金(ゴールド)に投資するなら「金ETF」「金鉱株ETF」
「金鉱株」がおすすめ! 金価格が急上昇している背景や
中央銀行・機関投資家が「金」を保有する理由も解説!

2020年2月24日公開(2020年3月9日更新)
広瀬 隆雄

「アップルの利益警告」と「PMI速報値の悪化」の
ダブルパンチで、先週の米国株は大きく下落!

 先週は、2つの材料により米国株がギクシャクした展開となりました。

 まず、2月17日(月)にアップル(ティッカーシンボル:AAPL)が「新型コロナウイルス(COVID-19)でiPhoneの部品が不足している。中国における消費も鈍化したので、1月末の決算発表で示した来期の売上高ガイダンスは達成できない」と利益警告(下方修正)しました。

 ちなみに、1月末にアップルが第1四半期決算(12月期)決算を発表したときの第2四半期(3月期)の売上高ガイダンスは、予想623億ドルに対して新ガイダンス630億〜670億ドルが提示されていました。これはもう達成不可能なのです。

 株式市場は、このニュースを嫌気して2月18日(火)は下げたものの、調整は一日だけで水曜日には鋭角的に戻しました。押し目を待ち構えていた投資家が、「わっ」とバーゲンハンティングに出たためです。

■ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・3カ月
ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・3カ月ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 しかし、2月21日(金)に2月の米国の購買担当者指数(PMI)速報値が発表されると、投資家はその中身の悪さに目を見張りました。製造業PMI速報値は50.8でした。ちなみに1月は51.9でした。サービス業PMI速報値は49.4でした。1月は53.4でした。

 このダブルパンチで悲観論が優勢となり、米国株は大きく売られて週末を迎えました。

新型コロナウイルスは一過性の材料と思われるが、
目先の米国株はもうしばらく調整が進む見通し!

 私の考えでは、新型コロナウイルスは一過性の材料であり、それが一巡すればマーケットはまた買って行けると思います。つまり、3月くらいから再び市場は上昇に転じるというわけです。その前に、目先は主要株価指数がもう少し軟化して、50日移動平均線を試す展開になることが予想されます

 ダウ工業株価平均指数(NYダウ)の50日移動平均線は2万8800付近、S&P500指数の50日移動平均線は3274、ナスダック総合指数の50日移動平均線は9228を通っています。

■S&P500指数チャート/日足・3カ月
S&P500指数チャート/日足・3カ月S&P500指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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米国株が下落する中、各国の中央銀行や機関投資家は
リスク回避の手段として「ゴールド」に再注目!

 そんなわけで、米国株式市場は少し調整が必要となっていますが、このようなリスク回避色が鮮明なときは、ゴールドが輝きます。実際、金価格は、今年の高値1648.80で引けています。

■金(現物 1oz.あたり、単位:ドル)チャート/日足・3カ月
金(現物 1oz.あたり、単位:ドル)/日足・3カ月金(現物 1oz.あたり、単位:ドル)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 折から、ゴールドはブレグジットや米中貿易戦争、米大統領選挙など、さまざまなイベント・リスクならびに世界の中央銀行の低金利政策などを受けて、このところ堅調に推移してきました。

 かつてゴールドの最大の買い手は、インドの金細工業者でした。しかし今は、買いの本尊が世界の中央銀行や機関投資家になっています。ETF(上場型投信)を通じた個人の買いも活発です。

 中央銀行は、外貨準備をドルだけで保有するのではなく、リスク分散の意味でゴールドに再注目しています。これは長期的な準備通貨のリバランスなので、今後も数年に渡って中央銀行からの高水準の買いが予想されます。

 機関投資家は、ゴールドの持つ「分散効果」に目を付けて、ゴールドへの資産配分を増やしています。それというのも、先週のように株式市場が急落する局面ではゴールドは株式をアウトパフォームすることが知られているからです。

 ゴールドと株式の相関は低く、ポートフォリオのヘッジ資産として有効です。さらに、過去20年のゴールドのリターンは年間8%を少し下回る程度で、これは米国株のリターン8.3%とあまり遜色はありません。

 ゴールドは、毎日1500億ドル前後の取引が成立しており、流動性の高い投資対象です。加えて、ボラティリティーは他の原資産と大きな差はありません。

 このようなさまざまなゴールドの特徴が、分散対象として理想的な条件を創り出しているのです。

「ゴールド」への投資方法は、大きく分けて
「金ETF」「金鉱株ETF」「金鉱株」の3つ

 一番カンタンなゴールドへの投資法は、SPDRゴールドシェア(ティッカーシンボル:GLD)という金価格に連動するETFを買うことです。これはニューヨーク証券取引所に上場されており、米国株を買い付けるのとまったく同じ要領で買うことが出来ます。

 次のやり方として、金鉱株を買う方法があります。これは、1)金鉱株ETFを買うやり方と、2)個別株を買う方法があります

 金鉱株ETFでポピュラーなのは、ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(ティッカーシンボル:GDX)です。これは大手の産金会社を投資対象にしたETFです。

 一方、小規模な産金会社を主に組み込んでいるヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF(ティッカーシンボル:GDXJ)もあります。こちらのETFのほうが、金価格の変動に応じて荒っぽく値動きします。

 個別銘柄では、米国最大手のニューモント(ティッカーシンボル:NEM)が代表的な銘柄になります。さらに、操業コストが高く、したがって業績の変化率が大きい企業としては、アングロゴールド・アシャンティ(ティッカーシンボル:AU)があります。

 なお金鉱株には、操業リスク、環境問題リスク、財務リスク、政治リスク、確認埋蔵量の見積もりの誤りのリスク、政変リスクなど、さまざまなリスクがあります。

【今週のまとめ】
「SDPRゴールドシェア」「ニューモント」など、
金に投資できるETFや個別株をチェックしよう!

 先週は、アップルの利益警告とPMI速報利の急低下のダブルショックで米国株は軟調でした。投資家がリスク回避姿勢を強める局面では、ゴールドがアウトパフォームしやすいです。近年、ゴールドは世界の中央銀行が買いの本尊となっており、需給に影響を与えています。具体的な投資方法としては、以下の銘柄が良いでしょう。

ゴールド(金)に投資できるおすすめ銘柄
銘柄名(ティッカーコード) 概要 最新株価
SDPRゴールドシェア(GLD) 金ETF
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ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX) 大手の金鉱株を投資対象にしたETF
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ヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF(GDXJ) 小規模な金鉱株を投資対象にしたETF
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ニューモント(NEM) 米国最大手の金鉱株
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アングロゴールド・アシャンティ(AU) 金鉱株
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【※過去にゴールドを解説した記事はこちら!】
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