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岸田首相は12日6日、国会で所信表明演説を行いました。
演説では新型コロナウイルスへの対応に関し、オミクロン株のリスクを考慮して「最悪の事態を想定する」と危機管理への決意を示しました。3回目のワクチン接種についても、これまで「2回目の接種から原則8カ月以上あと」としてたものを、できる限り前倒しすると表明。また「飲める治療薬」を新型コロナウイルスに対する今後の切り札と位置づけ、年内の薬事承認を目指すと述べました。
岸田首相が推進する「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」は、
日本を周回する形で海底ケーブルを敷設する超大型プロジェクト
さらに、岸田首相は所信表明演説のなかで、「新しい資本主義」の下での成長戦略として「イノベーション」「デジタル田園都市国家構想」「気候変動問題」「経済安全保障」の4つを挙げ、大胆な投資を行うことを表明しました。
これら4つの成長戦略のなかで、注目したいのが「デジタル田園都市国家構想」です。「デジタル田園都市国家構想」とは、海底ケーブルで日本を周回する「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」を3年程度で完成させ、各地に設置する大規模データセンターや光ファイバー、5Gと組み合わせることで、日本中のどこにいても高速大容量のデジタルサービスを使えるようにする構想のこと。今後、4兆4000億円を投入し、地域が抱える「人口減少」や「高齢化」「産業空洞化」などの課題をデジタルの力で解決することを狙っています。
そこで、今回は「デジタル田園都市国家構想」に関連した投資テーマとして、「海底ケーブル」や「光ファイバー」「大規模データセンター」に関連する銘柄に注目しました。
これまで「デジタル田園都市国家構想」の関連銘柄としては、主に自治体向けの案件に強いシステム関連企業や、5Gに関連する企業が注目されてきました。しかし、今回、所信表明演説で「『デジタル田園都市スーパーハイウェイ』を3年程度で完成させる」と明らかにされたことにより、その敷設に欠かせない「海底ケーブル」「光ファイバー」「大規模データセンター」のメーカーにおいて設備投資の加速が期待されます。
具体的な関連銘柄としては、「ケーブル」関連の住友電気工業(5802)は大型株となりますが、それ以外は比較的中小型で、かつ今期増収増益を見込んでいる銘柄を選定しました。
なお、光海底ケーブルの敷設ではNEC(6701)が高いシェアを持っていますが、すでに「デジタル田園都市国家構想」の関連銘柄として注目度が高まっているため、今回は除きました。
【精工技研(6834)】
さまざまな用途の光通信用部品を製造
精工技研(6834)は、射出成型技術や精密加工技術を軸に、車載向けや医療・バイオ向けなど、各種の精密成型品を手掛ける企業です。光ファイバーやフェルールなどを用いて、さまざまな用途の光通信用部品を製造。さらに、データセンターなどの超高密度実装配線用のコネクターも手掛けています。株価は、2021年1月につけた高値2835円をピークに下落トレンドが継続しており、2020年3月以来の水準まで調整しました。PBRは0.6倍台とバリュエーション面での割安感もあり、リバウンド狙いで注目しておきたい銘柄です。
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【大泉製作所(6618)】
海底ケーブルで使われる光通信レーザーモジュール用の製品を製造
大泉製作所(6618)は、半導体セラミックスのサーミスタを利用した各種電子部品の製造・販売を行っています。サーミスタとは、温度変化に対し極めて大きな抵抗変化を示す半導体セラミックスのこと。温度センサーなどの素子として、温度の計測や機能の制御、電子・電気機器の回路の安定化などを支える材料で、海底ケーブルでも光通信レーザーモジュールに使われています。株価は下落トレンドが続いており、6月11日につけた安値749円と二点底(ダブルボトム)形成からのリバウンドが期待できます。
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【住友電気工事(5802)】
海底ケーブルの製造から敷設まで一括で請け負う
住友電気工事(5802)は、電線・ケーブルの製造技術をベースに、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材の5つのセグメントで、グローバルに事業を展開する企業です。グループ企業では海底ケーブルの製造から敷設まで一括で請け負うことができ、日本のみならず世界中で送電インフラの整備に貢献しています。株価は、3月19日につけた高値1802円をピークに緩やかな下落トレンドが継続していましたが、足元では、8月20日の安値1382円を底値にリバウンドの動きを見せてきているので、ここからの上昇が期待できます。
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【santec(6777)】
光伝送装置に不可欠な光部品などを手掛ける
santec(6777)は。光ファイバー内を伝搬する光伝送信号の強度を監視する「光モニタ」製品や、光の強度を適切に管理する「光可変アッテネータ(減衰器)」製品など、光伝送装置に不可欠な部品を製造しています。株価は、10月5日の安値1305円を底値に急激なリバウンドを見せています。足元では、急騰の反動から過熱を冷ます形で調整しているので、押し目狙いのスタンスになります。
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【AGS(3648)】
都市型データセンター「さいたまiDC」を運営
AGS(3648)は、埼玉を拠点に金融・公共・法人の3領域で、コンサルティングからシステム構築、 保守・運用まで、さまざまなサービスを提供しています。東京・新宿駅から電車で40分以内の場所にある都市型の大規模データセンター「さいたまiDC」も運営。震災の影響を受けにくい強固な地盤と、洪水による水害の危険性が少ない立地が特徴となります。株価は、9月28日の高値998円をピークに下落トレンドが継続していますが、5月13日の安値789円の水準まで調整してきており、底入れが意識されます。
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【システムサポート(4396)】
関連会社がデータセンターを運営
システムサポート(4396)は、情報通信技術を活用したシステムのコンサルティングから、企画・開発・構築、運用・保守まで、システム運営に関するサービスを総合的に提供する企業です。「デジタル田園都市国家構想」関連事業としては、関連会社のイーネットソリューションズがデータセンターを運営しています。株価は下落トレンドが続いていますが、足元で1150円辺りを底値にリバウンドの動きを見せており、上昇トレンドへの転換に期待したいところです。
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以上、今回は「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」に関連した投資テーマのなかから、「海底ケーブル」「光ファイバー」「大規模データセンター」の関連銘柄に注目しました。
「デジタル田園都市国家構想」関連としては、今回紹介したほかに「クラウド」関連などにも関心が集まる可能性が高いと考えられます。それらについては、今後、改めて注目銘柄を紹介していきたいと思います。
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