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中国製造業の拡大ペースにやや陰りが見えるため、
石炭や鉄鉱石、銅、建設機械、工作機械などの業種は要注意!
4月1日、財新の中国製造業購買担当者指数が50.6と発表されました。
購買担当者指数は、50が景気拡大と景気縮小の分水嶺です。50.6という数字は、未だ中国の製造業が拡大していることを示していますが、そのペースはあきらかに鈍ってきています。
このことは、中国の需要への依存度が高い石炭や鉄鉱石、銅、建設機械、工作機械などの業種は注意を払わなければならないことを示唆していると思います。
新型コロナワクチン接種の進捗状況は地域差が大きく、
世界の経済再開のペースもバラバラになる可能性が高い
もうひとつ我々が心に留めておくべきポイントは、新型コロナウイルス向けワクチン接種の進捗状況に大きな地域差が生まれつつある点があります。
米国ではワクチンの注射がうまく捗っていて、これまでに1.57億回の注射が実施されました。国民の30.7%が、少なくとも1回目の注射を終えた計算になります。
これに対してユーロ圏では7690万回、注射を終えた人の割合で言うと11.9%にとどまっています。
ワクチン接種が遅れるということは経済再開が遅れることを意味し、世界の景気回復がこれまで想定されていたような同時回復ではなく、バラバラの足取りになる公算が濃厚になってきたと言えます。
とりわけ、ジョンソン&ジョンソン(ティッカーシンボル:JNJ)のワクチンの製造下請となっているエマージェント(ティッカーシンボル:EBS)で原料の生産ミスがあり、生産がかなり遅延することが明白になったことは憂慮すべき点です。
【※関連記事はこちら!】
⇒米国の新型コロナ関連株では“ワクチン製造下請け”の「エマージェント・バイオソリューションズ」に注目! ワクチン開発競争の勝者に関係なく売上増の可能性大
ジョンソン&ジョンソンのワクチンは、1回の投与だけで良く、さらに常温で保存できることなどの特性から、新興国など医療インフラが比較的整ってない国々においてワクチン接種の切り札になると期待されてきました。その生産が遅延するとなると、地域格差が一層広がる懸念があるわけです。
エマージェントは、ジョンソン&ジョンソンだけでなくアストラゼネカ(ティッカーシンボル:AZN)やノヴァヴァックス(ティッカーシンボル:NVAX)のワクチンの製造下請も引き受けており、そちらの生産体制に関しても不安がつきまといます。
今、アメリカ経済の見通しは極めて明るくなっていますが、世界の他の地域がもたもたしている中で、アメリカだけが好調を維持できると考えるのは無理があります。ましてや、冒頭で述べたように中国の製造業にやや陰りが見え始めている状況で、景気敏感株だけでポートフォリオを固めるというやり方は無謀だと思います。
景気敏感株だけでポートフォリオを固めるのではなく、
2月以降に調整したハイテク株の中から良い銘柄も拾っておこう
そこで今日提案したいことは、「2月以降に調整したハイテク株の中から良い銘柄を選び、バーゲン・ハンティングの買いを入れる」ということです。
例えば、テスラ(ティッカーシンボル:TSLA)は、1月末の高値900.40ドルから先週の引け値661.75ドルまで調整しています。テスラが発表した3月の納車台数は、予想16.2万台に対して18.48万台と楽々コンセンサスを上回りました。テスラの納車台数に関しては、折からの車載半導体の品薄という不安材料がありましたが、それを克服して予想を上回ったのは立派だと思います。
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また、フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)は、2020年8月末に304.67ドルの高値をつけて以降、275ドル前後で横ばいを続けていて出遅れ感が強かったのですが、3月に入って株価が上昇し始め、あと少しで300ドルに届くところまで戻してきています。フェイスブックのキャッシュフローは潤沢なのに「自社株買い」は他社に比べて少ないので、今後は「自社株買い」を増やす可能性も十分に考えられるでしょう。
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一方、半導体セクターでは、各社が大型の設備投資を発表しており、半導体製造装置の株が人気化しています。このセクターで私が注目している株は、アイコア(ティッカーシンボル:ICHR)です。
アイコアは、半導体製造の前工程において、物理気相成長法(PVD)や化学気相成長法(CVD)などにより半導体のウェハー(薄い円形の板)を鏡のようにピカピカに磨き上げる過程で、液体や気体の化学物質をむらなく届ける装置を作っています。
これらの工程は激しい反応を引き起こすプロセスのため、密閉されたチェンバーの中で行われる必要があり、周囲の機器と高い統合性を持つ必要があります。アイコアは、ラムリサーチ(ティッカーシンボル:LRCX)とアプライドマテリアルズ(ティッカーシンボル:AMAT)という半導体製造装置メーカーの大手2社と緊密な関係を維持しています。
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最後に、通信関係の半導体を製作しているコルボ(ティッカーシンボル:QRVO)にも注目したいと思います。
コルボの売上の3分の2は、iPhoneなどのスマホ向けのRF(ラジオ周波)半導体ですが、残りの3分の1は防衛宇宙関連で、具体的にはミサイルに搭載される半導体や人工衛星に搭載される半導体を作っています。それらの防衛宇宙関連向け半導体の多くは、ガリウムひ素を使っています。
ガリウムひ素は猛毒のため、新規の半導体製造工場を立ち上げにくいというデメリットがあります。コルボの場合、ノースカロライナ州グリーンズボロー工場、テキサス州リチャードソン工場、オレゴン州ヒルズボロー工場で、すでにガリウムひ素半導体を製造しています。
今、イーロン・マスクのスペースXに代表される宇宙ベンチャー企業が続々と登場し、ロケット打ち上げのコストが劇的に下がっています。それと同時に、低軌道(LOE=地球から2000キロ以内の地球周回軌道)への人工衛星の打ち上げが盛んになっています。このことは、将来的にコルボの半導体が活躍する場が増えることを意味しています。
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【今週のまとめ】
今は景気敏感株よりハイテク株にチャンスがあると考え、
「テスラ」「フェイスブック」「アイコア」「コルボ」をチェック!
今、株式市場では「経済再開」を見越して景気敏感株が人気ですが、新型コロナウイルス向けワクチンの摂取状況を見ると、今はむしろハイテク株にチャンスがあると思います。
具体的には、テスラ、フェイスブック、アイコア、コルボがとりわけタイムリーだと思いますので、ぜひチェックをしてみてください。
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