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日米の株式市場は米国の長期金利に一喜一憂し、
激しく上昇・下落を繰り返す不安定な相場が継続!
米国の株式市場は、相変わらず長期金利の動向に対して神経質な動きを続け、急騰・急落を繰り返しています。そして日本株も、その値動きの激しい米国株(特にナスダック総合株価指数)の動向に一喜一憂し、右往左往し続けています。
具体的には、先週10月13日のNYダウは大幅反発して前日比827.87ドル高、ナスダック総合株価指数も7日ぶりに反発して同232.05ポイント高でした。この日は、朝方に発表された9月の米CPIのうち、エネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比6.6%上昇と40年ぶりの高さとなって市場予想の6.5%を上回ったことを受け、米国10年債利回りが一時4.08%と2008年10月以来、14年ぶりの高水準をつけました。この長期金利上昇を嫌気する格好で米国株は売られたのです。
しかしながら、4%を超える利回りは投資家にとって魅力的だったようで、その後債券に買いが入り、結局、米国10年債利回りは低下して前日比0.06%高い3.95%で取引を終えました。この長期金利の低下が好感され、株式は急速に買い戻され、終わってみれば株式も大幅高となりました。
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先週の10月13日の米国の株高を好感し、14日の日経平均株価は前日比853.34円高の2万7090.76円と、5日ぶりに大幅反発して2万7000円台を回復しました。
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しかしながら10月14日のNYダウは反落し、前日比403.89ドル安でした。また、ナスダック総合株価指数も反落し、同327.76ポイント安の1万321.38ポイントと、12日に付けた年初来安値を更新しました。
10月14日の米国株の下落も、長期金利の上昇が嫌気された結果です。この日、長期金利の指標となる米国10年債利回りは前日比0.07%高い4.02%でした。ミシガン大が発表した10月の消費者態度指数が59.8と前月から1.2ポイント上昇、さらに消費者の予想インフレ率(1年先)が5.1%と3カ月ぶりの高さとなったことなどが、米国債の売り材料となりました。
この米国の株安を嫌気する形で、10月17日の日経平均株価は前週末比314.97円安の2万6775.79円と、大幅に反落しました。
そして10月17日、NYダウは大幅に反発し、前週末比550.99ドル高の3万185.82ドル、またナスダック総合株価指数も大幅に反発し、同354.41ポイント高の1万675.80ポイントまで上昇しました。この日は、米国10年債利回りが前週末比0.01%低い4.01%で取引を終えましたが、この長期金利の低下が米国株の買い材料となりました。
翌10月18日の日日経平均株価は、17日の米国株の上昇を受けて反発。前日比380.35円高の2万7156.14円と、再び2万7000円台を回復しました。
足元で急速に円安ドル高が進行しているものの、
世界が協調してドル高を是正する可能性は非常に低い
ところで、世界の金融市場の波乱要因だった英国問題ですが、政府債務の拡大が抑制される見込みとなったことで、混乱は収束に向かいつつあります。と言うのは、英国のハント財務相が10月17日、トラス政権が打ち出した大規模減税策のほぼすべてを撤回すると表明したからです。
英国で混乱収束の流れが見えてきたことは、リスクアセットの株式にはポジティブな材料です。実際、10月17日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前週末比61.45ポイント高の6920.24ポイントで取引を終え、17日の米国株も前述したように大幅高となりました。
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一方、外国為替市場では、英ポンドが対ドルで大幅に上昇し、ユーロも対ドルで連れ高するなか、対主要通貨で円は独歩安の状況になりました。
足元の急激な円安に対して、10月14日にはイエレン米財務長官が「市場で決定される為替レートがドルにとって最良の体制であり、それを支持する」と語り、翌15日にはバイデン米大統領が「ドルの強さを懸念していない」と述べました。このため、1985年9月22日の「プラザ合意」後のように、世界が協調してドル高を是正する可能性は非常に低いと見ておくべきでしょう。
なお、10月17日には共同通信が「日銀は17日、金融機関が日銀内に開設している当座預金の残高に関する統計を公表した。月初の日銀予想よりも1兆円以上減少していることから、市場では、政府・日銀が13日に、実施の有無を明言しないまま金融機関から円を買う『覆面介入』に踏み切ったとの観測が出ている」と報じました。しかし、13日以降のドル/円相場を見る限り、「覆面」であろうがなかろうが、今後、政府・日銀が円買い・ドル売り介入を実行したとしても円安に歯止めを掛けることは難しいと考えます。ただし、円安は我が国の外需企業にとって追い風であり、日本株にはポジティブ材料です。
日経平均株価は、ネックラインの2万7399.19円を上抜けると
そこからさらに1000円程度の上昇が期待できる!
米国株式市場における10月の最大のイベントは10月13日に発表された9月の米CPIでした。また、世界の金融市場の最大の火種は英国問題でした。その最大のイベントだったCPIを無事通過し、英国問題という悩みの種が解決しつつあるため、米国の株式市場のボラティリティは徐々に低下し、日本株も落ち着いた動きとなることが期待されます。
日本株については、円安効果に加え、政府の観光促進策「全国旅行支援」やインバウンド(訪日外国人)への水際対策の緩和の効果もあり、米国株の動向に左右されるとは言え、引き続き、米国株と比べて相対的に底堅い動きを続ける見通しです。
足元の日経平均株価については、10月3日の安値2万5621.96円で短期的な底入れを果たしたとの見方は不変です。一方、戻り高値(目先の天井)は6日の2万7399.19円ですが、当面はこれを明確に上抜けることができるか否かに注目しています。
ちなみに、10月3日~6日の上げ幅は1777.23円で、この61.8%押しは2万6300.86円です。13日に2万6237.42円まで調整したことで「調整値幅は十分」と思われます。よって、10月3日の2万5621.96円が一番底、6日の2万7399.19円がネックライン、13日の2万6237.42円が二番底と見ています。仮にネックラインの2万7399.19円を上抜けた場合、ネックラインからザックリ1000円程度、つまり2万8400円くらいまでの上昇が期待できます。
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ベアマーケットが続く日本株での投資戦略は
「下がれば強気、上がれば弱気」の「逆張り」がおすすめ
しかし、忘れてはいけないことは、仮に上記のような上昇が実現したとしても、しょせんは「ベアマーケット・ラリー(下落相場中の一時的な上昇)」となる可能性が非常に高いということです。なぜならば、FRBがタカ派スタンスを一切崩していないからです。本当に重要なことなので何度も繰り返しますが、FRBがハト派に転じるという見通しが立つまでは、日米の株式市場の中長期的なベアマーケット(下落相場)は続くので、投資家は「Don’t fight the FED」を常に意識しておかないといけません。
よって、日本株に対する投資戦略としては「逆張り」をおすすめします。「下がれば強気、上がれば弱気」で対応しましょう。
ただし、投資初心者は「逆張り」だからといって、リバウンド局面における個別銘柄への安易な空売りや、先物やコール・オプションの売り建てなどは避けましょう。あくまでも「現物を押し目で買って、噴き値で売る」という売買を行い、一度の取引で大きな値幅は狙わずに小さな利益をコツコツ積み上げることをおすすめします。
なぜならば、今の日本株については「中長期的な上昇相場」ではなく、基本的には「弱気相場のなかでのボックス局面」と考えているからです。リスク管理を厳格化したうえで、相場に臨み続けてください。
「米国株の歴史的な大底入れ⇒日本株の中長期的な上昇トレンドへの回帰」というバーゲンハンティングの大チャンスはまだまだ先と見ています。それまでは「生き残ること」を最優先にして相場で戦ってください。
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