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2018年の6月末から7月頭にかけて西日本を襲った豪雨災害、通称「西日本豪雨」から早くも2年が経過しました。西日本豪雨の被害に関して各メディアが伝えた衝撃的な光景を、未だに覚えている方も多いと思います。
岡山県は6月29日、西日本豪雨で発生した44万900トンもの災害ゴミについて、県内自治体の処理が完了したと発表しました。災害発生から2年で処理を完了するというのは当初からの目標でしたが、ゴミ処理にそれだけの時間がかかったという点だけでも西日本豪雨がどれだけ大規模な災害だったのかを窺い知ることができるでしょう。私たちも、一人一人が改めて身の回りの防災状況を確認することが必要だと思います。
さて、関東甲信は6月11日ごろに梅雨入りとなりましたが、直近では6月末から7月1日にかけて広い範囲で非常に激しい雨が降ることが予想され、一部地域では土砂災害警戒情報が発表されました。今回は幸い大規模な被害は発生しなかったようですが、大雨の予報が出るたびに警戒を欠かすことができません。
なお、気象庁の情報によると、平年であれば関東甲信における梅雨明けは7月21日頃で、2019年は少し遅い7月24日でした。地域にもよりますが、今年も7月中旬までは大雨による土砂災害への警戒が必要となるでしょう。
今回は、こうした豪雨被害に関係する投資テーマとして、「防災」関連に注目したいと思います。
大規模な豪雨被害などが発生するたびに、
「防災」関連銘柄に注目が集まる
「防災」関連銘柄は、豪雨被害などが発生するたびに物色されやすい投資テーマです。
例えば、2018年の西日本豪雨のときは、関西地盤の建設株が値上がりしたほか、河川氾濫解析など防災コンサルタントへの需要増から応用技術(4356)が、災害工事の需要増から日本興業(5279)が買われました。また、衛生陶器メーカーのアサヒ衛陶(5341)も復興需要期待で人気化しました。さらに、2019年10月に千葉県を中心に被害をもたらした豪雨災害では、ふた浮上防止マンホールなどを手掛けるイトーヨーギョー(5287)の株価が大きく上昇しました。
ただ、「防災」関連銘柄は、個人投資家による短期的な物色で終わる場合が多く、株価が上がっていることを確認してから買うと高値掴みとなる可能性もあります。「防災」関連銘柄は、夏場以降から台風の季節辺りまでは投資家の関心が向かいやすく、報道で大雨予報が伝えられるといち早く株価が動くことも珍しくありません。
売買タイミングが難しいという意味で、特に投資経験の浅い個人投資家は注意が必要な投資テーマでしょう。
利益確定に関しても、商いが集中するのは長くて1カ月間なので、出来高が減少傾向を見せてきたときは早めに売ることが大切です。なお、災害により高騰したあとの決算では、関連需要から上方修正の可能性が意識されやすいので、決算期に改めて注目してみるのもいいでしょう。
このように株初心者には多少ハードルが高い面はありますが、毎年物色が発生して盛り上がることの多いテーマなので、「防災」関連銘柄はチェックしておいても損はないと思います。
具体的な銘柄選びですが、「防災」関連銘柄は。建設株をはじめとして非常に多岐に渡ります。そこで今回は、業績などのファンダメンタル面は考慮せず、過去の実績から、「防災」関連銘柄が物色される際に短期投資の資金が流入することの多い銘柄をピックアップしました。
【構造計画研究所(4748)】
防災関連の支援ソリューションを幅広く展開
構造計画研究所(4748)は、地震防災情報システム「Quiet」や津波シミュレーター「TSUNAMI-K」、リアルタイム河川水位・洪水予測技術「RiverCast」など、防災関連の支援ソリューションを幅広く展開しています。
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【イトーヨーギョー(5287)】
「無電柱化」関連銘柄の一角としても短期資金が流入
イトーヨーギョー(5287)は、各種コンクリート2次製品を提供する企業です。路面冠水抑制システムなどで防災を支援します。また「無電柱化」関連銘柄の一角でもあり、短期資金が向かいやすい銘柄です。前述の通り、2019年の豪雨災害のあとにも人気化しました。
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【ベルテクスコーポレーション(5290)】
雨水地下貯留槽施設などを手掛ける
ベルテクスコーポレーション(5290)は、旧ゼニス羽田ホールディングスとして知られた企業で、雨水地下貯留槽施設などを手掛けているほか、インフラのメンテナンス事業なども展開しています。
⇒ベルテクスコーポレーション(5290)の最新の株価はこちら!
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【アジア航測(9233)】
国土保全コンサルタント事業を展開
アジア航測(9233)は、内水氾濫シミュレーションや3次元浸水ハザードマップなどを通じた行政支援サービスのほか、河川・砂防、森林・林業支援、環境保全・復興再生などに関し、国土保全コンサルタント事業を展開しています。
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【応用地質(9755)】
自治体向け災害対策情報提供システムを提供
応用地質(9755)は、インフラ・メンテナンス事業を主力としつつ、冠水センサ「冠すいっち」や簡易傾斜計「クリノポール」を活用した自治体向け災害対策情報提供システムや、ため池防災システムなど、防災・減災事業も行っています。
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【いであ(9768)】
環境コンサルタント事業が主力ビジネス
いであ(9768)は、環境コンサルタント事業を主力事業とする企業。自然災害に対して、ハード・ソフトの両面からの技術提供が可能です。
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最近では、6月末に九州各地で記録的な大雨がありました。また、新型コロナウイルスへの警戒が依然として必要なため、自然災害の発生によって避難所に多くの住民が押し寄せた場合、「3密」によるクラスター発生も警戒されます。それ故に、インフラを含めて早急な防災対応が迫られており、投資家の関心度合いが高まる可能性も高いでしょう。
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