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世界の調査対象となった都市の約86%が、
PM2.5の濃度がWHOのガイドラインを超える!
スイスの空気質関連企業IQエアが2026年3月発表した「2025年世界大気質報告書」によると、粒子状物質「PM2.5」の濃度が世界保健機関(WHO)の大気汚染ガイドラインを満たす都市は、調査対象中わずか14%しかなかったとのことです。ちなみに、国別にPM2.5の年間平均濃度を比較すると、日本は濃度が高いほうから数えて143カ国中で94位という結果で、世界的に見れば比較的空気がきれいな国と言えます。
PM2.5は「微小粒子状物質」ともいわれ、大気中に浮遊する粒子状物質のうち2.5µm(マイクロメートル:1µm=1/1000mm)以下の非常に小さな粒子のことです。このPM2.5は、発生源から粒子として排出される「一次粒子」と、大気中で化学反応を起こして粒子化する「二次生成粒子」に大別されます。
一次粒子の代表的な発生源としては、焼却炉など“ばい煙”を発生させる施設や自動車、船、飛行機、火山などが挙げられます。一方、二次生成粒子は、火力発電所や工場などから排出される硫黄酸化物や窒素酸化物、塗料や石油などから蒸発する揮発性有機化合物などのガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応して生成されます。
日本におけるPM2.5の健康被害による経済負担は、
年間で約17兆4000億円に相当するとの試算も!
PM2.5は、髪の毛の太さの1/30程度と非常に小さいため、人間が吸い込むと肺の奥まで到達し、ぜん息や気管支炎、咳、不整脈、心臓発作、肺がんなど、健康への悪影響があるとされます。東京大学のロン・イン准教授らの研究では、日本におけるPM2.5の健康被害による経済負担は、年間1102億ドル(約17兆円)に相当すると試算されています。また、米国のペンシルベニア大学は2025年9月、PM2.5が認知症の発症リスクを高める可能性があるとの研究結果を発表しています。
PM2.5による影響は、気候や環境、生態系などにも表れます。PM2.5は光を散乱・吸収するため、風景が白く霞むことによる視界不良が交通の安全性や観光資源に影響を与える懸念があります。また、PM2.5に含まれる「ブラックカーボン(すす)」は太陽光を吸収するため、地球温暖化を加速させる要因のひとつとも言われています。さらに、PM2.5に含まれる硫酸塩や硝酸塩が雨水に溶け込んで酸性雨となることで、土壌や河川が酸性化し、植物の成長阻害や水生生物に被害をもたらすことも懸念されます。
PM2.5は世界的に解決すべき社会課題のため、各国で監視・規制・対策への投資が強化されることが期待されます。そこで今回は「PM2.5対策」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、身近な空気清浄機やマスクのほか、フィルター装置、環境調査などの事業を手掛けている企業に着目しました。
【ダイキン工業(6367)】
独自の「ストリーマ技術」や「TAFU(タフ)フィルター」が強み
ダイキン工業(6367)は業務用空調機を取り扱っているほか、「うるるとさらら」シリーズなどを中心に家庭用空調機の分野でも高いシェアを誇ります。同社の空気清浄機は、吸い込んだ花粉や排ガス成分などのアレルギー物質やウイルス、カビ菌などをプラズマ放電で分解・抑制する独自の「ストリーマ技術」や、静電気の力で微細な粒子を捕集「TAFU(タフ)フィルター」が強みとなっています。株価は、2025年11月の高値2万910円と2026年2月の高値2万915円とのダブルトップ(2点天井)を形成後、調整を見せています。ただ、52週移動平均線が下値支持線として意識されやすいことから、押し目狙いのスタンスで。
ダイキン工業(6367)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【NGK(5333)】
排ガス浄化用セラミックスで世界的なシェアを誇る
NGK(5333)は、エンジンの排ガス浄化用セラミックスや排ガス用NOx(窒素酸化物)センサーなどが主力製品です。自動車の排ガスは二次生成粒子としてPM2.5を生成する要因のひとつですが、同社はディーゼル車の排気ガスから黒煙を90%以上捕集・除去するフィルター装置などを手掛けています。株価は、2月27日につけた高値4587円をピークに調整を見せていますが、上向きで推移する13週移動平均線辺りで底堅さが意識されるので、同線付近での押し目を狙いたいところです。
