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政府は10月18日、新型コロナウイルス対策として行われてきた行動制限を一定の条件下で緩和する「ワクチン・検査パッケージ」について、飲食店での実証実験を始めると発表しました。実証実験は21日の京都府を皮切りに、北海道や福岡県で順次実施されます。
そんななか、すかいらーくホールディングス(3197)は10月18日、ファミリーレストラン「ガスト」などで、料理の配膳や下げ膳を行うロボットを順次導入することを発表しました。計画では、2022年4月までに約1000店、同年末までにさらに約1000店へ導入する予定となっています。
なお、ロボット導入後も従業員数は維持する計画で、従業員は入店の待ち時間解消のため会計や清掃に回るなど、人とロボットが協働することでより効率的な店舗運営が可能だと考えているようです。
同様に、ファミリーレストラン「サイゼリヤ」を展開するサイゼリヤ(7581)は、9月からアルファクス・フード・システム(3814)の配膳AIロボット「サービスショットα2号機」の実証実験を「サイゼリヤ台場フロンティアビル店」で開始しました。このロボットは、配膳、下げ膳、案内の3モードで運用できるとのことです。
新型コロナ感染症が収束に向かい、経済活動の正常化が進むにつれ、
さまざまな業界で「非接触」を実現するロボットの重要度が増加
新型コロナウイルス感染症により清潔さへの意識が急速に高まったことで、この先コロナ禍が収束に向かったとしても、外食業界では接客サービスの「非接触化」が求められると見られます。前述した「ガスト」や「サイゼリア」のように、ロボットを活用した「非接触サービス」の提供により、顧客満足度の向上を目指す動きが広がっていく可能性は高いでしょう。
「非接触化」の流れは外食産業だけではありません。経済活動の正常化が進むにつれ、さまざまな業界において「非接触」を実現するロボットの重要度が増していくと考えられます。そこで今回は「サービスロボット・協働ロボット」の関連銘柄に注目しました。
「サービスロボット」とは、人に対して何らかのサービスを提供するロボットのことで、前出した「ガスト」や「サイゼリア」で配膳ロボットや、ロボット掃除機の「ルンバ」などをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
一方、「協働ロボット」は、人と同じ空間で人と協力しながら働くロボットのことです。「協働ロボット」は飲食店向けの配膳ロボットのほか、工場などでよく利用されています。「協働ロボット」の導入は、人件費を抑えて作業効率を上げるだけでなく、作業員同士の距離が空いて三密が回避されるため、新型コロナウイルスの感染対策という面からも一定の効果が見込まれます。
「ロボット」関連銘柄としては、産業用ロボットを手掛けているファナック(6954)や安川電機(6506)、キーエンス(6861)、SMC(6273)などの名前がすぐに挙がってきますが、こうした大手ロボット企業はすでに市場で広く認知されています。また、市場では「協働ロボット」関連銘柄のほうが、比較的注目されることが多いようです。そこで今回は、大手ロボット企業を避け、かつ市場ではまだそれほど注目を集めていない「サービスロボット」関連にやや重点を置いて銘柄を選定しました。
【アルファクス・フード・システム(3814)】
配膳・除菌AIロボット「サービスショット」を開発
アルファクス・フード・システム(3814)は、飲食店や仕出し、給食など、あらゆる外食産業向けに特化した情報システムサービスを手掛けています。前出の「サイゼリヤ」で実証実験が行われている配膳AIロボット「サービスショット」は、AIが歩行ルートを導き出して店内を移動する完全自立走行型のサービスロボットです。また、自律走行をしながら紫外線照射や薬剤噴射で店内の除菌を行う除菌AIロボット「サービスショットα4号」も扱っています。
⇒アルファクス・フード・システム(3814)の最新の株価はこちら!
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【NECネッツエスアイ(1973)】
自律走行型配送ロボット「YUNJI DELI」を提供
NECネッツエスアイ(1973)は、配送ロボット「YUNJI DELI」を開発しています。「YUNJI DELI」は、各種センサーにより空間や障害物を認識して目的地まで自律走行が可能で、最大50kgまでのモノを配送できます。飲食店や宴会場での配膳や下げ膳に活用することで、「非接触・非対面」でサービスを提供するとともに、従業員の負荷軽減や作業の効率化が見込めます。
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【セック(3741)】
「IEC 61508」認証のロボット用ミドルウェアを販売
セック(3741)は「自律移動」「アーム制御」「対話」「シミュレーション」など、ロボットのソフトウェア開発に関する実績を持つ企業で、サービスロボットの開発推進と普及を目指して事業を行っています。2012年には、機能安全の国際規格である「IEC 61508」の認証を世界で初めて取得したロボット用ミドルウェア「RTMSafety」の販売を開始しました。
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【日本ユニシス(8056)】
小売店舗向け業務代行AIロボット「RASFOR」を手掛ける
日本ユニシス(8056)は、金融や製造、流通、エネルギー、医療など幅広い分野でソリューションサービスを展開する企業で、小売店舗向け業務代行AIロボット「RASFOR」を販売しています。「RASFOR」は自律走行型のAIロボットで、棚に並ぶ数千の商品を対象に、売価やポップ期限、品切れのチェックを自動的に行います。2021年10月には、棚の陳列状態を個別商品単位で正確に把握できる「棚割実態把握機能」の提供も開始しました。
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【IDEC(6652)】
協働ロボット専業のシステムインテグレーターをグループに持つ
IDEC(6652)は、グループ企業のIDECファクトリーソリューションズが、協働ロボットのシステム構築に必要な機器、プログラム、ツールをワンパッケージで手掛けています。2021年4月に稼働を始めた新工場では、自社で取り扱う自律走行型の搬送ロボットを使い、部品や完成品の搬送を自動化。搬送ロボットがエレベーターに乗って行き先の階まで昇降できるシステムなどを構築して、生産効率を高めています。
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【オムロン(6645)】
2018年に台湾の協働ロボットメーカーと提携
オムロン(6645)は、台湾を拠点とする協働ロボットメーカー、Techman Robot(テックマン・ロボット)と2018年5月に提携しており、アーム型ロボット「TMシリーズ」を両社ブランドとして提供しています。また「TMシリーズ」とオムロンの自動搬送モバイルロボット「LDシリーズ」と組み合わせることで、人や障害物を自動で回避しながらモノを搬送する自走型ロボットとして利用できます。
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【川田テクノロジーズ(3443)】
グループ会社がヒト型協働ロボット「NEXTAGE」を商品化
川田テクノロジーズ(3443)は、グループ会社のカワダロボティクスがヒト型協働ロボット「NEXTAGE」を商品化しました。「NEXTAGE」は、すでに国内100社以上の生産現場に導入されており、電子・機械部品の組み立て作業や日用品の梱包などで活躍しています。
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以上、今回は「サービスロボット・協働ロボット」の関連銘柄を紹介しました。
なお、2022年3月9日〜12日に「2022国際ロボット展(INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2022)」が東京ビッグサイトで開催される予定です。前回(2019年)の出展者数は637社・団体、総来場者数は14万人超という世界最大規模のロボット専門展となります。
まだ、先のことではありますが、非接触サービスに向けたロボット活用が進むなか、「2022国際ロボット展」で改めて関心が集まる可能性があるので、今のうちから銘柄をチェックしておくといいでしょう。
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