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【米国株IPO】「ダックホーン・ポートフォリオ」は、
全米トップクラスのワインメーカー! 拡大する米国の
高級ワイン市場で、急成長を続ける企業が新規上場へ

2021年3月15日公開(2021年3月15日更新)
広瀬 隆雄
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高級ワインメーカー「ダックホーン・ポートフォリオ」が
ニューヨーク証券取引所に新規株式公開!

 カリフォルニア州ナパ郡セントヘレナに本社を置く高級ワインメーカー、ダックホーン・ポートフォリオ(Duckhorn Portfolio、ティッカーシンボル:NAPA)が、3月18日、ニューヨーク証券取引所に新規株式公開(IPO)します。幹事はJPモルガンとクレディスイス、ジェフリーズで、価格は2000万株を14〜16ドルです。

 ダックホーン・ポートフォリオのワインは、ワイン専門誌で高い評価を得ており、例えば、2017年には「ダックホーン」ブランドのメルロー「2014年スリー・パームズ・ビンヤード」が、2011年には「コスタ・ブラウン」ブランドのピノノワール「2009年ソノマ・コースト」が、それぞれワインスペクテーター誌のランキングで首位を獲得しました。

70年代にはブレンド用のブドウ品種と見なされていた
「メルロー」にこだわったワイン造りで成功を収める

ダックホーン・ポートフォリオ公式サイト・画像ダックホーン・ポートフォリオ公式サイト

 ダックホーン・ポートフォリオを創業したのは、ダン・ダックホーンとマーガレット・ダックホーンの夫妻。1976年にワイナリーを設立し、1978年には最初のワインを1600ケース出荷しました。

 ダン・ダックホーンは、創業当初から赤ワイン用ブドウ品種のメルローにこだわりを持っていました。

 当時、メルローは、同じ赤ワイン用のブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンなどに混ぜて使用される「ブレンディング・グレープ」という扱いで、メルローそのものを楽しもうという習慣はありませんでした。しかしダン・ダックホーンは、メルローのエレガントでベルベットのような柔らかい口当りやその色彩、どんな料理にも合う自己主張が強すぎないテイストに魅せられ、「メルローのワインをひとつのカテゴリーとして消費者に定着させよう」という決意を抱き、成功したのです。

 ダックホーン・ポートフォリオは、まず「ダックホーン」と「デコイ」という2つのブランドを中心として販売を拡大し、その後、ピノノワールというブドウ品種に特化したブランド「コスタ・ブラウン」を買収します。

 ダックホーン・ポートフォリオは、その他にも「ゴールデンアイ」や「パラドックス」「カレラ」「マイグレーション」「カンヴァスブラック」「グリーンウイング」「ポストマーク」などの高級ワインブランドを展開しています。

急速に拡大している米国の高級ワイン市場において、
「ダックホーン・ポートフォリオ」は高い平均販売単価と成長率を維持

 ダックホーン・ポートフォリオは、生産高ベースで全米トップ15のワイン醸造業者の中で、平均販売単価が21ドルと最も高く、かつ34%と最も急成長しています

 ちなみに、出荷量ベースで一番大きい企業はE&Jガロですが、その平均販売単価は6ドル、成長率は8%です。次に大きいのは「ロバート・モンダビ」というブランドを持つコンステレーション・ブランズ(ティッカーシンボル:STZ)で、こちらの平均販売単価は9ドル、成長率は4%です。

 一方、米国のワイン市場の規模は530億ドルです。とりわけ高級ワイン市場は、ワイン市場全体の成長率14%より高い21%で成長しています

 ワイン市場拡大の理由は、ミレニアル世代(22〜38歳)とZ世代(6〜24歳)がお酒を消費する年齢になってきていることが挙げられます。この世代は、ファーマーズ・マーケット(地元の農家が直接販売する青空市場でオーガニック食材が多い)や料理ショーを見て育ってきたため、普段からグルメ文化に高い関心を持っています。彼らは、所有するよりも体験することに価値を置いており、ワインを味わうこともそのような「体験型消費」の一環であると捉えています。

 こうした社会状況を背景として、価格帯にして20〜200ドルの高級ワイン市場の規模は、過去8年間で2倍に成長しました

 高級ワイン市場の特徴として、事業規模が零細な1800のブティック・ワイナリーがひしめいているということが指摘できます。それらのワイナリーは、ワイン愛好家の専門誌が出すレビューやランキングに大きく左右され、浮き沈みを繰り返しています。

 ダックホーン・ポートフォリオの場合、慎重に選別したブランドを、卸売とデジタル販売の両方で丁寧に販売しています

 例えば、「コスタ・ブラウン」は酒屋など従来型の流通経路にあまり依存せず、もっぱらワイン愛好家と直接リレーションシップを築くことに力を入れています。自社ワイナリーで試飲してもらうことに加え、デジタル戦略にも力を入れ、リピート顧客をしっかり掴んでいます。

 ダックホーン・ポートフォリオは、ナパとソノマに合計843エーカーのブドウ園を所有しています。例えば「ダックホーン」と「パラドックス」はカリストーガ地区を中心とするナパのブドウ園で、「コスタ・ブラウン」はソノマ・コーストのブドウ園で収穫されたブドウを使っています。

ワイン醸造ビジネスは、収穫した年によって
ブドウの品質や評判が安定しないことがリスク!

 高級ワインは、その年に収穫されたブドウの良し悪しに品質や評判が左右されます。ダックホーン・ポートフォリオのワインはコンスタントに高い評価を得ていますが、他社のワインにはかつて高い評価を得ていたのに現在は評判を落としているワインも珍しくありません。

 また、ブドウ園があるナパは、地震が頻発する地域として知られており、さらに毎年のように発生する山火事でブドウ園が焼失するリスクもあります。

「ダックホーン・ポートフォリオ」の業績を見ると、
売上高と修正EBITDAが右肩上がりの成長を継続!

 ダックホーン・ポートフォリオは、カリフォルニア州マリン郡ラークスパーのプライベート・エクイティー・ファンド、TSGコンシュマー・パートナーズによって所有されています。IPO後も、TSGグループがダックホーン・ポートフォリオの議決権の75%を保有する見通しです。

 2020年7月31日で締めたダックホーン・ポートフォリオの売上高は2.71億ドル、修正EBITDAは1.05億ドルでした。また、純利益は3238万ドルで、営業キャッシュフローは5518万ドルでした。

【今週のまとめ】
市場拡大中の高級ワイン市場において順調に成長を続ける
「ダックホーン・ポートフォリオ」のIPOに期待!

 今週、ニューヨーク証券取引所にIPOするダックホーン・ポートフォリオは、市場拡大中の高級ワイン市場において、最も高い成長率を維持しているワインメーカーです。ダックホーン・ポートフォリオのワインは批評家からも評判が良く、デジタル戦略など販売にも力を入れています。IPO後の成長に期待したいところです。
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