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米国では、S&P500銘柄の約60%が決算発表を終えたが、
そのうち86%の銘柄がEPSで予想を上回る好調ぶり!
米国では2021年第1四半期の決算発表シーズンを迎えていますが、4月30日までにS&P500指数採用銘柄の約60%が決算発表を終えました。そのうち86%の銘柄がEPSで、78%の銘柄が売上高で予想を上回りました。これは好調な滑り出しと言えます。
セクターでは、フォード(ティッカーシンボル:F)などの「消費循環」やゴールドマンサックス(ティッカーシンボル:GS)などの「金融」、フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)などの「コミュニケーション・サービス」、ヘス(ティッカーシンボル:HES)などの「エネルギー」が好調でした。
また、ポジティブ・サプライズを出した企業の株価は、平均で+0.9%上昇しました。これは例年の平均とあまり変わりません。
注目されるGAFAM、つまり、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)、アップル(ティッカーシンボル:AAPL)、フェイスブック、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)、マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)に関しては、すべて良い決算でした。それぞれ、詳しく解説していきましょう。
【アルファベット[グーグル](GOOG)】
全体的にコストが良く管理されたことで利幅が伸びる
アルファベット(グーグル)の第1四半期決算は、EPSが予想15.64ドルに対して26.29ドル、売上高が予想514億ドルに対して553億ドル、売上高成長率が前年同期比+34.4%でした。
部門別売上高は下の表の通りです。
■アルファベットの部門別売上高 | ||||||
部門 | 売上高(前年同期) | |||||
グーグルサーチ | 318.8億ドル(245億ドル) | |||||
YouTube | 60億ドル(40.4億ドル) | |||||
グーグル・ネットワーク | 68億ドル(52.2億ドル) | |||||
グーグルサービス・その他 | 64.9億ドル(44.4億ドル) | |||||
グーグル・クラウド | 40.5億ドル(27.8億ドル) | |||||
アザー・ベッツ | 1.98億ドル(1.35億ドル) |
また、トラフィック・アクイジション・コスト(TAC=広告を表示させるのにかかるコスト)は97.1億ドル(前年同期は74.5億ドル)でした。
全体的にコストが良く管理されており、利幅が伸びたのが印象に残りました。さらに、アルファベットの場合、スマホの位置情報などに依拠した広告表示が多いため、経済再開で人々が街に繰り出したことが業績にとってプラスに働いたと考えられます。
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【アップル(AAPL)】
最近の半導体不足はiPhoneの生産には影響なし
アップルの第2四半期(3月期)決算は、EPSが予想98セントに対して1.40ドル、売上高が予想768.4億ドルに対して895.8億ドル、売上高成長率が前年同期比+53.6%でした。
製品別売上高は下の表の通りです。
■アップルの製品別売上高 | ||||||
製品 | 売上高(前年同期) | 予想 | ||||
iPhone | 479.4億ドル(289.6億ドル) | 410億ドル | ||||
Mac | 91億ドル(53.5億ドル) | ― | ||||
iPad | 78.1億ドル(43.7億ドル) | 57億ドル | ||||
ウエアラブルズ | 78.4億ドル(62.8億ドル) | ― | ||||
サービス | 169億ドル(133.5億ドル) | 157億ドル |
最近の半導体不足に関しては、少なくともiPhoneの生産にはあまり影響がありませんでした。しかし、MacやiPadの今後の生産に関しては、やや不安が残りました。また、サービス売上高は投資家がとりわけ注目している項目ですが、予想を楽々上回りました。
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【フェイスブック(FB)】
2021年は広告平均単価の成長が売上高成長を牽引
フェイスブックの第1四半期決算は、EPSが予想2.32ドルに対して3.30ドル、売上高が予想236.1億ドルに対して262億ドル、売上高成長率が前年同期比+47.7%でした。
デイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)は+8%でした。広告平均単価(ARPU)は前年同期比+30%の9.27ドルで、地域別に見ると米国・カナダが48.03ドル、欧州が15.49ドル、アジアが3.94ドル、その他が2.64ドルでした。また、広告表示回数は+12%でした。
2021年は、広告平均単価の成長が売上高成長を牽引すると考えています。さらに、第2四半期の売上高は、第1四半期と同じかそれ以上のペースで拡大すると予想されています。フェイスブックは滅多に強気のガイダンスを出さないので、この第2四半期の見通しに関するガイダンスは珍しいと思います。
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【アマゾン(AMZN)】
好決算にもかかわらず投資家の反応が今ひとつ
アマゾンの第1四半期決算は、EPSが予想9.55ドルに対して15.79ドル、売上高が予想1045.9億ドルに対して1085.2億ドル、売上高成長率が前年同期比+43.8%でした。
北米売上高は前年同期比+40%の643.7億ドル(前年同期は461.3億ドル)、海外売上高は前年同期比+60%の306.5億ドル(前年同期は191.1億ドル)、AWS売上高は前年同期比+32%の135億ドル(前年同期は102.2億ドル)でした。また、営業マージンは8.2%(前年同期は5.3%)でした。
第2四半期の売上高は、予想1075.8億ドルに対して新ガイダンス1100億〜1160億ドルが提示されました。
アマゾンは、新型コロナウイルス向けワクチンの接種が進んで人々が街に繰り出すと、悪影響を受ける銘柄だと考えられています。好決算にもかかわらず投資家の反応が今ひとつだったのは、そのせいだと思います。
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【マイクロソフト(MSFT)】
「Azure(アジュール)」の売上高成長率が前年同期比で+50%と好調!
マイクロソフトの第3四半期(3月期)決算は、EPSが予想1.77ドルに対して1.95ドル、売上高が予想408.3億ドルに対して417.1億ドル、売上高成長率が前年同期比+19.1%でした。
部門別売上高は下の表の通りです。
■マイクロソフトの部門別売上高 | ||||||
部門 | 売上高(前年同期比成長率) | |||||
プロダクティビティ&ビジネスプロセス | 136億ドル(+15%) | |||||
インテリジェント・クラウド | 151億ドル(+23%) | |||||
モアパーソナル・コンピューティング | 130億ドル(+19%) |
なお、クラウドサービス「Azure(アジュール)」の売上高成長率は、前年同期比+50%でした。
マイクロソフトはすべての部門が良い感じで成長しました。ただ、モアパーソナル・コンピューティング部門はゲームに関連しており、経済再開により人の外出が増えることがやや逆風になることが予想されます。
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【今週のまとめ】
好決算だったGAFAMは、昨年9月から株価が横ばい気味で
割安感が出ているので、今が絶好の仕込み場!
米国の第1四半期決算発表シーズンは折り返し地点を過ぎましたが、これまでは総じて良い決算でした。
注目されていたGAFAMの決算も非の打ちどころがありませんでした。GAFAMの株価は、去年9月頃から横ばい気味の状態が続いていて大分割安感が出ているので、今が絶好の仕込み場だと思います。
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