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5月の米国CPIの上昇率が市場予想を上回ったことで、
米国の主要3株価指数がすべて年初来安値を更新!
米国の金融市場が大荒れとなっており、日本株の調整色も強まっています。
6月13日、米国の主要な3つの株価指数すべてが4日続落し、年初来安値を更新しました。NYダウは前週末比876.05ドル(2.79%)安の3万516.74ドル、ナスダック総合株価指数は同530.80ポイント(4.68%)安の1万809.23ポイント、そして、S&P500種株価指数は同151.23ポイント(3.87%)安の3749.63ポイントでした。S&P500種株価指数については、1月3日の過去最高値4796.56ポイントから22%下落し、「直近高値からの下落率が20%を超える」という条件を満たして「弱気相場」入りしたことも話題となりました。
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米国株が急落したきっかけは、6月10日に発表された5月の米国のCPIの上昇率が市場予想を上回り、FRBによる利上げ加速への警戒感が強まったことでした。CPIの発表前まで、市場には「インフレはピークを過ぎた」との楽観論が広がっていました。しかしながら、5月のCPIは前年同月比8.6%上昇と、市場予想の8.3%ならびに4月実績の8.3%をともに上回り、約40年ぶりの高水準となりました。このため「インフレピークアウトへの期待」は消滅しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルやゴールドマン・サックスが
FRBによる大幅利上げを予想したことで、市場の警戒感が高まる
6月14日~15日のFOMCを控え、6月4日から金融政策の関係者が対外発信を控える「ブラックアウト期間」に入っていますが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6月13日に、6月のFOMCで0.75%の利上げを検討する可能性があると報じました。
また、ゴールドマン・サックスは6月13日、6月のFOMCで0.75%の利上げが決まると予想を変更。さらに、FRBは7月に再び0.75%の利上げを実施し、9月に0.50%の利上げを行うと予想しています。
さらに、市場では、FOMC後の記者会見で、パウエル議長が7月以降の大幅な利上げを示唆するなど、タカ派的スタンスを一段と強めることが懸念されています。
このような状況下、6月13日の米国10年債利回りは前週末比0.20%高い3.36%となり、一時は3.44%と2011年4月以来の高水準をつけました。一方、6月13日の米国2年債利回りは前週末比0.31%高い3.37%で終え、米国10年債利回りを上回る「逆イールド」の状態になりました。逆イールドは景気後退の予兆とされています。つまり、市場は「急激な金融引き締め⇒米国の景気後退⇒スタグフレーション」という流れに怯え始めているのです。
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ちなみに、6月10日発表のミシガン大学の消費者態度指数は、前月比14%低下の50.2と、データが遡れる1952年以降で最低の数字を更新しました。ガソリン価格の急騰を主因に、指数的にはオイルショックや同時多発テロ、リーマンショック、コロナ禍のいずれの時期よりも消費者心理が悪化したことになります。このように、米国のGDPの3分の2を占める個人消費の低迷が顕著になっています。
日経平均株価は6月9日に3月の高値を上抜けしたものの、
その後の続落により「テクニカル上のダマシ」だったことが判明
このような状況を受け、日経平均株価は急落しています。
日経平均株価は、6月9日に2万8389.75円をつけ、3月25日の高値2万8338.81円を上抜きました。しかし、10日は前日比422.24円安の2万7824.29円と反落し、5日移動平均線(10日時点で2万8032.99円)と200日移動平均線(同2万7941.49円)を割り込みました。さらに週明け13日は前週末比836.85円安の2万6987.44円と大幅続落し、25日移動平均線(13日時点で2万7042.64円)も割り込みました。
そして、6月14日は前日比357.58円安の2万6629.86円と、75日移動平均線(14日時点で2万6853.03万円)と100日移動平均線(同2万6967.25円)を割り込みました。つまり、短期・中期・長期の移動平均線をすべて下回っています。
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残念ながら、6月9日の3月高値の上抜けが「テクニカル上のダマシ」となった格好です。中長期の下落相場では、短期的に、売り方の買い戻しをきっかけに相場が反発することがあります。すると、その動きに追随する新規の買いも入ります。しかし、中長期のトレンドが下向きのため、ある程度戻ると売りが優勢になり、その後は再び下落することになります。新規の買いが入った分、その投げ売りで次の下落幅はさらに大きくなるという「中長期の弱気相場」における「強気のワナ」と呼ばれる動きとなりました。
今回の戻り相場での教訓は、「日経平均株価は、25日・75日・100日・200日移動平均線が綺麗な『パーフェクトオーダー』となって明確な上昇トレンドを描くまで、“強気のワナ”が発生しまくることを忘れるな」ということです。
日経平均株価は、当面「横ばいトレンド」が継続するので、
「押し目(突っ込み)買い」と「噴き値売り」に徹しよう!
当面の日経平均株価は「横ばいトレンド」と見ています。いわゆる「ボックス相場(保ち合い相場)」が続く見通しです。
日経平均株価の下値の第1メドは5月12日の安値2万5688.11円、第2メドは3月9日の安値2万4681.74円です。3月9日の安値2万4681.74円と5月12日の安値2万5688.11円を結んだ「サポートライン」を割り込むと、まずは第1メドを目指すと見ています。そして、第1メドを割り込むと第2メドを目指すと考えられます。一方、上値のメドは6月9日の高値2万8389.75円です。
日経平均株価が「下落トレンド」ではなく「横ばいトレンド」と判断する理由は、「円安メリット」と「インバウンド需要への期待」、そして「金融緩和の継続」です。
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まず、「円安」が我が国の外需企業の収益を押し上げることでしょう。
次に「インバウンド需要への期待」ですが、確かに新型コロナウイルスの感染防止対策に伴う入国者数の規制は緩和されたものの上限が2万人に制限され、訪日観光客も団体ツアーに限られています。しかし、今後、さらなる緩和が段階的に進むと見られ、インバウンド需要の回復が見込めます。
そして「金融緩和の継続」ですが、金融引き締めが進む米国と違い、金融緩和が継続される日本の株式市場は、米国の株式市場との相対比較で底堅く推移する可能性が高いと認識しています。
そうした状況のなか、投資戦略としては「押し目(突っ込み)買い」と「噴き値売り」に徹するしかありません。もし、あなたが「スイングトレーダー」ならば、「順張り」を避けて「逆張り」で相場に臨むか、「デイトレーダー」に転じて地合いの影響を受け難い「デイトレード」に徹しましょう。
また、今後、5月12日から6月9日のような短期的な上昇が発生しても、それは「強気のワナ」の可能性が高いと警戒しましょう。そして、良好な投資環境は中長期的には続かず、6月10日以降のような急落が発生する可能性を常に意識しておきましょう。
とにかく、米国の株式市場が落ち着くまで下げ相場が続きます。資金管理を厳格にして、生き残ることを最優先事項にして、相場に臨んでください。
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