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米国の長期金利の上昇を受け、日米の株式市場では株価が高値圏で乱高下する波乱の展開となっています。
現地時間2月25日のNYダウは大幅反落し、前日比559.85ドル安の3万1402.01ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も大幅に反落し、同478.535ポイント安の1万3119.431ポイントでした。
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この日の米国10年物国債利回りは、一時1.61%と昨年2月以来の水準に上昇し、その後、前日比0.15%高の1.52%で取引を終えました。株式市場では、この長期金利の上昇が嫌気されたのです。
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米国の株安を受け、2月26日の日経平均株価は大幅安となり、前日比1202.26円安の2万8966.01円と急落しました。この下げ幅としては2016年6月以来、4年8カ月ぶりで、指数算出を始めた1950年以来、歴代10位の大きさでした。
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米国10年物国債利回りの落ち着きや経済対策の可決により、
米国株式市場は大幅に反発し、日経平均株価も一時は3万円に肉薄
そして、現地時間2月26日、米国10年物国債利回りは前日比0.11%低下し、1.41%で取引を終えました。この日は、月末で機関投資家が保有する債券の平均残存年限を維持するための買いを入れたこともあり、米国10年物国債の価格が3日ぶりに反発したのです。
これを受け、NYダウは前日比469.64ドル安の3万932.37ドルと続落したものの、ナスダック総合株価指数は反発し、同72.914ポイント高の1万3192.345ポイントと上昇しました。
この米国長期金利の上昇の一服とナスダック総合株価指数の反発が好感されて、週明け3月1日の日経平均株価は、前週末比697.49円高の2万9663.50円と大幅に反発しました。
その後、現地時間3月1日のNYダウも大幅反発し、前週末比603.14ドル高の3万1535.51ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は続伸し、同396.484ポイント高の1万3588.829ポイントでした。
米国では、2月27日に下院が1.9兆ドルの経済対策を可決しました。また、3月1日に発表された2月のISM製造業景況感指数が60.8と前月から2.1ポイント上昇し、「ほぼ横ばい」という市場予想を上回り、2018年2月以来の高水準となりました。さらに、先週、一時1.61%まで急上昇した米国10年物国債利回りが、1日は1.4%台前半を中心に落ち着いた動きを見せました。これらが米国株式市場での買い材料になったのです。
これを受けた東京株式市場では、3月2日前場の日経平均株価が一時2万9996.39円まで上昇し3万円に肉薄する場面もありましたが、その後は下落。最終的に前日比255.33円安の2万9408.17円で2日の取引を終えました。
ここ最近続いた「月初高+月末安」の要因のひとつは、
日本株ファンドを経由した海外投資家の機械的なリバランス
ところで、2月27日付け日本経済新聞で、「続くか月前半の上昇−金利高、株優位揺さぶる(スクランブル)」と題された興味深い記事が掲載されました。
この記事によれば、 「米調査会社EPFRによると、2月下旬まで26週連続で外国籍の日本株ファンドに資金が流入した。こうした資金が月初からの株価上昇につながっている。一方、月後半には前半の反動が起きる。例えば、あるファンドが月間の収益目標を3%に設定し5%上昇した場合、保有株の金額が想定以上に増えた分を減らす売りが月末に生じる。株と債券を持つファンドの場合では、株高だと月末にかけて株を売って全体の資産比率を調整するリバランスの売りが起きる」そうです。
どうやら、ここ最近の「日経平均株価の月初高+月末安」の要因のひとつは、日本株ファンド経由の海外投資家の機械的な売買(リバランス)だったようです。今後、月初から月末直前までのパフォーマンスが良好な月に関しては、月末の外国籍の日本株ファンドからのリバランス売りが機械的、かつ暴力的に出ることを警戒しておく必要があるでしょう。
ちなみに、今年の1月は28日が前日比437.79円安、29日が534.03円安でしたし、2月は26日が1202.26円安でした。そして、このような「月末のリバランス」という特殊な売り需要がなくなる翌月の月初は、需給が改善し、相場が上がりやすくなるのだと思います。
テクニカル的に見ると、当面の間、日経平均株価は、
25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの「±1σ」の間を推移
当面の日経平均株価に関しては、テクニカル的なメインシナリオは、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの−1σ(3月1日時点で2万8420.87円)と+1σ(同3万4.11円)との間を推移する「バンドウォーク」です。終値が5日移動平均線(同2万9725.10円)を下回っている間は「−1σ」を目指し、逆に上回ったら「+1σ」を目指すと見ています。
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なお、日経平均株価は3月1日現在、終値ベースで5日移動平均線を下回って短期調整中とはいえ、25日移動平均線(3月1日時点で2万9216.71円)、75日移動平均線(同2万7618.80円)ともに上回り、中期の上昇トレンドは継続しています。
中期上昇トレンドが継続している日経平均株価に対し、
東証マザーズ指数は短期・中期ともに下落トレンドが発生中!
一方、心配なのは東証マザーズ指数です。3月1日の東証マザーズ指数は、終値で前週末比3.36ポイント高の1217.45ポイントでした。5日移動平均線(3月1日時点1232.83ポイント)、25日移動平均線(同1264.70ポイント)、75日移動平均線(同1225.15ポイント)のすべてを下回っています。また、5日移動平均線と25日移動平均線とのデッドクロスもすでに実現しており、短期・中期の下落トレンドが発生中と認識できます。
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東証マザーズ指数は、目先、昨年12月22日に付けた1125.60ポイントが下値メドとして意識されると思います。しかし、チャートがここまで崩れていると、オーバーシュートして、52週移動平均線(同1061.62ポイント)を試すことも覚悟しておく必要があるでしょう。
東証マザーズ指数が底打ちするまでは小型材料株は避け、
「東証1部の大型株」を中心に売買しよう!
東証マザーズ市場は、個人の関与率が高く、信用取引の活用度が高いことが特徴です。例えば、2021年2月第3週 (2月15日~19日)は、委託注文(売り買いの金額合計)のうち、個人の占める割合が58.9%でした。また、金額ベースの個人の現金取引と信用取引との割合は、売りでは現金31.1%に信用68.9%、買いでは現金28.7%に信用71.3%でした。正直、マザーズ市場に参加している個人の皆さんは、借金をして株式投資をし過ぎだと思います。
そして多くの個人は、信用買いは行いますが、一部のセミプロ級の投資家を除いて空売りはしないので、現在のように東証マザーズ指数が大きく下げている状況になると、彼らの多くは株式相場とではなく常に「維持率」と戦っている、つまり、追証発生の恐怖に怯えていると推察されます。よって、中期の上昇トレンドが崩れていない大型株とは異なり、短期・中期の下落トレンドが発生中のマザーズ銘柄に代表される小型材料株に関しては、「落ちてくるナイフはつかむな」という有名な相場格言を想起した上で、慎重に相場に臨みましょう。
もっと言ってしまえば、マザーズ銘柄に代表される小型材料株に関しては、東証マザーズ指数の底打ちをあなたが確信するまでは、触らないことが最も賢明な投資判断だと考えます。それまでは、東証1部の大型株中心の売買をおすすめします。
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