。株価は強いトレンドが続いていて過熱感が警戒されますが、中長期的には2019年12月の高値3875円が射程に入っています。
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<計測・情報収集>
【ミライト・ワン(1417)】
リアルタイムで冠水を検知する「冠水センサ」を販売
ミライト・ワン(1417)は、洪水や河川の氾濫の発生を検知し、リアルタイムに通知するサービス「冠水センサ」を提供しています。「冠水センサ」は電源が不要なうえ、無線通信を利用しているため、簡単に設置できて冠水をリアルタイムで把握できるとして、床上浸水などによる被害を低減できます。株価は、上向きに推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成。目先的には、2022年4月以来となる2000円が意識されますが、この水準をクリアしてくるようだと2021年9月の高値2403円がターゲットになりそうです。
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<計測・情報収集>
【パスコ(9232)】
人口衛星を活用して土砂災害の兆候を捉える
パスコ(9232)は、人口衛星を活用して土砂災害(地すべり)の兆候となる変化を捉え、災害の可能性のある場所をいち早く発見する「衛星による変動モニタリング(山間部の地表変動監視)」を手掛けています。株価は強い上昇トレンドが続いており、2020年1月の高値2290円が意識されます。
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<計測・情報収集>
【西松建設(1820)】
斜面の地割れ幅などの遠隔監視システムを提供
西松建設(1820)は、斜面の地割れ幅やコンクリートのひび割れ幅を遠隔で監視する「伸縮監視クラウドシステムOKIPPA」を手掛けています。「OKIPPA」は、自前の基地局や配線の整備が必要なく、センサーボックスを設置するだけで利用できるのが強みとなってます。株価は、2022年6月の高値4445円をピークに調整が続いていますが、足元で200日移動平均線と52週移動平均線を突破してきており、上昇トレンドへの転換が期待できます。
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<計測・情報収集>
【応用地質(9755)】
表層傾斜計「クリノポール」や水位検知センサ「冠すいっち」を展開
応用地質(9755)は、防災・減災対策支援のために広範囲をリアルタイムで監視する「ハザードマッピングセンサソリューション」として、表層傾斜計「クリノポール」や水位検知センサ「冠すいっち」を手掛けています。株価は、足元で上昇トレンドが強まり、1999年以来の水準を回復しました。しかし長期的に見ると、1997年に5000円水準から1600円割れまで下落した後、長く続いていたボトム圏からようやく上放れてきたところなので、ここからの本格的な上昇に期待したいところです。
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以上、「防災DX」関連のなかから「防災学習」や「被災予測」「計測・情報収集」に関連する銘柄を取り上げました。
「防災DX」関連としては、今回取り上げたほかにも「災害対策本部運営」や「避難生活支援(避難所運営)」「物資支援」「被害情報の収集・共有」「復旧支援」といった分野でデジタルを活用したサービスを手掛けている企業がありますので、今後、それらの銘柄も紹介していきたいと考えています。
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