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相変わらず「強い米国株・弱い日本株」という構図が続いています。
確かに、4月19日のNYダウは4日ぶりに反落し、前週末比123.04ドル安の3万4077.63ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、同137.577ポイント安の1万3914.765ポイントでした。この日は景気敏感株が売られたことに加え、米国の長期金利がやや上昇したことで、ハイテク株の一角も下落しました。
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しかしながら、前営業日の4月16日のNYダウは3日続伸し、前日比164.68ドル高の3万4200.67ドルと、連日で過去最高値を更新していました。また、ナスダック総合株価指数は続伸、同13.579ポイント高の1万4052.342ポイントでした。さらに、S&P500種株価指数も続伸し、同15.05ポイント高の4185.47ポイントと、連日で最高値を更新しました。
この日は、米国ではコロナワクチンを1回以上接種した人口が全体の4割近くに達し、複数の州では5割に近づいたと伝わったことが買い材料になりました。つまり、4月19日に反落したとはいえ、米国株は非常に強い動きを続けていると評価できます。
日経平均株価は、米国株が上げても上値は重く、
米国株が下がると輪をかけて下落する、非常に弱い値動きに
一方、4月16日の米国株式市場が非常に強い動きだったにもかかわらず、週明け4月19日の日経平均株価は、前週末比2.00円(0.01%)高の2万9685.37円と小幅高にとどまり、上値の重さが顕著でした。さらに、4月19日の米国株の反落を受けた4月20日の日経平均株価は、前日比584.99円安(−1.97%)の2万9100.38円と大幅安となりました。
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日経平均株価は、米国株が上げても上値は重く、逆に米国株が下がるとそれに輪をかけて下落するという、非常に弱い値動きとなっているのです。やはり、米国に比べて新型コロナウイルスのワクチン接種が大幅に遅れていることや、国内の新規感染者の拡大に歯止めが掛からず、経済活動の規制が強化されていることが大きく影響しているのでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まない状況が、
東京株式市場にとって大きな重しに!
ご存じの通り、大阪、東京を中心に、日本各地で新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースが加速しています。
このため、4月19日に大阪府の吉村洋文知事は、3回目の「緊急事態宣言」を政府に要請する考えを表明しました。吉村知事は、現時点で営業時間短縮を要請している飲食店に加え、百貨店やテーマパークといった大型の集客施設に休業を求める意向を示しました。兵庫県も大阪と足並みを揃える考えです。今回は1年前の緊急事態宣言時のような休業となり、それが長期化すれば、当然のことながら大型集客施設の運営企業への打撃は必至です。
また、4月18日、東京都の小池知事は「人の流れの抑制の効果的な方法や医療提供体制の強化策などを実施するためにも、緊急事態宣言の発出を政府に要請することも視野に入れて、スピード感をもって検討するよう都の職員に指示した」と述べました。東京都は、早ければ4月22日にも緊急事態宣言の発令を要請する方針を示しており、発令に向けては、時短からさらに踏み込んだ休業要請などについて国と協議しています。早くまとまれば週内、あるいは来週4月26日の宣言発令もあるのではないかと伝わっています。
ちなみに4月16日、政府は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の対象に、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県を追加すると決めました。期間は4月20日から5月11日までで、この段階で対象は10都府県に広がりました。
その後、愛媛県の中村時広知事は4月19日、「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請することを決定しました。また、茨城県の大井川和彦知事は4月19日、水戸市など6市町を感染拡大市町村に指定すると発表し、一定程度まとまった地域が感染拡大市町村になるタイミングで「まん延防止等重点措置」を要請する考えを示しました。さらに、札幌市は4月19日、「まん延防止等重点措置」への適用を国に要請するよう北海道に求め、両者が協議に入りました。
このように、行政により人の移動・経済活動などを制約する地域が着実に拡大しつつあります。
そして現在、猛威を振るっているのは感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株のため、第4波は第3波をはるかに超えるスケールになるという見方もあります。万が一、感染者が急増すれば重症患者数も増加し、その結果、各地で重症病床が不足してしまい、結果として死者数も増えかねません。そうなってくると、飲食業や観光業、大型集客施設運営業への直接的な業績への悪影響のみならず、個人消費全体の冷え込みも危惧されます。
したがって、新型コロナウイルスの国内の感染者数の減少が顕著になるまでは、東京株式市場では内需株は買えません。
米国市場は、景況感は良好なのに長期金利上昇が一服した絶好の状態!
東京株式市場で「内需株」は買えないが「外需株」を買うのはアリ
一方、米国経済は絶好調です。4月16日に発表された3月の米住宅着工件数が、前月比19.4%増の173万9000戸(年率換算)と市場予想の161万3000戸を大幅に上回り、2006年以来14年9カ月ぶりの高水準となりました。また、4月の米消費者態度指数(速報値)は、86.5と前月から1.6ポイント上昇し、2020年3月以来1年1カ月ぶりの高水準でした。
ワクチン接種の拡大に加え、米国政府の景気対策による給付額が大きいため、景況感が大幅に改善しているのでしょう。
それにもかかわらず、ウォラーFRB理事は4月16日、今年の米国経済に楽観を示しつつも早期の金融緩和縮小には慎重な姿勢を示しました。このため、米国の金融緩和が長期化するとの見方が強い状況が維持されています。
この結果、景況感は良好なのに米国長期金利の上昇は一服しており、これが米国株式市場の堅調さに直結しています。よって、新型コロナウイルスの国内の感染者数の減少が顕著にならなくても、外需株であれば、東京株式市場で買ってもいいでしょう。
ここまで述べてきたように、当面の東京株式市場で買えるのは「外需株」、買えないのは「内需株」です。
しかしながら、現在は「ゴールデンウィーク」を直前に控えており、さらに3月決算企業の決算発表が本格化している時期です。これらを考慮すると、無理して日本株を買うタイミングではないと見ています。むしろ、これから連休終了日までの時間は、「連休後にどの銘柄に投資するべきか」を研究する時間に充当することをおすすめします。
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