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新型コロナウイルス向けワクチンに関し、日本では、これまで医療従事者への接種が先行して進められてきましたが、4月12日からようやく65歳以上の高齢者、約3600万人を対象とする接種が始まりました。
報道によると、4月11日までに高齢者向けとして配送されたワクチンは、東京、神奈川、大阪が各3900回分、その他の道府県で各1950回分ずつだけですが、6月末には対象者全員が2回摂取できる量が供給される見通しとなっています。
国内では、各地で新型コロナウイルスの感染が再拡大を始め、東京などでは「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、緊張感が増しつつある状況です。今後、ワクチン接種が順調に進んでいくことは、我々の生活にはもちろん、株式市場にとっても安心感に繋がっていくことになるでしょう。
ファイザー/バイオンテックのワクチンはマイナス75度、
モデルナのワクチンはマイナス20度での保管・管理が必要
そんな経済活動の正常化に向けて大きな期待のかかるワクチンですが、日本では現在、米国のファイザー(PFE)とドイツのバイオンテック(BNTX)が共同で開発したワクチンが承認されており、今後、同じく米国のモデルナ(MRNA)、そして英国のアストラゼネカ(AZN)のワクチンがそれぞれ承認される見通しとなっています。
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これら3種類のうち、ファイザー/バイオンテックのワクチンはマイナス75度、モデルナのワクチンはマイナス20度という超低温下で保管・管理しなければならない扱いの難しいものとなっています。この点については、ワクチンが開発された当初からメディアで報じられており、知っている方も多いかと思います。
実際に日本でのワクチン接種が進んでいる中、ワクチンの保管・管理に必要な「ドライアイス」や「ワクチン保冷庫」の重要性に改めて注目が集まっていますが、今回は特に前者の「ドライアイス」の関連銘柄に焦点を当てたいと思います。
すでに4月に入っており、ワクチン接種がこのまま進展すると、あっという間に夏に突入して「ドライアイス」の需要期に重なることになります。そういった面からも、「ドライアイス」関連銘柄により短期資金が向かう局面が出てくる可能性が高いと考えられるためです。
具体的な銘柄選定にあたっては、さまざまなタイプのドライアイスを製造しているメーカーや、そうしたドライアイスメーカーをグループ会社に持つ企業を取り上げました。
【岩谷産業(8088)】
スノー状ドライアイスなど、さまざまなドライアイスを手掛ける
岩谷産業(8088)は、「水素」関連など、これまでに多様なテーマで注目されてきた銘柄で、一般的な角ドライアイスをはじめとして、アイスクリームの品質保持などに使われるビーズドライアイス、スノー状ドライアイスなど、さまざまなドライアイスも手掛けています。株価は、1月の高値7470円をピークに足元で調整が続いていますが、25日・75日移動平均線付近での底堅さが見られ、ここからの反転が期待できます。
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【エア・ウォーター(4088)】
全国シェア約50%を誇る業界のトップランナー
エア・ウォーター(4088)は、全国シェア約50%を誇るドライアイスのナンバー1メーカーで、ブロックドライアイスやスライスドライアイスなど用途に応じた製品を提供しています。株価は、3月22日に付けた高値2104円をピークに調整が続いていますが、これまで下値支持線として機能していた75日移動平均線近くまで下げて来たので、押し目買いのタイミングと言えるでしょう。
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【日本酸素ホールディングス(4091)】
ドライアイスを製造する日本液炭がグループ会社に
日本酸素ホールディングス(4091)は2020年10月、持株会社体制への移行に伴い、大陽日酸から現在の社名に変更しました。グループ会社には、石油精製施設や化学プラントなどで発生した炭酸ガスを回収し、ドライアイスや液化炭酸ガスを製造する日本液炭があります。株価は、2020年10月30日の安値1511円を底値に上昇トレンドが継続しており、13週種移動平均線が下値支持線として機能しています。
⇒日本酸素ホールディングス(4091)の最新の株価はこちら!
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【昭和電工(4004)】
ドライアイス製品を展開する昭和電工ガスプロダクツの親会社
昭和電工(4004)は、傘下にドライアイス製品を展開している昭和電工ガスプロダクツがあります。株価は、2020年11月5日の安値1732円を底値に上昇トレンドが継続。13週移動平均線が下値支持線として機能しているので、さらなる上昇を期待したいところです。
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【東邦アセチレン(4093)】
急騰前の水準まで下落したことで「底入れ」が意識される
東邦アセチレン(4093)は、スノー状ドライアイスを液化炭酸ガスから製造する装置などを展開しています。株価は長く1200〜1300円付近で推移していましたが、2020年12月に一時1948円まで急騰。その後は調整が続いていますが、急騰前の水準まで下がってきたことで「底入れ」が意識されるため、押し目買いを狙いたいところです。
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以上、今回は新型コロナウイルス向けのワクチン接種の進展を背景として、「ドライアイス」関連銘柄に注目しました。
「ワクチン」関連としては、これまでに保管用の「保冷庫」関連銘柄としてツインバード工業(6897)、「注射器」関連としてニプロ(8086)やテルモ(4543)などが物色されてきました。
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また「ワクチン輸送」の関連銘柄として、SGホールディングス(9143)やヤマトホールディングス(9064)、セイノーホールディングス(9076)などへも物色の広がりを見せる可能性があります。
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今後、日本でのワクチン接種が進むことで、物色対象にさらに広がりを見せる可能性は十分にあるので要注目です。
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