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3月2日の日刊工業新聞によると、コロナ禍で「スマートグラス」を活用した遠隔現場支援が広がっているそうです。
スマートグラスを活用した遠隔現場支援とは、現場の作業員がカメラ付きのスマートグラスをかけ、その映像を元に遠隔地にいるベテラン作業員がスマートグラスを通して指示を出すというもの。記事によると、これまでは少人数しか入れない現場で使われてきたが、最近はコロナ禍の影響もあって、利用される現場が広がろうとしているとのことです。
例えば、製造業や建設業のような人手不足が顕著な業界では、ベテラン作業者がその技術を若手に引き継げないまま定年退職で引退してしまい、優れた技術が途絶えてしまうという問題が取り沙汰されています。前述したような現場作業者の効率的な業務遂行のための支援ツールという側面の他に、情報共有のリアルタイム化や教育用途という観点からも遠隔現場支援は重要性を増しつつあると言えるでしょう。
遠隔現場支援に欠かせない「スマートグラス」の市場規模は、
2030年には13兆9500億円に達するという予測も!
そんな遠隔現場支援に欠かせないツールが、現場作業者の視界に文字や記号を映し出す「スマートグラス」です。建設業や製造業における遠隔現場支援を想定した場合、手が塞がってしまうタブレットと手を自由にさせておくことができるスマートグラスを利便性の面から比較すると、当然スマートグラスに軍配が上がります。また、エンターテイメントやゲームなどの領域で、すでに私達の身近なものとなりつつある拡張現実(AR)や、その先にある複合現実(MR)の技術革新がさらに進むことで、遠隔現場支援の技術もより進化していくことが期待されます。
ちなみに富士キメラ総研の分析によると、ARやMRを実現するスマートグラスの世界市場は、2030年に13兆9500億円に達すると予測されています。
当コラムでは、昨年9月に「スマートグラス」も含めた「ウェアラブル端末」の関連銘柄を紹介していますが、今回は「スマートグラス」に絞って関連銘柄を取り上げてみたいと思います。
【※関連記事はこちら!】
⇒アップルウォッチなど「ウェアラブル端末」の関連銘柄を紹介! 医療器具や健康維持の用途のほか、製造現場や建設現場の点検・保守用途など、需要増大は確実!
具体的な銘柄選定としては、スマートグラスのメーカーのほか、スマートグラスを活用した遠隔支援サービスのソリューションを提供している企業を挙げています。
なお、NTT(9432)やKDDI(9433)もグループ会社が関連サービスを展開していますが、今回は大きな値動きが期待できる中小型株に絞り込みました。また、株価の面では、足元で調整一巡感が意識されやすい銘柄をピックアップしたので、「リバウンド狙い」が基本的な投資スタンスとなります。
【オプティム(3694)】
遠隔作業支援サービス「Optimal Second Sight」を提供
オプティム(3694)は、スマートグラスやスマートフォン、タブレットのカメラなどを用いた遠隔作業支援サービス「Optimal Second Sight」を提供しています。ZoomやMicrosoft Teamsとの連携も可能で、Web会議システムを用いて複数人による確認や指示が同時に行えるのがメリットです。株価は、2月15日の高値3680円をピークに足元で調整を見せていますが、長期的に上昇する52週移動平均線が下値支持線として機能しています。
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【サン電子(6736)】
両眼シースルー方式のスマートグラス「AceReal One」を開発
サン電子(6736)は、高輝度・高精細の両眼シースルー方式のスマートグラス「AceReal One」を扱っています。その他にも、業務支援アプリケーション「AceReal Apps」やソフトウェア開発キット「AceReal SDK」をワンストップで提供するトータルソリューションを展開。また、XRやスマートグラスに関する最新情報を掲載するWebサイト「トバール」を運営しています。株価は、1月28日に付けた高値4380円をピークに現在は緩やかな下落が続いていますが、上昇する13週移動平均線が下値支持線として効いています。
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【santec(6777)】
テクニカル的に「ダブルボトム」の形成が意識される
santec(6777)は、スマートグラスやウェアラブルカメラを活用した遠隔現場支援システム「Live Supporter」を提供しています。株価は2019年3月以降、1250円~2400円のレンジでの推移が続いています。直近では52週移動平均線を割り込み、昨年7月末の水準まで下がってきました。テクニカル的に「ダブルボトム」の形成が意識されやすいため、押し目買いのタイミングと考えられます。
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【サイバネットシステム(4312)】
AR技術を活用した「作業支援AR」を手掛ける
サイバネットシステム(4312)は、AR技術を活用し、保守・メンテナンスなどの作業に関する情報をタブレットやスマートグラスなどに表示して、確実かつ効率良く作業を進められるよう支援する「作業支援AR」を提供しています。株価は、2020年12月11日に付けた高値1047円をピークに利益確定の流れが優勢となり、直近では52週移動平均線レベルまで下落してきたので、押し目買いのタイミングと言えるでしょう。
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【ブイキューブ(3681)】
昨年は「テレワーク」関連の中核銘柄として大きく上昇
ブイキューブ(3681)は、RealWear製スマートグラスとWeb会議による「遠隔作業支援ソリューション」を提供。昨年は「テレワーク」関連の中核銘柄として大きく上昇しましたが、遠隔支援ソリューションに関しては意外と知られていないと思われます。株価は年初以降、利益確定の流れにより調整が続いています。直近では26週移動平均線を下回っているので、押し目買いのチャンスと言えます。
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【IDホールディングス(4709)】
スマートグラスを利用した遠隔作業支援システム「IDEye」を提供
IDホールディングス(4709)は、スマートグラスを利用した遠隔作業支援システム「IDEye」を提供しています。株価は、2020年9月29日の高値1581円をピークに下落が続いており、足元では1200円辺りを下値支持線として膠着した値動きが続いています。下値の堅さが意識されているので、ここからのリバウンドを期待したスタンスとなります。
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【JMACS(5817)】
遠隔支援システム「nvEye's(エヌヴィ)」を提供
JMACS(5817)は、スマートグラスに搭載可能な遠隔支援システム「nvEye's(エヌヴィ)」を提供しています。株価は、2020年6月の急伸後に調整が続いており、現在はおおむね急伸前の水準まで下げています。押し目買いを狙うのが基本ですが、26週・52週移動平均線を超えてくるようなら、さらなる上昇も期待できます。
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以上、今回は「スマートグラス」関連銘柄を紹介しました。
スマートグラスについては、エンターテイメント関連でのサービスが主流と見る人も多いのですが、コロナ禍によるニューノーマルな社会においては遠隔現場支援の分野における需要が高まってくる可能性は高いので、今のうちから注目しておきましょう。
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