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太陽活動が極大期に入った今、大規模な「太陽フレア」の発生により
大規模な停電や通信障害が発生するリスクが増大!
太陽活動は約11年の周期で変動を繰り返すことが知られており、2025年7月に太陽活動が次のピークを迎えて大規模な太陽フレアが起きる可能性が指摘されていました。しかし、NASA(米国航空宇宙局)とNOAA(米国海洋大気庁)などは2024年10月15日、太陽活動はすでに「極大期」に入っており、今後1年程度は非常に活発な状態が続く見通しであることを発表しました。
太陽フレアは、太陽の表面で発生する大規模な爆発現象です。通常の規模であれば影響はほとんどありませんが、大規模な太陽フレアが発生した際には、放出されるX線やプラズマなどの影響で地球の磁場が乱れる磁気嵐が発生。その結果、人工衛星の機能不全や通信障害、全地球測位システム(GPS)の乱れ、さらには電力網の広範な停電といった事態が起こり、私たちの日常生活に大きく影響する可能性があるとされています。
実際、1989年3月には、カナダで太陽フレアに伴う巨大な磁気嵐が原因で送電システム障害が起こり、ケベック州周辺で9時間におよぶ停電が発生しました。また、2022年には、米国のスペースXが打ち上げた49基の人工衛星「スターリンク」のうち、40基が太陽フレアに伴う磁気嵐の影響で目標軌道まで到達できないまま大気圏に落下しました。
現代は、情報通信(ICT)技術が発達し、電力網や通信網、人工衛星といったインフラへの依存度が高まっていることから、大規模な太陽フレアが発生した場合の損害はより大きくなると考えられます。米国科学アカデミーは、記録に残る最大の太陽フレア被害である1859年の「キャリントン・イベント」並みの太陽フレアが現代に発生した場合、その被害総額は2兆ドル(約300兆円)に達すると予測しています。
太陽フレアによる磁気嵐などから電子機器を守る
「電磁波シールド」の需要増加に期待!
こうした太陽フレアによる影響を軽減する有効な手段として期待されるのが「電磁波シールド」です。電磁波シールドとは、特定の空間や装置が電磁波の影響を受けないように電磁波を低減、もしくは防止するために使用する素材や技術のこと。電磁波シールドを正しく用いることができれば、太陽フレアによって発生する大規模な磁気嵐から電子機器やシステムを保護することができます。
例えば、サーバールームを、外部の電界を遮蔽する働きがある金属板や金網、導電性のある塗料などでシールド処理を施せば、太陽フレアによって発生する電磁波からサーバールーム内の電子機器などを守ることが期待できます。
そこで今回は「電磁波シールド」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、電磁波シールドを扱っている企業のなかから、個人投資家でも買いやすい中小型株を中心にピックアップしました。
【マイクロ波化学(9227)】
銀ナノワイヤーを使った高性能な透明導電フィルムを開発
マイクロ波化学(9227)は2023年10月、大日本印刷(7912)と共同で、マイクロ波の照射によってナノメートルレベルを実現した銀の導電性繊維(銀ナノワイヤー)を用い、高性能な透明導電フィルムを開発。2023年12月にはサンプル出荷を開始し、2024年5月には米国のディスプレイ学会「SID Display Week 2024」にも出展しました。自動運転に欠かせない高精度センサー「LiDAR」向けのほか、電磁波シールドとしての用途も想定しているとのことです。株価は、年初来安値を更新しながらの下落が続いており、焦らず「底打ち」を見極めてから買いたいところです。
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【技研ホールディングス(1443)】
大規模な電磁波や放射線のシールド施設などを手掛ける
技研ホールディングス(1443)は傘下の技研興業において、テクノシールド事業を展開。大規模な電磁波や放射線のシールド施設のほか、研究施設からの多様なニーズに応えるため、さまざまなシールド技術を開発しています。例えば、放送・通信分野では、屋外のアンテナから発信される強電磁波が屋内の機器などに干渉するのを避けるため、電波シールドを実施。また、工場向けとして、電子回路などの製品検査や生産ラインから発生する不要電波対策のためのシールドルームの設置を手掛けています。株価は下落トレンドが続いていますが、足元で10月につけた直近安値水準まで下げてきたことから、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【阿波製紙(3896)】
電磁シールドや電極、耐熱構造体に使われる炭素繊維を製造
阿波製紙(3896)は、「繊維」「粉体」「不織布」など、さまざまな原材料を使用した製品を製造しています。炭素繊維は、電気抵抗や熱伝導性が金属に近く、また熱膨張率が低いことから、電磁シールドや電極、耐熱構造体に応用されています。株価は、足元で13週移動平均線が下値支持線として意識されており、同線付近でのリバウンドを狙いたいところでしょう。
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【巴コーポレーション(1921)】
電波暗室の施工や電磁波シールド工法の開発などを手掛ける
巴コーポレーション(1921)は、建築技術と専門技術を必要する電波暗室・電波シールド分野において、自社所有の電磁シールド試験室を活用して多くの研究開発に寄与しています。さらに、電波暗室の施工や電磁波シールドの設計・施工、電磁波シールド工法の開発などを手掛けています。株価は足元で調整を見せていますが、上向きで推移する13週・26週移動平均線が下値支持線として意識されており、リバウンド狙いのタイミングになりそうです。
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【ジオマテック(6907)】
電磁波を遮蔽するEMIシールド膜を開発
ジオマテック(6907)は、薄膜技術の専門メーカーです。透明導電膜や金属薄膜を使ったEMI(電磁波干渉)シールド膜は、ディスプレイ機器から生じる電磁波を遮蔽し、計器類やコンピューターへの障害を防ぎます。株価は、足元で強い上昇を見せており、2022年以降続いていたボトム水準から上抜けてきました。短期的な過熱感が警戒されるなか、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【ENEOSホールディングス(5020)】
グループ会社が電磁波シールドフィルムなど機能性フィルム事業を展開
ENEOSホールディングス(5020)は、グループ会社のタツタ電線が電磁波シールドフィルムなど機能性フィルム事業を展開。電磁波シールドフィルムは、金属薄膜層を用いた多層薄膜技術を用いることで、電気特性や基板レイアウト、加工方法など用途に合わせた製品を手掛けています。株価は、13週・26週移動平均線での攻防を見せており、両線での底堅さが感じられることからリバウンド狙いのチャンスと言えるでしょう。
⇒ENEOSホールディングス(5020)の最新の株価はこちら!
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以上、今回は「電磁波シールド」関連銘柄を発掘しました。
なお、12月13日に、太陽に似た恒星では「スーパーフレア」と呼ばれる巨大な爆発現象が100年に1度ほどの頻度で起きているとする分析結果が、米国の科学雑誌「サイエンス」で発表されました。それによると「スーパーフレア」は一般的な太陽フレアよりも桁違いに規模が大きく、地球の通信網などに甚大な影響を及ぼす恐れがあるとのことです。
電磁波シールド技術は、今後の社会インフラの強靭化や新たな技術開発の鍵となる可能性を秘めており、今後の成長分野として要注目です。
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