NGK(5333)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【シャープ(6753)】
タンパク質を分解・除去する「プラズマクラスター」を開発
シャープ(6753)は、台湾・鴻海グループの総合家電メーカーです。プラスとマイナスのイオンを放出し、有害物質の表面に酸化力の高い「OHラジカル」を生成することで、タンパク質を分解・除去する技術「プラズマクラスター」を開発。また、インターネットでAIとつなぎ、天気や気候、好みに合わせて空気清浄機の風量などをコントロールする技術「COCORO AIR」を有しています。株価は2025年8月以降、調整が続いていますが、足元で560円近辺での底堅さが見られます。上値抵抗線として意識される25日移動平均線を上回ってくる局面では、上昇トレンドへの転換が期待されるでしょう。
シャープ(6753)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【いであ(9768)】
PM2.5の化学分析を含む「環境コンサルタント事業」を手掛ける
いであ(9768)は、動植物の生態系調査や大気・水質の化学分析、環境影響評価などの「環境コンサルタント事業」と、道路や橋梁、河川、砂防などの社会資本の設計・維持管理といった「建設コンサルタント事業」を展開。PM2.5のほか、環境基準が設けられている二酸化窒素、二酸化硫黄、浮遊粒子状物質などの調査を手掛けています。株価は1月14日に一時4860円まで買われた後、4200~4600円辺りで推移していましたが、3月に入って下値支持線として機能していた13週移動平均線を下に抜けると、その後の下げで26週移動平均線を割り込んできました。週足のボリンジャーバンドの−2σ(4月1日時点で3799円)までの調整を経て、ここからのリバウンドに期待したいところです。
いであ(9768)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【A&Dホロンホールディングス(7745)】
PM2.5の測定に使用される高精度な「電子天びん」を提供
A&Dホロンホールディングス(7745)は、物理的な“重さ”や“力”を精密に測るアナログ・デジタル変換技術と、ナノメートル単位の半導体回路を計測する電子ビーム技術に関し、極めて高度な技術を有しています。国・自治体の環境分析センターや大学の研究室などでPM2.5の測定を行う際に、同社の高精度な「電子天びん」が活用されています。株価は、2月25日につけた高値2865円をピークに調整が続いています。直近で下値支持線として意識されていた13週移動平均線を割り込んできたので、調整一巡からのリバウンドを狙いたいところです。
⇒A&Dホロンホールディングス(7745)の最新の株価はこちら!
A&Dホロンホールディングス(7745)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【ユニ・チャーム(8113)】
PM2.5にも効果を発揮する「超快適マスク」「超立体マスク」を販売
ユニ・チャーム(8113)は生理用品や紙おむつの大手で、「超快適マスク」や「超立体マスク」など家庭用マスクでも高い国内シェアを誇ります。0.1〜1.0µmの微粒子やウイルス飛沫をブロックする高性能なフィルターが採用されており、PM2.5に対しても十分な捕集効果を発揮します。株価は、ボトム圏での推移が続いていますが、足もとでは900円前後での底堅さが見られています。上値を抑えている13週・26週移動平均線を突破してくると、上昇の勢いが強まりそうです。
ユニ・チャーム(8113)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「PM2.5対策」関連銘柄を発掘しました。
なお、当コラムでは以前にも排ガス浄化触媒などの「排ガス規制」関連銘柄を取り上げました。興味のある方は、そちらの記事も参考にしてください。
【※関連記事はこちら!】
⇒“排ガス浄化触媒”など「排ガス規制」関連銘柄を紹介!EVの本格普及を前に、世界中で厳格化が進む「排ガス規制」への対応で需要&売上が増える注目企業を解説
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