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【米国株】「エアビーアンドビー(Airbnb)」に注目!経済活動再開の流れに乗って好決算を発表しながら、未だ株価に反映していない今こそ“絶好の買い場”に!

2021年8月16日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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エアビーアンドビーが8月12日に
スッキリとした素晴らしい決算を発表!

 2020年12月にエアビーアンドビー(Airbnb、ティッカーシンボル:ABNB)が新規株式公開(IPO)して以降、私はこの株が嫌いで一度も推奨したことがありません。しかし、8月12日に発表されたエアビーアンドビーの2021年第2四半期の決算は、スッキリとした素晴らしい内容で、「エアビー・ヘイター」の私としても同社の素晴らしさを認めざるを得ませんでした

 そこで今回は、エアビーアンドビーを取り上げます。

コロナ禍からの経済活動再開の流れを背景に、
営業キャッシュフローや売上高が着実に成長!

 私は企業を見るときいろいろな財務データを見るのですが、とりわけ営業キャッシュフローを重視しています。その理由は、利益や売上高と違って、実は営業キャッシュフローが一番粉飾しにくい数字だからです。

 エアビーアンドビーの営業キャッシュフローは下のグラフの通りです。

 2020年の第3四半期が突出しているのは、コロナ禍で在宅勤務となったものの「家族とは離れて静かなところで仕事したい!」という人たちが、仮の仕事場とするため、エアビーアンドビーで自宅に近い物件を借りるケースが多かったことに起因しています。この傾向は、この後紹介するグラフにも共通しています。

 この2020年の第3四半期を除いて考えると、2020年の第1四半期から2021年の第2四半期まで、営業キャッシュフローはきれいに伸びています。これが何を意味するのかというと「経済活動再開は現実に起きている!」ということです。
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 エアビーアンドビーの予約は、北米エリアがとりわけ強かったです。欧州エリアは少し出遅れましたが、こちらも今活発化しています。

 強いて言えば、6月、7月に夏の行楽シーズンで予約数が増加したため、その反動で足元の予約は若干緩んでいるそうです。また、新型コロナウイルスのデルタ変異株のニュースも、旅行需要を抑える要因になっていると考えられます。

 しかし、そのような季節要因や不安なニュースを勘案したうえでも、中期的なトレンドとして旅行需要は右肩上がりで伸びてゆく、とエアビーアンドビーの経営陣は考えています

 ユーザーがエアビーアンドビーを予約した総代金を指す「グロス予約高(Gross bookings)」は、以下のように推移しています。

 そして、グロス予約高から物件提供者であるホストに対して対価を支払った残りのお金が、エアビーアンドビーの「売上高(Revenue)」になります。売上高の推移は以下の通りです。

・グロス予約高−ホストへの支払額=売上高

宿泊予約数と平均宿泊単価も右肩上がりで、
売上高成長率は前年同期比+298.7%に!

 次に、エアビーアンドビーの宿泊予約数(延べ何泊予約されたかで表示)は下のグラフのようになっています。

 そして、先ほどのグロス予約高を宿泊予約数で割った数字が、平均宿泊単価になります。

・グロス予約高÷宿泊予約数=平均宿泊単価

 つまり、エアビーアンドビーは、予約数と宿泊単価のどちらも伸びているということです

 ちなみに、2021年第2四半期のEPSは予想-43セントに対して-11セント、売上高は予想12.7億ドルに対して13.4億ドル、売上高成長率は前年同期比+298.7%でした。

エアビーアンドビーの物件掲載数は過去最高に!
最近のトレンドを踏まえた新機能も実装

 エアビーアンドビーの経営者は、最近の旅行の特徴として「人々は昔よりいろんなところへ旅行しているし、旅行の期間もより長くなっている」と指摘しています。そして新しい旅行先が増え、借り手の需要が高まると、自ずと宿泊施設を提供するホストの数も増える傾向にあるそうです。

 そのような理由から、今、エアビーアンドビーの物件の掲載数は過去最高に達しています

 また、新型コロナ以前だと長期滞在は重要ではありませんでした。しかし、新型コロナ後は長期滞在型の需要もとても重要になってきています。

 旅行に関するもうひとつの新しいトレンドとして、エアビーアンドビーで物件を探しているユーザーの40%が旅行先や旅行時期に関してフレキシブルに考えており、「何か良い特売セールがあれば、旅行のタイミングや行先はそれに合わせて変更しても良い」と考えていることが指摘できます。

 この潜在需要をもっと掘り起こすために、エアビーアンドビーは「私はフレキシブルです」というボタンを実装しました。物件をサーチする際にこのボタンを押すと、日程や行き先の条件を緩やかにして最も有利な条件の物件が表示されます。これは、供給能力が余っているところ(=値段が下がっている物件)へユーザーの需要を振り向ける働きをするので、貸す側も借りる側もハッピーです。

 つまり、以前はまずロケーション、次に日付の順番でサーチし、物件を絞り込んでいくのが当たり前だったのですが、今は「バーゲンセールにインスパイアされた旅行プラン」というのが新型コロナ後の新しい流行になっているのです。

【今週のまとめ】
エアビーアンドビー決算は素晴らしい内容!
株価には反映されていない今が絶好の買い場に

 エアビーアンドビーの2021年第2四半期の決算は良い内容で、営業キャッシュフロー、グロス予約高、予約回数、予約単価などが、すべてきれいに伸びています。エアビーアンドビーの株価は、このような好決算を未だ反映していないと思いますので、絶好の買い場と言えるでしょう。
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